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鈴田敦之(すずた・あつゆき):悪い物価上昇と景気 2008/3/31

景気が良くなって個人消費が強まり、需給が引き締まり物価が上がる > 良い物価上昇
個人消費が増えず、景気が悪い中で原材料価格が上がって物価が上がる > 悪い物価上昇

先週総理府が2月の物価上昇を発表した。対前年同月比で1.0%上昇。1月は0.8%の上昇で5ヶ月連続の上昇となった。
1.0%上昇は、消費税upをしたときで、10年振り

物価上昇の中身はエネルギー関係で0.7%、小麦を原料とするバンなどの食料で0.26%
先物商品市場の上昇が現実化してきた。

エネルギー価格上昇の原因は投機マネーの流入といわれるが、新興工業国の消費量増加・原油埋蔵量の減少などが原因で、高止まりになるだろう。

食料は、近く小麦の政府引渡し価格が30%値上げされる。
去年ヨーロッパ、オーストラリアで旱魃があった。それを除いても食料価格上昇には構造的な問題がある。

新興国が工業化すると食料輸出国から輸入国に変るから。
トウモロコシはバイオエタノール、ダイズはバイオディーゼルに使うことになり、小麦から転作する動きがある。
限られた食料を国同士が奪い合い、燃料と食料で奪い合う。この(食料需給逼迫の)構造は一時的ではない。我が国の食料自給率は36%で、これを上げるのも難しい。

この物価上昇個人消費は押し下げられる。今年の春闘の賃上げは去年とほぼ同じになるだろう。物価上昇を見込むとほとんど増えないかマイナス。雇用関係の指標もよくない。

消費者心理が冷え込むことが心配だ。
景気は今まで輸出と設備投資で引っ張ってきた。これらが減少し、かつ個人消費はマイナス方向になり、良かった企業収益も減益になるだろう

景気が下がっていく中で物価が上がるスタグフレーションという最悪の事態もありうると考えておくべきだ。


2008年 3月 31日 評論家 鈴田敦之(すずた・あつゆき)


編者感想:番組改変で浜中アナウンサーが今日から担当になった。来週の月曜日から、前週放送された「健康ライフ」「ビジネス展望」を一週間分まとめて番組のホームページで聞くことができるようになるとか。その二つの番組は問い合わせが多いからだそうである。
「ラジオあさいちばん」の番組ホームページはこちら https://www.nhk.or.jp/radiodir/asa
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寺島実郎(てらしま・じつろう):21世紀に入って7年・世界経済の激変 2008/3/28

(この番組のキャスターの)木村さんと2000年の12月31日に「いく年くる年」に出演し、21世紀がどんな年になるかお話した記憶がある。

テロと戦争の7年だった。9.11以降イラク、アフガニスタンなどで10万以上の人(兵士)が亡くなった。(木村キャスター:イラクの市民は10~20万人亡くなったといわれている)
エネルギー高騰の7年だった。エネルギーの価格が5倍にもなった。需給ではなく金融肥大化・過剰流動性によるマネーゲーム化で価格が上がった。それを支える経済の不自然さが爆発したのがサブプライムローン問題であった。今の経済システムが怪しげなものであることを見せつけた。

アメリカを中心にした世界秩序、米国の求心力が衰えていった。大国の論理で世界の秩序を保とうとしたがうまくいかなかった。現在は全員参加して新しいルールを作るためにもがいている段階。

日本はこの7年間にどうかかわったか考え直さないといけない。自ら参画したりコミットしたりする姿勢が重要。
「アメリカを通してしか世界をみない」「アメリカを通じてしか日本は行動しない」といった視点を一気に変えていくべき。

洞爺湖サミットも近づいているが、(議題となる)環境問題はエネルギー問題の裏返し、日本はどういうビジョンを出していくか(重要なことで、注目したい)。

基軸になる座標軸をきっちり持って、日々の出来事をプロットしていく必要がある。大きな時代の流れの向かう先は何処なのか、構造的に認識する必要がある、と思っている。


2008年 3月 28日 財団法人日本総合研究所会長 寺島実郎(てらしま・じつろう)


編者感想:寺島実郎氏がイラクなどの戦争とテロで亡くなった兵士の人数のみ上げていた後で、すかさず木村キャスターがイラクの民間人の亡くなった人数をコメントしていた。戦争で死ぬのはいつも兵士より民間人・市民が多いことは忘れちゃいかん。木村キャスターには別の番組でお耳にかかりたい。












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関志雄(かん・しゆう):中国三農問題への処方箋 2008/3/27

三農問題 中国の「農業」、「農村」、「農民」にかかわる問題
現在でも中国では7億人が農村部に住んでいる。農業従事者は3億人を超えている。

中国の都市部と農村部の格差は大きい。2002年に登場した胡錦涛(こ・きんとう)主席・温家宝(おんかほう)首相の政権は成長一辺倒から調和のとれた世界を目標としている。
そのためにも三農問題を解決しなくてはならない。

新農村建設計画に乗り出した。租税減免・補助金による所得向上、インフラ整備・公共サービスの拡充が主な内容。ただ、これだけだと不十分。
一人当たりの所得を向上させるには、分母に当たる農民の人口を減らすことが必要。
従来の戸籍制度では農業戸籍を持つものは勝手に都市部に移住することは出来ない。都市で働く場合は国内版の査証(ビザ)で短期の滞在しか許されない。
出稼ぎの農民は低賃金、公共サービスを受けられない、失業保証を受けられない、生まれた子供は農業戸籍のまま。出稼ぎ農民は多くの差別を受けて都市部での貧困層を形成している。

出稼ぎ農民が加わり、三農問題は四農問題へと変貌している。

中国政府はこの戸籍制度を改革に取り組み始めた。
一部の地域では農業戸籍と都市戸籍の区別を排除した。多くの小さい都市では、現地に固定住所・安定した収入さえあれば戸籍をえることができるようになった。

