スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

高木勝(たかぎ・まさる):景気は去年の秋から後退局面 2008/6/30

要約:景気は後退局面に入ったとみるのが一般的になってきた。内外の経済状況も悪い。政府は消費税率アップでなく、インフレ・景気悪化に対処する必要がある。
スポンサーサイト

続きを読む

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

田中直毅(たなか・なおき):中国における石油製品と電力料金の引き上げ 2008/6/27

要約:中国共産党は今まで経済システムに大きく介入してきた。今回の石油・電力の値上げも市場に任せた結果ではない。中国は市場経済に移行したとはいえまだ経験不足だ。

続きを読む

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

中北徹(なかきた・とおる):世界経済の転換点・インフレ警戒へ 2008/6/26

要約:欧米の中央銀行は金融緩和から利上げへと向っている。中長期インフレの局面になる可能性が出てきた。インフレ中進国の成長に原因がある。

続きを読む

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

金子勝(かねこ・まさる):社会保障国民会議の中間報告をどう見るか 2008/6/25

政府の社会保障国民会議が6月12日に社会保障政策の方向性について中間報告をまとめましたが、金子さんはどういう風に読みましたか?(浜中アナウンサー)

まず、何をしたいのかが全然見えてこないというのが第一番目の印象。
一方で小泉政権下で決まった好機高齢者医療制度の導入、2004年に百年安心(と自ら評していた)年金制度の改革を評価するとか言っていながら、他方では社会保障費の抑制では弊害が出ている、にもかかわらず1.1兆円の削減は堅持するとか、あとで福田首相から「医療費は特別枠で」とか発言があったりして、どちらへ向っているのか分からない。

(衆議院が)郵政民営化選挙で決まったままなので、民意が反映しないままずるずる変る印象があり、インパクトが弱い。

年金改革はきちんとした選択肢が提示されていない。世界的にみて常識の選択肢がはずされている。非常識な選択肢が議論されていて、国民を誘導し、新聞も政府の誘導に同調している。

基礎年金は「全額税方式」か「現行の保険方式」かの二者択一が設定されている。

全額税方式は年間3,4兆円の拠出金を全部消費税に回すので、2025年までに最低でも消費税は9.5%になる。これだと医療費・介護費が足りなくなるし、中小企業は堪えられなくなる。さらに今までサラリーマンが今まで払っていた保険料はチャラになってしまう。また、もともとをたどると(全額税負担方式にすると、今まで重かった)法人税の負担が軽くなるということだが、先進国では日本は法人税が低いほうに属している。デンマーク・北欧は法人税が低いといわれているが環境税に変えているから(法人が法人税以外に払っているから)。個人事業税を個人所得税で取っている(そのようにして消費税ではなく、儲けているところから税をとる方式になっている)。日本はこのような検討がなされていない。

また、現行方式は若い人が4人に1人は保険料を納めていないので、国民皆年金は壊れている。年金一元化は避けられないのに、パート・非正社員を加入させる条件に週40時間の労働時間を指定していく。そうすると企業はますます短期の雇用者しか雇わなくなる。これでは今以上に雇用の不安定を強めてしまう。現行の年金保険方式は終身雇用を前提としているので、こんなに非正規雇用が増加することを想定して作られていない。根源的に作り変えないといけないが、それを認めていない。

所得比例の保険料を取って年金を一元化する、というのが多くの国で取られている方式。スウェーデン、アメリカもそう。この方式だと正社員・非正社員にかかわらず、支払っている保険料に応じて保険料をもらうし、企業側は支払っている賃金総額に応じて拠出金を出す(賃金税:アメリカ)。基礎年金に満たない場合だけ税で補填する。ということは増税は少なくて済む。

こういう広く世界で採用されている方式をなぜ無視するのか?

もともと構造改革か抵抗勢力かといった二分法にしてしまい、問題が分かったような気になる。しかし、二分法は危険だ。基礎年金は「全額税方式」か「現行の保険方式」かの二者択一は、はっきり言えば偽りの選択肢で、本当の選択肢が抜けてしまっている。

国民会議なんだから、きちんと本当の選択肢を示して議論をすべきだと思う。そうしないと脱出口が見えてこない。


2008年 6月 25日 水曜日 慶應義塾大学教授 金子勝(かねこ・まさる):社会保障国民会議の中間報告をどう見るか


編者感想: 10年以上前にアグネス・チャンがみのもんた司会の「おもいっきりテレビ」にコメンテーターとして出演し、税のとりかたについて金子勝氏と全く同じことを言っていた。負担できる法人・個人が負担して社会を支えないと社会は不安定化する。そのコメントから10年、強い立場の者が弱い立場の者を(ある程度)支える社会ではなくなってきている。秋葉の事件をみてもだいぶ不安定になっているような気がする。
 ブッシュ大統領がイラク戦争を始めるときも「テロリストかテロと戦う者か」といった二者択一の言葉でアメリカ世論を煽って戦争を仕掛けた。政治家や官僚は国民に都合の良い情報しか見せず、その中で解決方法を選ばせようとする。マスコミも「死に神」大臣と批判するくらいの気があるなら、今回の年金制度に関する中間報告にだまされるな、くらいなことは言って欲しい。









テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

霧島和孝(きりしま・かずたか):たばこ税と消費税をめぐる暗闘 2008/6/24

たばこ1箱は現在300円だが、1000円にしようという話がある。欧米では国際的には(たばこ一箱)1000円は常識になっている。国際的な比較をするととんでもない値段というわけではない。
値上げをすると喫煙者が減るが、1/3に減っても3兆円の税収増が期待されるという試算も出ている。

6月13日にたばこ大増税を掲げる超党派の議員連名が発足した。自民党の中川秀直元幹事長、民主党の前原誠司副代表らが共同代表に就任して健康被害の防止と税収増を考えているようだ。

中川秀直氏は経済成長重視派なので、経済成長には悪い影響のある消費税アップには当初から反対していた。たばこ税を上げることにより消費税を上げる動きを押さえ込みたいという意図があるのではないかと言われている。

本来たばこ税消費税は別々の議論があるはずだが、二つを比較してどっちを引き上げるのかという議論に聞こえてきたということですか?(浜中アナウンサー)

世論ではたばこ税消費税かというまっとうな議論ではなくなっている。

財政再建を考える与謝野馨元官房長官、財務省は消費税率の10%程度のアップを考えている。従って、たばこ税の引き上げには慎重な態度を取っている。中川氏らに対する反発も強い。また、日本たばこ産業は財務省の重要な天下り先になっているので、安定経営が脅かされるのは避けたいとという意図もあるのではないか。

いずれにしても財政再建派(消費税アップ、たばこ税据え置き)と経済成長重視派(消費税据え置き、たばこ税アップ)が熾烈な争いを始めているといえるのではないか。「たばこ税」と「消費税」の代理戦争になっていると思う。

実は成長重視派と財政再建派の戦いは古くからあって、小泉政権から形を変えて続いているととも言える。

成長重視派:金利よりも成長率が高いのだから、経済成長をおさえるような消費税を上げるのはよくない。
財政再建派:金利の方が成長率よりも高いから、国の借金は雪達磨式に膨れていくので、借金を早く返すために消費税の増税をする。

埋蔵金論争もあった。2003年にそのときの財務大臣だった塩川正十郎が「母屋(一般会計)ではおかゆを食べているのに、離れ(特別会計)ではすき焼きを食べている」という発言があった。一般会計では節約しているが、特別会計ではお金が余っているではないか。積立金がゆうに30兆円をこえるだろう、というのが経済成長重視派の中川氏たちの主張で、増税は不要だといっていた。
それに対して財政重視派はそんな埋蔵金みたいなものは為替や景気の情勢次第で変っていくと主張した。

この二つの財政再建派と経済重視派のせめぎあいは実りを生むんでしょうか?(浜中アナウンサー)

いやぁ、かなり不毛だった。相手側のスキャンダルを暴露しただけに終わった。最近の例だと、財務省のタクシーチケット問題だが、この時期にどうしてそういうものが出てきたかということを考えてみる必要がある。この時期というのは消費税の本格論議が始まるときにで、そのときに出てきたのを不思議がる人も多い。財務省か矢面に立たされるので財政再建派にとっては厳しい。こういうことを繰り返してきている。

きちんとした議論をするなら、たばこ税は健康との関係で議論すべき、消費税増税は国民生活との関連で分けて議論すべき。二者択一ではない。

政治家や官僚の目線ではなく国民の目線(健康、国民生活)で議論すべきだと私は考えている。


2008年 6月 24日 火曜日 城西大学現代政策学部教授 霧島和孝(きりしま・かずたか):たばこ税と消費税をめぐる暗闘


編者感想: テレビのニュースやワイドショーでは面白おかしく「タクシーチケット問題」を取り上げているが、あれは経済成長重視派の勢力がリークしてマスコミを情報操作していたわけか。確かに、いままでやってきたことが今なぜ急に大げさに明らかになっているかを考えると、そのことが明らかになって一番得をするグループの仕業と考えるのが正解だろう。
 国民の健康を考えてたばこ税を上げようといっているわけではなく、国民の生活を考えて消費税据え置きしようといっているわけではないのね、あの二人は(自民党の中川秀直元氏、民主党の前原誠司氏)。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

鈴田敦之(すずた・あつゆき):変る株主総会・揺れる経営 2008/6/23

27日が株主総会の集中日ですが、今年の株主総会の状況はどうなんでしょうか?(浜中アナウンサー)

