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2011/08/09 Tue 牛肉と米の放射性物質:山下一仁

 牛は草だけでなくとうもろこしや大豆を与えて肉質を柔らかくしている。日本で口蹄疫(こうていえき)が騒がれたときに、中国から輸入していた稲わらがその病原伝達に関与したのではないかと疑われた。それで国内で放置していた稲わらを牛の飼料に使うことになった。2000年当時の農水省の取り組みとして、稲作農家から畜産農家へ稲わらを家畜へ、また、家畜の排泄物を稲作農家にまわすことによって国産稲わらの活用が図られた。

 農水省は、放射能で汚染されていない、地震前に刈り取った稲わらを使うようにと指導したが、現場の農家へは伝わっていなかった。(それで放射能に汚染された牛肉が出回ることになった)

 また、米はぬかに放射性物質が多く含まれるのでよく精米すればより安全になると言われている。稲わらに多く放射生物質がふくまれている。暫定規制値を越えた米は廃棄する方針。半減期30年だから保管の課題もある。

キヤノングローバル研究所 研究主幹 山下一仁


感想
収穫した米は稲わらごとしっかりした管理倉庫に全量保管する必要がある。それも100年以上。技術のみに未来を託した結果のひとつが目の前に示されている。


amazon リンク: 山下一仁の本
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山下一仁: 農業の規制緩和 2010/4/20 火曜日

 政府による「行政刷新会議」のものに規制改革に関する分科会のひとつに、農業のワーキング・グループが設けられた。農業の高齢化、食料自給率の低下が進んでいる。農業を成長産業にするための分科会。大きなテーマとなるのは農地制度と農協制度がある。両方とも時代に対応できなくなっている。

 (株式会社が農業に参入するとき)農地制度は農家が株式会社になる場合くらいしか認めていない。農家でない若い人や資金のない人が農業に参入できるようにしてはどうかと思う。

 日本の農協は特殊だ。今の農協は農家から自発的に作られたものではなく、1930年代の世界大恐慌時代に政府により作られ、前の戦争では統制団体として活用させられた。それがJAへと引き継がれ、保護されている。農家から自発的に農協を作ろうとしても容易には認められない。他にもさまざまな問題があるので(その分科会で)議論していきたい。

キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹 山下一仁(やました・かずひと) 



編者コメント
感想 [まあそうだな]

 日本は職業選択の自由があるが、好き勝手に「明日から農業をやりますから農家です」というわけには行かない。

 農業を成長産業にするとというのなら農業をする側からの参入しやすい制度にしてもらいたい。さらにいうなら、「先月までサラリーマンしてたけど、来月からはどこそこの町で農業をやります」という個人的な職業選択が出来るようにしてほしい。法人を重点的に優遇するような改革だと農業にも派遣労働者が増えることは目に見えている。指導的な立場の人の意見に注目していきたいと思う。

 





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山下一仁: 農業の持続可能性 2010/03/23 火曜日

 農業の生産手段に黄色信号がともった。農業の生産手段で代替できるものは、化学肥料はたい肥に、除草剤は人の労働、農業機械・石油は戦前のように労働で換えることができる。

 換えられないものは太陽・水〈地下水〉・土。アメリカ、中国は農業用に地下水をくみ上げすぎて地下水位が下がっている。また、トウモロコシなどの単作をしてそのまま植物で表土を覆っていないと、表土は風で飛ばされたり降水によって土壌浸食されて流失する。

 中国の耕地は世界の9%、人口は22%。中国は食料を自給したいので、かなり〈土地〉集約的な農業をしていて、殺虫剤や肥料を多く使っている。それで水の汚染の42%が農業に原因がある。食料生産は水質汚染により持続可能出来なくなってきつつある。

 アメリカも中国も食料生産の持続可能性について真剣な議論が必要だ。

経済産業研究所上席研究員 山下一仁(やました・かずひと) 


編者コメント
感想 [なるほど]

 かけがえのないものは太陽と水と土。肥料や農薬・農業機械と石油はなくても食料は作れる。昭和30年代まではそうやって米や野菜を作っていた。その作物は自分や家族・親戚・近所の人々が食べ、さらにどの市場に出荷していてどこの町の人々が食べていたか大体分かっていた。

 農産物は商品であることに違いはないが、国を越えて海を越えて求めるものではないだろう。また食糧自給の考え方は正しいだろう。「食料生産の持続可能性」についての議論は問題を抱え込んでいる国の問題意識が低い。それが一番の問題。

 