多くの国と同じように、経済発展とともに中国も都市化が進む。

改革解放路線に転換して、30年前には都市人口はわずか1億7千万人だった。昨年は5億9千万人になった。全人口で見ると18%から45%に都市部の住民の割合が上昇した。特に21世紀になってから。

都市化は需要と供給の面から中国経済を牽引している。
供給:第二、三次産業に多くの雇用機会を創出して農村部の余剰労働力を吸収している。それにより全体の労働生産性を上げている。経済活動の集積効果も生産性を高めている。
需要:消費の拡大。家族で都市にすむようになると、住宅需要が拡大する。インフラ(交通・電気・水道)の整備、教育・医療の公共サービスの充実を図らなくてはならなくなる。

2006年から始まった中国の第11次5か年計画では4千500万人を農村部から都市部へ移住させ、2010年の都市化比率を47%に引き上げることを目指している。
中国の都市化率は先進国だけではなく発展途上国と比べても低い。従って遅れている分だけ高まる余地がある。

さらなる戸籍改革で都市化と経済発展の好循環が定着し、三農問題も解決する方向に向かうでしょう。


2008年 3月 27日 木曜日 野村資本市場研究所シニア・フェロー 関志雄(かん・しゆう)


編者感想:関志雄さんの話しは明確で分かりやすい。日本語の使い方も正確で、頭の切れる人なんだろうと思う。日本も高度経済成長期に同じような状況だった。但し、戦後のアメリカとソ連の勢力均衡の上で平和を謳歌できたことと、日本はある程度の農村へのインフラ整備・社会制度整備をしたので不況の際に都市で失業した若者を一時的に農村に吸収できたことが経済発展を長期化できた原因だと思う。中国が不況に見舞われたとき、失業者があふれて「なんとかの乱」と呼ばれるような内乱が起こらないとも限らない。「太平天国の乱」のきっかけも似たようなものだったし。今チベット問題が出ているけど、その程度では中国は揺れないはず。問題は不況、エネルギー(石油)・環境危機がいつ中国を襲うかだと思う。

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関満博(せき・みつひろ):民営企業して発展する郷鎮企業・中国無錫の郊外都市宜興(ぎこう)市の現在 2008/3/26

郷鎮企業 中国の村の企業 1990年代の後半に一気に民営化に踏み出した。
かつての郷鎮企業はどうなったかとこの3月に無錫の郊外にある宜興市に行ってきた。

宜興市はもともと陶器・石材の産地。さらに中国で唯一の環境保護サイエンスパークを持っている都市。場所は太湖(上海の西にある琵琶湖の3倍の広さの湖)の西岸。

郷鎮企業から民営化した企業の例。
汚水処理施設の設計から製造・設置を手がけている「こうそきんざん環境保護エンジニアリング」、88年に従業員全体で株式を保有し民営化。水処理では中国のトップ企業。
電線ケーブル製造が70%、ほかに医薬品製造・不動産の「新遠東集団(ファーイースト)」があり、従業員5,000人・売れ上げ高2000億円。92年に従業員27人で民営化。三千万円で買い取られた。当時の工場長が現在の経営者45歳。中国での電線製造のトップ企業。
希土類の精製力世界第三位・生産量世界第二位の「チャイナレース」。84年に5万円で設立された郷鎮企業(耐火煉瓦製造)。99年に当時の工場長が買取、民営化。中国南部の希土類の鉱山を買い取り300億円の売上、従業員1200人の企業にした。98%を輸出。

郷鎮企業の多くはアパレル(衣料品)や日用品製造が多いが、宜興では興味深いケースが見られている。

中国の2000年代は民営企業の時代だといわれている。その発展のスタイルは3つに分けられる。
1.若者が独立創業するパターン。広東省では、進出した外資系企業ではたらいた若者、大都市のソフト企業で働いた個人の独立創業。
2.国有企業の民営化、いろんなパターンがある。
3.郷鎮企業からの転換。今回お話したもの。

宜興市は長江下流だが交通の便に恵まれていない。個人の独立創業のケースより、かつての郷鎮企業をベースにした民営化が顕著。重工業・基礎産業部門にその動きが強まっている。
中国の企業社会・産業構造も厚みのあるものになってきている。

村の小さな企業から発展してきて、その企業の活動が国内市場だけでなく海外市場を含めた展開になってきている。民営企業の本格化を象徴している。日本の企業もこのような企業と関係することが重要。

(番組のアナウンサーである)木村さんと8年くらいこういったお話しをしてきました。今日で私の話は100回目くらい。最後の30回くらいの話を「地域産業の現場を行く」と言う題名で出版しました。


2008年 3月 26日 水曜日  一橋大学大学院教授 関満博(せき・みつひろ)


編者感想:番組のキャスターをやっている木村アナウンサーは今期の番組改変で降板するとか。やわらかい声質と評論家顔負けの受け答えが印象的だった。中国と言えば、十年前に雲南省の景洪市に観光で行ったきりだけど、変ってるんだろうな。

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内橋克人(うちはし・かつと):進むのか正社員化の流れ 2008/3/25

一週間後の4月1日に「改正パート労働法」が施行される。それと前後して『正社員化ぞくぞく』と言った新聞記事の見出しが目立つようになった。
ただ、それはイメージで現実は違う。

正社員と同じ扱いを受けるパート労働者には3つの要件が課せられている。パート全体の4,5%、50から60万人に過ぎない。
もちろんこの法律を正規雇用を増やしていく一歩にしなければならない。

一部の熟練パート労働者を囲い込むと言う企業側の都合が先行している。正社員化の流れ一般を加速しているとはいえない。

正社員化されるパートの3つの要件とは
1.正社員より労働時間の短いパート労働者。正社員と同じ時間働く有期労働者(フルタイム・パート)は対象外。
2.仕事の内容・責任は正社員と同じであること。人材活用の仕組みが正社員と同じであること。つまり,正社員と同じく転勤・配転に応じられること。
3.契約期間に定めが無いこと。契約が反復更新されており、無期契約と同じとみなすことができること。

同じ非正規雇用の派遣、請負がこの法律の対象になっているわけではない。

就職氷河期に社会に出た若年労働層の救済はなかなか容易ではない。

大手の製造業、流通業でパートを正社員化する動きが出ている。その理由は3つ
1.低賃金、必要なときだけと言う企業に都合に良い労働力が集まりにくくなってきた。派遣の場合雇用期間が2年を経過すると同一業務で新規契約することは認められていない。
2.現場では技能の伝承が縦にも(世代間)横にも(現場内のコミニケーション)切断されてしまう。ひいては開発力にも翳りが見えてくる。
3.どんな単純作業でも習熟が必要なので、企業はいくら教育・訓練をしても辞められてしまっては困ることに気づき始めた。

正社員化対象者の中からまず期間社員に選抜する。その後意欲のあるものを正社員にする。

非正社員相互の差別が生まれてくるのではないか。正社員になれる非正社員となれない非正社員。
企業へのロイヤリティを求められる。正社員というにんじんをぶら下げられて、非正社員の間に成果の競い合いをさせようとするのではないか。

雇う側だけの都合だけが先行してはならないと思う。

わが国の非正規雇用は1732万人,働く者の32%にも達している。そのうち77%が年収200万円以下。低賃金だけでなく社会保障の体系からも排除されている。

1982年オランダで『ワッセナー合意』が成立した。働くものは全員が正社員、労働時間に長短はあっても身分は正社員である。チームワークで仕事をする(ワークシェアリング)。
「フルタイム労働は権利、パートは選択」というのがヨーロッパの通念

同一価値労働、同一賃金の原則を取り戻すべきときに来ている。


2008年 3月 25日 火曜日  評論家 内橋克人(うちはし・かつと)


編者感想:経営が苦しいと言って、派遣労働やパートで労働コストを圧縮することしかしない経営者には、せめて4月1日からの「改正パート労働法」を遵守してもらいたい。エイプリルフールなんてことのないようにね。

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鈴田敦之(すずた・あつゆき):信用収縮に揺れるアメリカ市場 2008/3/24

アメリカの5大証券会社の一つベア・スターンズが救済・合併された。大きいところはつぶせない。これはアメリカでも同じ。
ニューヨーク連銀がJPモルガンを通じて公定歩合で資金を貸し出し、さらにJPモルガンが救済買収することになったので無担保で上限300億ドルを融資することになった。

「第二のベアはどこだ」と疑心暗鬼になっているので、資金繰りが厳しくなっている証券会社を支援する制度がこの27日からスタートする。

ベアーズの行き詰まった理由は、証券化商品に強いと言うことでサブプライムローンの証券化にも積極的に取り組んできたから。
それでも去年は黒字を出していた。その証券会社が不安の噂が出て一週間足らずで行き詰まったと言うのは、短期金融市場の異変。
「レポ取引」 国債初め格付けの高い債権を担保に短期資金を融資する取引。金の出しては銀行。
銀行はリスクを恐れて追加担保の差し入れ、融資の返済を迫るようになった。

投資会社カーライル傘下のカーライル・キャピタルが16日に会社清算に追い込まれた。これも短期金融市場の影響だと言われている。

金利を下げる対策を取っているが、正常な金融市場でないとその影響が末端まで届かない。住宅ローンの匂いがするだけで敬遠される不安心理の中では、その効果は出てこない。

FRBはFFレートの金利を引き下げて2.25%にした。物価上昇率を考えると実質的にゼロ金利。もう金利を動かしようがない。

週末に株価は戻ったようだが、金繰りの対策は一時的なもので抜本策ではない。企業のバランスシート上では数千億ドルのサププライムローン関連の商品が売りを待っている。
それらの商品を誰がどれだけ持っているのか、値がつかない中で評価は正しいのか。市場は不安の連鎖が続いている。
最終的には公的資金の投入が次の日程に上がってくるだろうと思う。

日本では株が下がった、ドル安になったと値段だけに目が行っているが、アメリカの金融システムの実態分析が必要。
投資ファンドが行き詰まる>コマーシャルペーパー市場が混乱する>(モノライン問題)特別目的会社(SIV)が問題になり>証券会社まで及んできた 範囲が拡大してきた

つぎは銀行だろうと思われている。ここで抜本的な対策を打たないとこのアメリカの金融システム不安は長期化する様相。

この影響が日本に何処までどの程度影響が及ぶのか、深刻な影響が状態になりかねないと心配している。

2008年 3月 24日 月曜日  評論家 鈴田敦之(すずた・あつゆき)

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水谷研治(みずたに・けんじ):円高ドル安 2008/3/21

プラザ合意(1985年9月)の一週間前に私がNHKのラジオに出演したとき、ドル相場は150円くらいになるんじゃないかと話したが、完全に無視された。
その後、半年で240円から150円になった。

ここ数年の高値が120円くらい、今回下がったと言っても2割程度。しかし、石油は1バレル100ドルになったので(他の商品価格も上昇し)、ドルの価値は半分以下になった。
需給関係とともにドルそのものが下がっている。ドルが下がると輸入物価が上がる。ドルで買う場合、以前に比べて余分に払わないといけない。

ドルが下がっている理由は、ドルが余っているから。
日本人、中国人や世界の人々がドルを買っているのでドルはあんまり下がらない。不況だし(設備投資も出来ないので)、金利の低い円から金利の高いドルにしている。

日本は景気がよくないのに、輸出をしてその代金が入ってくる、政府が赤字で民間へお金が溜まってくる、景気が悪いので日銀がお金を出している。デフレなのでその状態が続く。

円安になると輸出が困るので、我々はこれでいいとおもっている。

ドルは以前は強い通貨だった。アメリカは以前は強い国家だった。したがって円はドルと一緒になっていたかった。

これからは金の保有量を高めるなど、ドル離れを目指していかなきゃならない。

2008年 3月 21日 金曜日  中京大学教授 水谷研治(みずたに・けんじ)