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山下一仁 米のトレイサビリティー 2009/07/14

 米トレイサビリティー法が国会で成立した。コメ流通に大変な変化が起こる。しかもマイナスの影響だ。トレイサビリティーとは取引の履歴を残しておくもの。牛肉は狂牛病の影響ですでにトレイサビリティーが行われている。米の汚染米事件で米にもそれが導入された。
 一見、消費者にとってよさそうだが、コストがかかる。農協でなく個々の農家が直接流通業者に販売するとトレイサビリティの管理が大変手間になる。牛肉は食肉処理場に一旦集められるので管理が楽。
 米にはミニマムアクセスがあるので、国内の米にはいろんな値段が発生する。工業用の米は1トン1万円、食用だと1トン25万円。横流しすると絶対儲かる。
 減反を廃止して米価を下げると国内の食用の需要が増える。国産米がミニマムアクセス米よりも下がればミニマムアクセス米を購入しなくてもすむ。さらに安くなれば国産米を輸出できる。
 経済政策の基本と言うのは、問題の根っこに直接対策を打つこと。牛にしても米にしても、問題がおきたらトレイサビリティーというのは安易な対策だ。汚染米を利用した農水省の権益拡大という匂いもする。農協などの流通業者を通じて農家に米を販売させることを強制させるという流通の問題もはらんでいる。

経済産業研究所上席研究員 山下一仁(やました・かずひと)

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編者感想
今年の4月24日の官報に米トレーサビリティ法のことが載っているらしい。来年の秋から施行されるとか。北海道新聞の記事にも少し出ていた。http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/hrice_news/55645.html
肉なら塊だから混じることは無いけど、粒粒の米は混ぜてしまうとわからない。魚沼産コシヒカリが生産量をはるかに超えて流通しているとか怪しい話は多い。汚染された米は食べたくないけど、米の値段があがるのは困る。いっそ、山下氏のいう「減反廃止」をどこかの地域でやってみて「米作のコストがこれだけ下がりました」という実証をしてみてもらいたいものだ。

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山下一仁 農政改革の行く方 2009/06/16

 石場農林水産大臣の農政改革が逆風を浴びている。米の減反政策の見直しについて言及した。減反は生産者・農家のカルテル。税金から減反補助金を出してそのカルテルを維持している。
 米価を上げて生産を刺激するということと、減反をして生産を制限するということは矛盾している(その矛盾を埋めるために補助金が使われている)。その理由はコメ政策には選挙が絡むため。
 野菜、牛乳の主業とする農家の生産量は8割、9割。ところが米作の生産量は主業農家が38%。構造改革が遅れたためにたくさんの票(零細農家)が残る結果となった。
 これからますますコメの消費量が減る中で米価を維持するには減反に頼ることになる。しかし、減反の面積は水田面積の4割りになっていて限界。
 減反政策をやめると、高いコストで米作をしている零細農家は農地を(主業農家に)貸し出すようになる。主業農家に土地が集まって生産コストが下がり、コメの価格競争力が高まる。そしてコメを輸出出来るようになる。
 平時にはコメを輸出し、牛肉や小麦を輸入する。食糧危機になって牛肉や小麦を輸入できなくなると、輸出していたコメを国内消費に回す。このようにして食糧安全保障が確保できる。

経済産業研究所上席研究員 山下一仁(やました・かずひと)

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編者感想
私の叔父が山間地で水田と林業をやっている。谷沿いに用水路をめぐらし、散らばった細長い田んぼを集めた広さは1ha弱だろうか。燃料と肥料・農薬などにかかる合計の費用とコメを出荷した場合の売り上げはあまり違わないようだ。換金作物としての機能はほぼなくなっている。ただ、隠れたブランド米として人気があるので物々交換や贈り物に使っているようだ。食料安全保障の点から考えても、水田を集約しても無意味な山間部の米作はまた別のアイデアで「構造改革」して残して活性化してほしい。

山下一仁 新型インフルエンザなどの発生をどう防ぐか 2009/05/19

 過去に鳥インフルエンザがあった。その飼育方法から、病気の蔓延(を防止する)には弱い。鳥から人、人から人への感染は限定的だった。現代社会の二つの特徴が結びついて起こっている。一つは、食糧生産のテクノロジーの発展によること。もう一つはグローバル化。
 企業の一般の損害賠償では民事請求する。しかし、BSE事件ではそれを起こしたイギリス政府は損害を賠償するどころか謝罪したとは聴いていない。現在、国がほかの国に損害を与えても責任を問われない。これからは国に対しても他国に損害を起こしたことに対して責任を取るようにすべきだ。そうすると予防にもつながる。
 国連の国際法委員会では、原子力開発・宇宙開発といった国際法で禁止されていない行為・合法的な行為によって損害が生じたら、国家や事業者に無過失の責任を負わせ、被害者の救済する、という原則論を2006年に採択している。まだ条約にまではなっていない。早く条約にすべきだ。