編者感想:基軸通貨としてのドル、覇権国家としてのアメリカの終焉を考える時に来ているということか。ま、だいぶ前から言われてるけどね。

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伊藤実(いとう・みのる):地域再生 2008/3/20

この仕事を受けたとき正直「ラジオかぁ」と思った。TVは良く出演するのだけれど。
しかし、(今では)地方に仕事に行くと地方自治体、企業の方に「ビジネス展望の伊藤さんですか」と聞かれて、その後の話が進みやすい。

道路特定財源をどうするか議論が盛んだが、地方に財源を移しても地方は再生するかというと必ずしもそうでは無い。

いままで日本の行政は中央から地方に(悪い言葉だが)予算をばら撒いていた。
昔、「地域総合整備事業債」と言うのがあった。地方自治体がハコモノを作るときに総事業費の75%までこの事業債でまかなえた。
また、地方自治体が借金をするとその利子の最大55%まで地方交付税で補填されていた。→それで需要予測を誤ったハコモノを一杯作っていた。

このように過去にお金を地方にまわしていたが、うまくいかなかった(破綻地方自治体、夕張市など)。

元自民党の梶山静六氏が本に「地方は自ら考え、自ら行なうという習慣に欠けていた」と書いている。
地方のインフラ整備と称して新幹線や高速道路を作ってもその地方が発展するとは限らない。地方支店などの廃止、観光地の素通り・日帰り化。

岩手県北上市の例。便利なところではないが、水、学校、生活インフラはある。市が開発公社をつくる。市長ほか職員が年間200社を訪問して企業誘致している。地道な努力で企業誘致に成功。
群馬県川場村の例。道の駅をつくり、地元産品の直売とインターネットで販売。道の駅に年間67万人訪れる。

アイデアが大切、地元から出なかったらよそから持ってきてもいい。ハコモノはダメ。


編者感想:地方のある役場に行く機会があってそのときの対応を思い出してみると、「自ら考え、自ら行なう」ような公務員は目にしなかった。地域再生は財源じゃない、人だ。

2008年 3月 20日 木曜日  労働政策研究研修機構統括研究員 伊藤実(いとう・みのる)

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白石真澄(しらいし・ますみ):本格化し始めた高齢者活用 2008/3/19

この5月からる大手スーパーでパート社員の定年を65歳から70歳に引き上げることになった。
時給は64歳の時と同じ、高齢者の健康に配慮して週16時間以内にする。

ここ数年の好景気で優秀な人材が集まらないと言う企業が多い。また、少子化で若年労働者が減少する。優秀な人材にやめられては困る。

二年前の4月から施行されている「高齢者雇用安定法」
企業に65歳まで働ける環境整備を義務付けた内容で、下の3つのいずれかを取るようにさだめられた
1.2016年以降、定年を65歳に引き上げる
2.何らかの形で65歳まで継続して働けるようにする(正社員であったものをパートにするなどして)
3.定年制を廃止

ほとんどが2.の方法をとっている。

5300社を対象に調べたところ、一律に定年を定めている企業は97%。その中で定年を60歳とするのは9割。
60歳で一旦定年退職して一年契約で雇用している。

ある電気メーカーでは本人が希望すると65歳定年制を適用。
定年制の無かったある大手ゲームソフトメーカーでは2004年から65歳定年制を敷いた。
外資系の会社では40年前から米国本社に習って65歳定年にしている。

これらのところは年齢給を廃止し、成果主義・仕事の責任に基づいた給与になっており、年齢とともに給与が上がっていくシステムではない。

国は定年を70歳にしようと考えている。平成18年にまとめられた「再チャレンジ支援総合プラン」にも高齢者雇用の社会実現を謳っている。
国は様々な目標をたてて定年を65歳、70歳に延ばそうとしている。様々な定年延長の事例をまとめたものを近々発表する。

企業にとっては、総人件費を増やさずに65歳以上の人を定年延長したり再雇用するかが大事。

多くの企業はまだまだ人材はとれると思っていて、危機感が希薄。
今後人材確保が困難になるとした企業は3社に1社しかない。高年齢者の活用については6割が現状のままと考えている。


2008年 3月 19日 水曜日  関西大学政策創造学部教授 白石真澄(しらいし・ますみ)

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内橋克人(うちはし・かつと):裏目に出たアメリカの金融危機対策 2008/3/18

週明けのニューヨーク市場は12000ドルを割ったまま、外国為替も1ドル97円台、株安円高の流れは止らない
FRBは日曜日休日にもかかわらず公定歩合の引き下げを決めた。週明けの東京市場などの株安連鎖を止めるためだったが、株安・ドル安は止らなかった。

今回の対策はいくつか同時に取られた。
1.FRBの公定歩合を0.25%引き下げて年3.25%にする。
2.経営危機に陥ったアメリカの証券大手ベアー・スターンズに緊急融資を行なった。また証券会社に直接融資制度を導入した。
3.明日定例のFOMC(公開市場委員会)を開き、FF金利(短期金利)を引き下げる。現行の3%を2.25%~2.50%になるだろう。利下げの限界レベルになる。

これだけの対策を打ったのに株安連鎖に歯止めがかからなかった。
これらの措置は、逆に「ここまでやるほど危機に陥っているのか」という不安な市場心理を生んだことにある。緊急措置が裏読みされた。

FRBが銀行以外に(傘下のニューヨーク連邦準備銀行を通じててはあるが)資金を供給するのは1929年の大恐慌以来のこと。
アメリカの金融システム不安は新たな段階に達していて、金利引下げ・量的緩和の効果が出ないのではないかと思われるようになった。

「二つの負のスパイラル」が発生するのではないか。

1.限度いっぱいの利下げ→ドル安→投機マネーが原油・商品へ流れる→米国内でインフレ→個人消費の下押し(→利下げ)
景気悪化、株安の元でのインフレ、スタグフレーションが始まる

2.ドル安(円高)→アメリカと日本の株安→ドル売り→(ドル安)
アメリカの金融政策は手詰まり。アメリカの長期債権までが売られている。ドル資産離れ。

アメリカのコア消費物価指数(CPI)は2%台半ば。FRBのFF金利の利下げで実質金利はゼロかマイナスになってしまう。
これ以上は利下げは無理。

過去のドル安局面では日本は円売り介入を行なった。それが出来たのはアメリカの経済が堅調だったから。今回は全く違う。

円高・株安・ドル離れ」の転機は容易に訪れない。

2008年 3月 18日 火曜日  評論家 内橋克人(うちはし・かつと)


編者感想:FRBが銀行以外に資金を供給したのは大恐慌以来というのが不気味だなぁ。

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田中直樹(たなか・なおき):さらに進んだ金融逼迫 2008/3/14

サブプライムからこの円高の経済状況を、発病から病気が進行するのを第一段階、第二段階、第三段階と分けて考えてみる。
第一段階では信用度の低い個人のローンが滞った。担保流れ。
第二段階では証券化商品が売りにくくなった。ほかにも返済の難しいものがあるとうたがわれ、あるいはそういうものを抱えているが故に、手持ちの証券化商品を徹底して売りまくらざるを得ない。
第三段階では個々の金融機関で損失が膨らみ、金融機関相互の不信がつのってきた(システミック・リスク)。金融機関相互で貸し借りが止るかもしれない。とにかく流動性が重要だ。銀行には貸す金は無い。このようなことは一世紀に2,3度起きる。それが起き始めた。

この悪循環を止める方法は二つある。
1.強制入院 金融機関の自己資本が毀損しているので公的資金の注入を行なう。連邦政府が金融機関の優先出資証券を買い取り、自己資本を厚くする。金融大国のアメリカとしてはこれだけはやりたくない。
2.自然治癒 個人消費が落ち込んでいるのでアメリカの貿易赤字は減少している。行き過ぎのドル安が意識され、夏までには貿易収支が大幅に改善され経済の調整の姿が明らかになるので、その段階ではもうドルを売り込むのは難しくなるだろう。データ的な確認は少なくとも初夏まではかかる。

2008年 3月 14日 金曜日  評論家 田中直樹(たなか・なおき)


編者感想:夏まではドル安と予想するわけですか、なるほど。ドル安と金融逼迫の直接的関係がわかりにくかったが、単純に、ドル安ではドル資産が目減りすると言うことだろうか。

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中北徹(なかきた・とおる):日銀の次期総裁人事をめぐって 2008/3/13

財政・金融の分離の原則 10年前に日銀法を改正し、その裏には大蔵省の改革を推進した
その原則は変えられないので与野党ガチンコ状態が続くだろう

このまま日銀総裁は空席になる状態は避けなければならないかというと、そうではないと思う。
総裁が不在でも要である「金融政策決定会合」は機能上何ら問題は無い。その会合の議長は会員の互選。副総裁でも議長になればよい。

日銀は、海外の関係機関とこれまで総裁と副総裁が連携して迅速に行なってきた。

FRBでも数週間前にバーナンキ議長がサブプライム問題で危ない金融機関を名指ししてあわやパニックになる所だった。
が、すぐに各国の当局者と連絡をとって窮地から救ったのは、連銀のはえぬきのコーン副総裁であった。

斬新な思考、専門的な技術性を備えた人物であれば国際的にも信任をうける。
金融ウオッチゃーからの話しからすると、白川副総裁であっても政治的ねじれが解けないことがあっても、(そういう人なら、白川氏なら)十分堪えられると思う。

政治のねじれで日銀総裁の空白が生じることにこだわることは、かえってちくはぐな決定やねじれを増幅することに繋がるのではないか。

2008年 3月 13日 木曜日  東洋大学大学院教授 中北徹(なかきた・とおる)


編者感想:白川氏が副総裁のままで運営すればいいと思う、(メンツ以外)何の問題も無いようだし。財政赤字に正攻法で立ち向かわなかった小泉改革の付けが回ってきていると言うことか。

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金子勝(かねこ・まさる):日銀の総裁人事で問われるもの 2008/3/12

現在はスローパニック 政府や中央銀行が政策を打つたびに株価は上がるが実体が悪くなるので下落する。

金融不安が出てきているので、金融機関の破綻を防ぐために流動性を供給(資金供給)し始めている。

証券会社傘下のヘッジファンドはもはや債権では資金調達できないので、商品先物で投機をしている。このことが物価上昇圧力になっている。

FRB議長は実質マイナス金利になる1%台まで金利を下げなくてはならないのではないかと思う。
これから円高が進むことを覚悟しなければならない

このような状況でこれまでの日本の経済政策は良かったのか、日銀・政府は政策の総括がないまま政局がらみで総裁人事が行なわれている
日本の経済は円高に対して無防備になっている。ひたすら超低金利政策で輸出がらみの経済回復を図ってきた。それが円高に振れて逆回転して作用している。

ITバブル崩壊後も、為替介入で円安誘導していて一兆ドルものアメリカ国債を外貨準備として抱えている。ドル安が進むのにこれ以上米国債を買いつづけても損失が膨らむばかり。
これまでの経済政策でほんとに良かったのかと考えざるを得ない。

超低金利政策により円を売ってドル・ユーロを買う円キャリートレードがおこなわれ、資金が日本から出て行き、アメリカの住宅バブルを支え、円安になった。
結局それが輸出に有利に働いて景気回復してきた。
一方で構造改革と称して賃金や雇用も上がらない、社会保障費を削っているので内需に転化しないで経済のけん引役は輸出だけになる。

小泉改革は小さな政府を目指していたが、膨大な財政赤字を作り出していた。99年の大企業減税、金持ち減税を続けていた。
小泉政権下では、財政赤字が540兆円から830兆円まで膨らんみ、そこに橋本、小渕政権で発行した10年債が借り換え期を迎える2008年問題が待ち受けていた。
もし金利を正常化させて引き上げていると国債の利払い費がかさんで財政破綻になる可能性があった。
小泉政権期の「小さな政府」の財政赤字政策には背後に異常な低金利政策があった。
この低金利の継続により(意図したわけではないが)円安となって輸出主導の景気回復になった。

日銀の金利政策は政治的な状況から手段が縛られた状況にある。金利引下げ、為替介入の余地も非常に小さく、なすすべも無い状況になっている。

日銀人事に問われているのはこうした経済政策のあり方と責任の問題だとおもう。私は人心の一新が必要だと思っている。
インフレターゲット、構造改革で財政赤字を支える政策でよかったのか、今後のリスクを回避するためにどういう政策を取るべきか、そこの所信を次の日銀総裁には問いたい。

日銀の独立性などの抽象論や人物の経歴についてだけの表層の議論になっている。いかがなものか。

2008年 3月 12日 水曜日  慶応大学教授 金子勝(かねこ・まさる)


編者感想:政治家の発言は日銀の独立性、人物の経歴ばかりで、どんな金利政策をとるのかの議論が出てこない。このまま政府の無策の尻拭いをして低金利、それとも正常化するの?