経済産業研究所上席研究員 山下一仁(やました・かずひと)

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編者感想
 たしか宇宙開発の場合は、打ち上げなどで他国にロケットの一部・全部が落ちた場合、発車した国や事業者がその被害を全額補償することになっていると聞いた。北朝鮮もその条約に加盟していて、例の「宇宙ロケット発射」騒動の時は日本に落ちてきて被害が出たら北朝鮮が賠償することになるはずだった。ただし、落ちてくる途中でアメリカから売りつけられた(ほとんど眉唾の)ミサイル迎撃システムでラッキーにも打ち落としていたらどうなっていただろうか。
 「国の他国に対する無過失責任」という考え方を教えてもらった。目からうろこが取れたような気がする。「国益」を振りかざして自分のやり方を広めていった大きな国が急速に衰退していく今、まず世界に地域的な平和をもたらすためにも「国の他国に対する無過失責任」は大切な考えになる。
 

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山下一仁(やました・かずひと):食料自給率の向上について考える 2008/9/9

要約:自由貿易によって日本の食料安全保障を確保することは出来ない。石油がないと日本の農業が成り立たないというのも間違いで、別の生産要素で代替できる。一番問題なのは農地確保で、政策目標に掲げるべきだ。



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農政アナリスト 山下一仁(やました・かずひと):減反政策の見直しと消費者行政 2008/6/17

前回ご自身のお考えも含めて減反政策生産調整政策廃止という噺をしていただきました。その後また動きが出てまいりました。(山下アナウンサー)

5月30日に町村官房長が減反政策を改めることが世界の食糧危機に貢献できるのではないかと発言した。それにたいして与党、政府・農林水産省から反発をうけた。

農林水産省からは、「生産調整というのは減反ではなく自給率の低い作物への転作だ。生産調整を止めると専業農家が打撃を受ける」と反論された。
与党からは、「減反政策をやめれば米は一俵60Kg当たり1万4千円だったものが6千円まで暴落してしまう。だから農家は困るのだ」と反論された。

ただ、「世界的に食糧が不足してかつ日本の食料自給率が39%の状況で、水田面積の4割も減反するというのは国民感情に沿わないのではないか」という町村発言を勇気があると評価する人もいる。

生産調整というのは建前は転作。今ある水田260万haのうち100万haを生産調整している。しかし、そこに麦やダイズを転作していれば食料自給率はもっと上がるはず。実際はこの転作面積100万haの4割程度。のこり6割には何も植えられていない。実質的には減反。また、転作している40万haもはっきりと(何を収穫しているか)していない。兼業農家は転作作物を栽培する技術・労働力が無いので、植えてはみたものの収穫しない「捨て作り」という実態があるのではないかといわれている。

転作のために(補助金として)1千600億円もかけているが、ほんとに転作して収穫しているのは4割を切っていると思う。

生産調整を止めれば米価は暴落するんでしょうか?(山下アナウンサー)

暴落すると言う与党の議員の主張は根拠がよく分からない。おそらくその前提には生産調整しているかなりの部分が、生産調整を止めれば米の生産を復活してしまうということだろう。専業農家で既に転作作物を作っている人はそのまま(米でなく)転作作物を作りつづけると思う。また、転作していない生産調整の農地は耕作放棄されていて、再びそこに米を作るには相当の手間ヒマ・コストをかける必要がある。実際には不可能だろう。

平成5年に米が不作で「平成の米騒動」があり、耕作放棄したところを復田して耕作地を増やそうとしたが、平成5年の米の作付け面積は214万haで翌年はわずかに7万ha増えた221万haになっただけだった。そもそも(生産調整廃止による)米価暴落説は理論的にも実態的にもありえない。

生産調整を止めれば米作の依存度の高い主業農家・専業農家が打撃をうけるといえるんでしょうか?(山下アナウンサー)

本当に主業農家・専業農家のことを考えるなら、生産調整を廃止する。すると一俵1万4千円が9千500円くらいに下がる。その低下する部分を主業農家に財政から補填すれば良い。苔に必要な予算は大体1千600億円くらいで、この金額は生産調整カルテルに入るように農家にはらっている額と同じ。財政負担は同じで、消費者価格は1万4千円から9千500円に下がるので消費者もメリットを受ける。

ところが昨年米価が下がったので、政府は34万トンを市場から買い上げて米価の底上げを図った。また、1千600億円の生産調整の予算を補正予算でさらに500億円上積みして生産調整を10万ha強化する(合計110万ha)という方針を打ち出している。
(たまたま穀物価格が上がっているので)政府が買い上げて売却した米は、新潟コシヒカリで2万3千円、あきたこまちで1万8千円と高値をつけている。(つまりこのまま政府の方針を進めていくと)政府自ら米の値段までも上げようとしていることになる。

これにたいして国民・消費者はどのように反応するか?
そろそろ食管制度に代表されるような戦後の消費者負担型の農政を転換するときが来たのではないかと私は思う。




編者感想:もと農林水産省に在籍していた人にしてははっきりとものを言っている。同じ財政負担米価が下がり、農家への補填もできるのであればいい方法だと思う。たしか、ドイツとスイス(フランスだったな)の農家にも似たような制度があって農業生産物に対してそれに掛かったコストの一部を補助する制度があったように思う。「生産しなかったらお金をあげる」というのと「生産したらお金をあげる」の二つの選択肢があったら、勤勉な日本人なら(世界中の人でも)「生産したらお金をあげる」を選ぶのではないかな。

たまたまなのか、「ビジネス展望」で3回続けて食糧問題が話題になった。環境・エネルギーなどの他の話題とからまっていて食料問題だけ切り離して議論するとこは出来ないってことか。






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山下一仁(やました・かずひと):食糧危機への対応 2008/5/27

穀物の国際市場は各国の国内市場と分断・隔離されている市場だと言う特徴がある。
各国とも、(穀物の)国際価格が低迷しているときには自国の農業を保護するために関税を張って安い輸入農産物を入ってこないようにする。他方、国際価格が高騰すると輸出税をかけたり、輸出禁止・数量制限などで国内消費者への供給を優先する。現在、インド、ベトナムは輸出禁止。ロシア、中国は輸出税を掛けている。

自動車はその生産量の50%が貿易されるが、穀物は生産量のわずか15%程度が輸出されるに過ぎない。従って、15%が天候で不作になったとしても、各国が自国の供給に優先することになると、貿易量がゼロになる。1973年に穀物が高騰した。調べてみると全世界の穀物生産量はわずか3%しか減少していない。3%の減少が3,4倍にもなる穀物価格の高騰をよんだ。

日本は、最近のWTO交渉で輸出制限について輸出国・輸入国で協議が不調に終わったときには専門家委員会を開いて判断する、と言う提案をした。しかし、(日本は)国内農業を保護するために関税をかけ、(食糧不足で)困ったときには輸入させろと言うのは、いくらなんでも虫が良すぎるとインドの代表からいわれた。

日本の食料自給率は60年(1960年か?)で79%、今は39%に低下している。

戦後日本の農政の特徴というのは「米の値段」つまり米価を上げて農家の所得を確保しようとした。しかし、米の値段が上がったので、この40年間で一人あたりの米消費量は半分に減っている。そういうわけで米は過剰になり生産制限を実施している。その面積は、水田面積が260万ヘクタールあり、その4割の110万ヘクタールで生産制限をしている。このことは米あまりとともに農地も余っているという認識が定着し、農地が宅地に転用されたり、耕作放棄ざれたりして、いまでは農地として460万ヘクタールが残っているだけ。ここにカロリーを最大に出来る芋だけ植えて、やっと日本人が生命を維持できる。戦後、食糧難の時代、人口は7000万で農地面積は600万ヘクタールあったが、それでも飢餓が生じた。いまの農地が460万ヘクタールと言うことは危機的な状況。さらに生産制限をすると、現在39万ヘクタールという耕作放棄地がさらに増えることも心配される。

今までは一人あたりの(米の)消費量が減ってきたが、人口が増加してきたので総消費量の減少はめだたなかった。しかし高齢化と人口減少で米の消費量は相当減ってくる。すると2050年頃には米の総消費量は今の850万トンぐらいから350万トンくらいですんでしまう。生産制限を210万ヘクタールくらいに拡大して50万ヘクタールで米作をすればいいと言うことになってしまう。

私が以前から提案しているのは、米の生産制限を止めること。そうすると今の米価は60kg当たり1万4000円くらいであるのもが、9500円程度に下がる。日本が中国から買っている米の値段は1万円くらい(60kg)なので、これよりも低くなる。米作農家にこの価格を補填すれば1600億円くらいで済んでしまう。現在、生産制限に参加させるために農家に払っている補助金と同じ額。同じ補助金の額を使ってしかも米の価格は下がるわけで、財政負担は変らず、消費者は価格低下の利益を受け、(中国の米と価格で同じくらいなので)さらに米を輸出できるようになる。