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

内橋克人(うちはし・かつと):GDP下方修正の必然 2008/3/11

明日内閣府は去年2007年10月から12月期のGDPの成長率の改定値を発表する
この1月14日に同じ期間の速報値を発表している。実質GDPは前期に比べて0.9%増、年率換算で3.7%の増だった。
GDPは回復基調かと思われた。いざなぎ越えといわれた日本の景気は持続し、回復拡大の印象を与えた。

しかし、内需産業、地方、中小零細企業に携わっている人は首を傾げざるを得なかった。

3月5日に財務省が法人起業統計を発表た。すでに企業収益は悪化に転じ、設備投資が前年同期に対して-7.7%落ち込んでいることを示した。
3四半期でみると3回続けてのマイナスとなる。
内閣府が1月14日に発表した実質GDP0.9%増も、その0.5%は設備投資の拡大による押上げ効果によっていた。
(ここにきて設備投資が落ち込んだという新しい発表があったので)残りの0.4%は外需によっていた。内需はほとんどゼロ。

景気回復の実感無しにいざなぎ越えといわれる景気は終焉のときを迎えると思われる。

実質GDPの修正値は0.9%から0.7%になるのではないか、年率換算だと3.7%が2.4%になる。
内需が増えていない、外需一本槍のところにサブプライムローンの破綻で外需の設備投資計画は見直しせざるを得ない。

サブプライムローンの破綻が象徴するアメリカの虚構の繁栄 「一つの時代の終わりとみるべき」ジョージ・ソロス氏

所得の伸び悩みのより、外需から内需への切り替えは出来なかった。労働者の1/3が非正規雇用でそのうちの77%が年収200万円以下のワーキングプア
72%の労働者が資本金1億円以下の企業で働いていて、賃金が低かったところはさらに低くなり、その格差は広がっている。
1997年度と2006年度の比較によると、一人当たりの人件費は、資本金10億円以上の企業では -1% 、資本金1000万以下では -15% 。大企業製造業では +8%。

日銀が描いた、景気のけん引役が企業セクターから家計セクターへと移っていくと言うシナリオは、絵に描いた餅になった。

景気は二つのエンジン(内需・外需)で飛ぶ飛行機に例えられているが、現状は外需のみの片肺飛行。
溜め込んだ外貨も円高で目減りしている。

2008年 3月 11日 火曜日  評論家 内橋克人(うちはし・かつと)


編者感想:大企業部門でのみ景気回復が見られたが、それも派遣、パートによる人件費切り詰めによる効果が大きかったのだろう。今回の景気回復は一種のゼロサムで一部のリッチをさらにリッチに、多くの人々が新たなプアーになったということか。それなのに何を根拠に日銀はいずれ家計セクターが景気のけん引役になると予想したのだろう、不可解。

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鈴田敦之(すずた・あつゆき):中小企業の景況急悪化は何を物語るか 2008/3/10

この2月下旬ころから発表された中小企業の景況は急速に悪くなっている。倒産も増えている。
 中小企業金融公庫 利益増-利益減の指数が -8.4 前の月と比較して-6.2の悪化 2003年1月以来の低水準
 日銀、内閣府の調査 地方の景気足踏みが指摘され、中小企業の景況が悪化
 商工中金 個人消費が悪くて小売・飲食・宿泊の中小企業が特に厳しくなっている

これらの傾向は景気全体が調整局面に入る前兆と見ている。

原因1.中小企業の景況が悪くなった最大の原因は、原材料価格の高騰とそれを転嫁できずに収益を圧迫していること。
 日本の企業全体にもいえることで、力の強いところから先行して玉突きのように値上げ交渉が進んでいる。しわよせは中小企業がかぶる可能性が高い。

原因2.今回の景気は外需と設備投資主導でいずれ国内投資にも回るだろうと期待されていたが、調整期に入るとしぼんでしまう。
 耐久力の弱い起業は人員整理、リストラに入らざるを得なくなっている

原因3.サブプライムローンの影響がでてデジカメなどの対米輸出が減少し始めている。その下請けの起業に影響が出てきた。

この他に主ではないが原因として注目しているのは「官製不況」といった側面もあるということ。法律の改正・制度の変更により中小企業活動に悪影響をもたらしている。
 建築基準法改正(建築偽装防止) 建築期間が延びて中小企業の経営を圧迫
 信用保証協会の制度変更 保証を100%から80%に。これにより金融機関の貸し倒れリスクが20%になる。貸し渋りに。
 貸金業法改正 零細企業の最後のよりどころは商工ローン、消費者金融。ここで借りにくくなっている。
 金融商品取引法改正 外国ファンドが出所を明らかにされるのを嫌い日本から出て行った。

政府は金融支援対策を出した。83業種にたいし信用保証協会で保証して貸す(6月まで)。抜本的ではない。

外需依存の体制を内需拡大の景気拡大にしましょうと言う声はあるが、政府は輸出を進める施策をとっているし、また輸出で景気回復を狙うのは手っ取り早い。

中小企業の景況急悪化により、日本の産業のありかた、内需への転換を考える信号が燈った。

2008年 3月10日  評論家 鈴田敦之(すずた・あつゆき)


編者感想:内需拡大の政策はイデオロギーとは関係ないと思うので、どの政党も提案できるだろうに。よっぽど難しいんだろうか?今までどの政党もやったこと無いからか?