輸出をすれば国内だけでなく海外の市場を取り込むことができて農業を縮小しなくても済む。日本も、食糧危機が生じたら、現にインドや中国がやっているように、輸出に向けていた米を国内に向けて飢えをしのげばいいと言うことになる。自給率が31%ということは69%を国際市場で調達していることになり、輸出している途上国の飢餓を増幅していると言うことに他ならない。

生産制限を廃止して輸出によって農業を縮小から拡大に転じると言うことが、日本が食糧難時代に行なえる国際貢献であって、なおかつ日本の食料安全保障に繋がる政策ではないかと思う。


2008年 5月 27日 火曜日 農政アナリスト 山下一仁(やました・かずひと):食糧危機への対応


編者感想:食料安全保障はいまだに軽視されているとおもう。田畑つぶして住宅や工場・会社用地にしても、海外への生産移転や不況になったら食べるものを作れないじゃないの、といつも思う。今回は山下一仁氏の持論でもあっただけに、話として分かりやすかった。一度この方法で食料自給率が上がるか、日本の農業が生き返るかやってみたらどうだろうかという気になった。









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山下一仁(やました・かずひと):食の安全と貿易 2008/4/29

山下さんは「食の安全と貿易」と言う本を出版されたばかりですが、中国輸入餃子、輸入牛肉の事件についてどう思いますか。(浜中アンカー)

    今日の問題は二つのことが結びついて起きている。
  1. 技術進歩でおいしいものが食べられるようになった。また簡便な冷凍食品が流通している。技術進歩の反面の問題として、農薬・食品添加物がたくさん使用されている。生産方法が変ってBSEが発生した。遺伝子組み替え食品を食べることの不安がある。
  2. グローバル化した貿易が進展している。世界中から良いものを安く買える。マイナスの側面もある。日本でのBSEはヨーロッパから肉骨粉を輸入したから発生した。一般に食料品は生産者が多くいるので、問題が発生したとき何処で起こったのか特定しにくい。

食の安全の観点から見ると貿易は規制すべきということになってくるんでしょうか?(浜中アンカー)

食品の輸入を通じて病気や病害虫が進入してくるのを防ぐために衛生食物検疫措置(SPS措置)をしている。食の安全を図るためには十分なSPS措置が必要だが、逆に使われるようになってきた。というのは、いろんなGATTの交渉を重ねてきて関税や輸入制限がずいぶん少なくなってきた。国内の産業を保護するためにSPS措置を使おうという動きも出てきている。食の安全のためのSPS措置か、輸入制限SPS措置か判断しなければならなくなっている。

世界貿易機関(WTO)が出来て、このなかにSPS協定がある。SPSは食の安全と輸入制限のバランスを科学に求めている。「科学的根拠に基づかないSPSは認めない。生命・健康へのリスクが存在するか、SPS措置によってリスクが軽減されるか、それについて科学的根拠が示されないと国内産業を保護するためのものだとして規制する。」
総論的には(SPS措置の根拠を科学に求めるのは)誰も賛成だが、輸出国と輸入国の対立が生じる。科学といっても様々な見解があり、証拠も変化する。BSEと人のクロイツフェルト・ヤコブ病が関連しているとイギリス政府が発表したのは1996年になってから。それまでは誰もそれ(BSEと人の病気)に関連があるとは考えなかった。従って、1996年以前にBSEを理由にイギリスからの牛肉の輸入を禁止すると、WTOに違反すると判定された可能性が高い。

日本ではアメリカ産の牛肉については生後20ヶ月齢以下のものに限っている(日本独自の基準)。しかし国際基準ではアメリカ産の牛肉は骨がついていようが、月齢がどうであろうが輸入を認めねばならないことになっている。

今後SPS協定のの解釈・運用が大変重要になってくるのではないかと思う。


2008年 4月 29日 火曜日 農政アナリスト 山下一仁(やました・かずひと):食の安全と貿易


編者感想:GATTやWTOの仕掛けでグローバル化した経済が成立していることは良く分かった。たしかに昔に比べるといろんな食品が比較的安く買ったり食べたり出来るようになった。でもそんなに食べたいかというとそうでもない。20年程前にオランダを旅行していたとき、ある小さな港町で食べたハンバーガーがあまりにまともな味がして、それ以来マックのハンバーガーを食べたいと思って食べたことは無い。どっぷりと中年に浸かって食べ物の嗜好も固まってきたか(笑)?
GATT,WTO,SPS,グローバル化って一体誰のためのものか、誰の利益になっているのか、とつい考えてしまう。

農林水産省のサイトにあるWTO/SPS協定の説明(けっこう分かりやすく解説しています) http://www.maff.go.jp/j/syouan/kijun/wto-sps/index.html








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