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藤原直哉(ふじわら・なおや):広がる信用収縮 2008/3/7

信用収縮 お金を借りにくい・貸しにくい 貸しはがし、貸し渋り
昨日も欧米のファンドが銀行から借りた金を返せなくなって大騒ぎになった お金を貸すことのリスクが言われるようになった。
 お金を企業に貸さない→企業の倒産が増える→株価が安くなる→不況
 倒産リスクを嫌ったお金が商品(原油・金など)に逃げる→物の値段が上がる→物価が高くなる
 アメリカが世界で一番借金をしているので危ない→アメリカからお金が逃げる→ドル安になる
不況・物価高・ドル安となった。

日本でも都市部で暴騰していた不動産価格が下がり始めた。(担保価値が下がり)アメリカはもとより、日本でもお金を借りにくくなった。
アメリカ、ヨーロッパ、中国で金融引締めをやって世界的な信用収縮が起きている

投機資金はだぶついているので株や債権に行かず、値上がりするだろうと物(商品)の方に行ってしまっている。

住宅価格の下落で始まってた信用収縮は住宅価格が下げ止まるまでは続く。まだまだ下落は加速している。これから信用収縮は激しくなる。
歯止めなく暴落すると、半値・8掛け・2割引 (0.5*0.8*(1.0-0.2)=0.34) で価格はピークから1/3まで下がることがよくある。

世界経済は1971年の変動相場制から構造が変わった。アメリカの個人が大量の借金をして経済が動くようになった。
それがいま維持不能にって来た。
中国などの勃興国もアメリカが借金をして買ってくれるから成り立っている。

アメリカのような借金で成り立っていた巨大なマーケットをターゲットにした、安く・大量に売るというやり方が行き詰まっている。

国際的な抜本的な組換えが必要になってくる。
外国為替を変動相場制にすると経済が効率的になると言う話しだったが、金融が肥大化しすぎて為替レートが貿易収支と関係なく上がり下がりする。
戦争経済によって経済が持ち上がると言ったことも全然ない。

借金をしないでも回る経済を再建するしかない。
 グローバリゼーションを縮小せざるを得ない。地域、国内市場を開拓する必要がある。経済の分散化。
 環境問題はエネルギーの使いすぎで起きている。これからのように借金が出来なければ、今のように大量のエネルギーは使えないはず。
 経済を良くするためにも環境問題に積極的に取り組むべき。
 
何十年ぶりの経済パラダイムの転換の視点をもって国、企業、個人は行動すべきではないか。

2008年 3月 7日金曜日  経済アナリスト 藤原直哉(ふじわら・なおや)


編者感想:経済パラダイムの転換を個人の行動で考えると、借金をしないで(借金を返済しつつ)日々の暮らしを立てると言うことか。まあ50年ほど前では常識的な生き方です。

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黒瀬直宏(くろせ・なおひろ):事業継承のカギは経営パートナー主義 2008/3/6

事業承継問題は今の中小企業が抱える問題 だれに事業を継がせるか
 経営者の高齢化、後継者がいない(実の子供が継がない)、廃業が増えている

1990年代以降、小規模経営が苦しく企業の将来に希望が持てない。
特に個人企業の場合は経営者の引退とともに廃業するケースが多い
経営状態が良い個人企業でも自分の子供には継がせたくないと廃業

相続税の支払い問題によっても個人企業の継承を困難にしている
この10月から企業の相続税を軽減しようとしている、が根本問題の解決にはならない

事業承継の二つの要因
1.承継したくなるような魅力的な企業にする
2.承継能力を持った後継者を育てる
これらを実現するのが「経営パートナー主義」

経営家族主義(経営者が親、従業員が子供)から「経営パートナー主義」へ
「経営パートナー主義」とは経営者と従業員が仕事に対する共通の目標を達成するパートナーとする考え
情報共有 経営者、従業員が持っている情報(経営理念、月の売り上げなど)を共有 
企業が自律者の集団になってくる 後継者も育ってくる

経営計画を社員にコンペ方式で募集し実行している会社(経営者が従業員を仕事の上でパートナーと見ている)
また、社員から社長への表彰状を出した会社(従業員が経営者を仕事の上でパートナーと見ている)

蛇足ですが、私も今月卒業するゼミの学生から表彰状をもらいました。
私のゼミの方針も「教員と学生はともに成長するパートナー同志なんだ」というものです。

2008年 3月 6日  専修大学経営学部 黒瀬直宏(くろせ・なおひろ)


編者感想:経営パートナー主義を根付かせるには大変な困難も伴うと思う。それは経営者が自ら企業経営を説明しなくてはならないので、失策の責任も明らかになるから。でもそれが出来ないと中小企業の事業継承に明日は無いということか。

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十市勉(といち・つとむ):地球温暖化問題と技術革新の役割 2008/3/5

政府は温暖化ガスの大幅削減の為に今後取り組むべき技術開発計画をまとめた「クール・アース・エネルギー革新技術計画」を本日発表する。
これは経済産業省と産業界の代表(大手の電力・鉄鋼・自動車・電気機器メーカー)で決めたもの。

2050年までにCO2の排出量を世界全体で半分にするコンセンサスに沿って、先進国の日本などは現在の70,80%を減らすことになる。
その実現の為に抜本的な革新的な技術を開発せねばならない。そこで、どんな技術が必要か検討した計画である。
洞爺湖サミットでこの計画を出して国際協力を呼びかける予定。

その計画には重点的に取り組むべき21の項目が挙げられている。
 自動車 プラグ・イン・ハイブリッド家庭用のコンセントから夜間の電気で充電し、一度の充電で500Km走行するもの 高性能蓄電池の開発
 バイオ燃料 食料にならないものを微生物などを使ってバイオディーゼル、バイオアルコールを作る
 家庭用燃料電池 発電し排熱を給湯に使う エネルギー効率が70,80%に向上する。
 太陽光発電 変換効率を現在の10,15%から40%に、材料をシリコンから低コストの物質に。
 原子力 安全性の高い次世代の軽水炉、高速増殖炉
 CO2の回収固定 分離膜で低コスト化

課題は国と民間企業が連携することと国際的な協力体制の2つ
 時間と資金がかかるので公的な支援と人材育成必要
 普及のためには制度の整備、炭素プライシング
 研究開発、実証試験、環境評価には国際協力をしながら進めることが必要

2008年 3月 5日  日本エネルギー経済研究所専務理事 十市勉(といち・つとむ)


編者感想:温暖化問題の解決には技術革新が半分の役割を果たし、残りの半分(大部分ともいえるが)は社会変革に求められるとおもう。とても乱暴なことを言えば、日本の人口が三千万人だった江戸時代の社会に戻ると温暖化問題は解決する。とてもすぐには無理だけと、そうなっちゃうかも。それでも楽しく生活できたらいいね。

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内橋克人(うちはし・かつと):広がる穀物輸出規制 2008/3/4

世界の食料事情が急変している。ダイズ、トウモロコシ、小麦など外国への輸出を制限・規制する国が増えてきた。
 インドは昨年の10月に一部高級米を除いて米、小麦の輸出禁止。
 ベトナムは昨年7月以降新たな米の輸出契約を禁止。
 ロシアは昨年11月から大幅な輸出税を導入、小麦の10%、大麦の30%。
 アルゼンチンは昨年3月小麦の輸出登録を停止。
 中国は今年1月からダイズ、トウモロコシ、ソバの輸出抑制措置を導入
 中国産餃子事件について中国側の強気の背景には、中国からの輸入が無ければ日本の食は成り立たないのだというしたたかな計算がある。

中国はこれまで外貨獲得の為に税の還付など輸出優遇政策を取ってきたが、これを廃止した。
新たに輸出穀物の60品目について5%から25%の輸出税を課す。そばは20%の輸出課税、いずれ我々の食べるソバは高くなる。
政府が輸出管理体制を強いていく。数量割り当て制。

穀物価格の上昇により中国の輸出業者は輸出を増やそうとする。同時に国内での需要も拡大しているのでますます食糧需給が逼迫する。食料のインフレ懸念が高まってきた。

バイオ燃料ブームで穀物食料の国際価格の高騰が引き起こされた。そのなかで各国は国内需要を満たそうとするようななった。
食料安全保証のために、将来の穀物不足に備えて国内に穀物の在庫を積み増そうとしてきている。

日本は『農産物を作れるのに作らせない、買わせる』という政策が取られてきた。
これをいかに転換させていくか都市の消費者・農村の生産者は考えないといけない。食料自給圏(食のアウタルキー)を作ることが緊急課題ではないか。

世界の穀物相場が高騰する中で日本の米だけが激しく値下がりしている。
水田耕作が成り立たなくなってきている。また、飼料穀物の高騰により畜産・酪農がますます厳しい状況に置かれている。
例えば、山形県酒田市では飼料用の米(大粒で、収量の多い品種。価格は食用の米の10分の1)を大幅に増やす施策を実行している。
地元で取れた米で生育した豚ということで高級感・地域ブランドを高めることができる。

過去の農業政策を正すべきときに来ている。

2008年 3月 4日火曜日   評論家 内橋克人(うちはし・かつと)


編者感想:食べるものが無くなった時の苦しさを知る人は外国には多いけど、日本人には少ないということか。食糧不足がきっかけで革命や王朝の交代を繰り返した世界標準の歴史を持つ国々の感覚が伝わってきた。そういう意味では日本は幸運な国だと思う。この幸運を未来にも繋ぐには「過去の農業政策を正すべき」。

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高木勝(たかぎ・まさる):先送りの経済課題 2008/3/3

先送りの経済課題

家計部門に景気回復のメリットがちっとも及んでいない。政府・日銀は企業の好業績が家計に及んでくると昨年の11月に発表したが実現していない。
サラリーマンの収入は名目・実質(物価変動の考慮あり/なし)ともに減少している。2007年度の前年比で0.7%・0.8%の減。

雇用情勢が悪化している。
 完全失業率は昨年の7月で3.6%だったのが今年1月では3.8%に上昇。有効求人倍率は2006年7月で1.09倍だったのが今年の1月は0.98倍に減少。

内閣府は2月の月例報告で景気判断を1年3ヶ月ぶりに下方修正
 こうなるとついに家計部門にメリットが及ばないままにこの景気回復が終わってしまうかもしれない。

デフレが解消していない。
 原油資源価格の上昇で一部の物価は上がっているがトータルで見たデフレも解消していない。
 2007年の名目成長率は1.3%、実質は2.1%で逆転している。
 GDPデフレータは2007年12月期まで39四半期前年割れ。総合的な物価指数は約十年下がりつづけている。
 一旦デフレに陥るとそこからの脱却は容易ではないことがよく分かる。一種のあり地獄に入っているのではないかと思う。

経済格差は改善していない。
 現時点でも広がりつつある。所得格差も拡大している。「ジニ係数」は2002年の0.4983から2005年の0.5263になっている。
 全体の25%の世帯が所得全体の75%を占める状態。地域間格差も依然として拡大。企業規模間の格差も固定化が見られる。

財政赤字が改善していない。
 政府は2011年度に基礎的財政収支(プライマリー・バランス:簡単に言うと借金を増やさずに国家予算を立てること)の黒字化を目指すとしているが、実現は難しくなりつつある。

これ以外にも先送りの経済課題が多い。福田政権はこういった課題の解決に全力をあげてもらいたい。

2008年 3月 3日 月曜日  明治大学教授 高木勝(たかぎ・まさる)


編者感想:小泉政権の尻拭いをせざるを得ない福田政権には同情します。でも投げ出さないでがんばってね。

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当ブログの編集者は東京都在住40代後半男性(現在失業中)です。就職したら頻繁には更新しなくなるかもしれません。

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