3月期決算の会社が1800社で27日に集中している。大株主である外資系ファンドの出方が注目されている。
議決権の1%以上または300個以上の議決権を6ヶ月以上保有した株主は、株主提案を出すことができる。去年は(株主提案で)対案を出して会社側とぶつかったのが急に増えた。言わば「激突型」しかし、いずれも通らなかった。今年は事前に話し合いをして株主提案を取りやめるといった「事前折衝型」が増えている。

国内の個人投資家、年金基金などもはっきりと意思表示をするようになってきた。「アデランスショック」として報道された。2月期決算で5月29日に株主総会が行なわれた。現在の社長を含む経営者の再任が否決された。スティール・パートナーズは29%の株を持ってるが、さらに外国人の株を足しても過半数に達しない。株価・業績低迷に対する不満が国内株主(個人・年金基金など)らも否決決議に賛同した。

企業価値の向上が経営者・役員の再任に繋がる。

去年の5月三角合併が解禁された。それを機会に外国の企業が日本の企業を買収してくるのではないかとの恐れから、すでに570社ほどが買収防衛策を導入している。今年は213社が株主総会で同意を求めいてる。2/3の同意(特殊決議)が必要なので注目している。

そういった株主総会をうけて企業の経営はどういう風に変っていくでしょうね?(浜中アナウンサー)

年金基金の運用を任されているアセット・マネージメント会社などは半分以上の案件に対して賛同しない意思を表明している。

株主は基準を決めて経営者を評価をする時代になった。業績の長期低迷、自己資本比率が3年連続5%以下の場合には現役員を選任しない、などと決めている運用会社もある。

役員の任期は1年と決めているところが多い。(一年という)短期間で成果をあげなければならないという欧米型の経営を求められ始めた。問題点もある。日本型経営の長期的視野に立った経営、新しい部門の育成をどうかみ合わせるかが問題だ。

日本の企業は2002年以降の景気回復で連続6期増収増益になった。この利益がどの様に配分されたか?設備投資・株主への配当はあったが働く人への配分はどうだろうか?雇用の増加・雇用形態も含めて働く人へ配分されただろうか?
日本の経済が外需(輸出)中心から内需中心への経済に移行すべきだという声が聞かれて非常に長いにもかかわらず、内需がなかなか伸びない、というのは(働く人への)配分に問題があったからではないかと思う。もっと(働く人への配分が)あっても良かったんじゃないかと思う。

今期、来年の3月期減益だといわれている。利益が減る中でこの配分をどうしていくか配分の哲学がおおいに問題になると思う。その点を問題提起しておきたいと思う。


2008年 6月 23日 月曜日 評論家 鈴田敦之(すずた・あつゆき):変る株主総会・揺れる経営


編者感想: 働く人への配分を増やして内需を拡大するのは、今の経営に携わっている人々の意識にはほとんどないのではないかと思う。CO2の排出量規制のように国の法律で方向を示さないとますます輸出・外需依存型になってしまうのではないか。
 働く人への配分を減らすことが、「人を粗末にしてもいいんだ」という意識を企業が源となって発散しているように思う。株主総会で企業(設備投資など)と株主(配当)が利益の分け前を争うわけだが、経営者が働く人への配分をどう考えているかも気にかけてみようと思う。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

水谷研治(みずたに・けんじ):輸入インフレで景気は悪化 2008/6/20

輸入インフレとは海外からインフレが輸入されてしまうことを言う。

普通のインフレは企業にとっては売値をあげられるので企業は活発になる。活発になると景気はよくなる。景気のことを考えるとデフレよりインフレの方がいい。インフレ待望論が今までもあった。そういうこともあって、大量のマネーを供給してきた。しかし必ずしもインフレになっていない。

ここで様子が変ってきた。ガソリン、パンなどがあがっている。海外からの輸入品が値上げになっている。しばらくまだ続くのではないか。
結局生活防衛することになる。買わないことになるので小売業の売上が減っている。末端が売れなければずっと遡って悪くなるので、企業も節約するようになる。給料の節約、要するにボーナスも節約(下げる)、人手も減らす。給料が減るので消費を減らす、と悪循環になる。それが現実に起こっている。

物価の上昇は世界的に続いている。発展途上国が石油を使う、バイオ燃料のために食料品が不足する。それに世界的な金余りで投機資金になっている。

景気がよくなれば物価はあがるが、物価が上がれば景気がよくなるかといえば必ずしもそうではない。原因にもよる。

輸入インフレといわれますが)何とかならないものでしょうか?(山下アナウンサー)

輸入に一番影響を及ぼすのは為替相場、1ドル108円が続く限り(輸入インフレは)避けられない。海外ではドルが過剰になっている。ドルの値段では海外のものはインフレにならざるを得ない。為替相場が今よりも円高ドル安になれば輸入物価は上がらない(ドル建てで輸入しても為替レートでその上昇分が低減される)。

為替相場を従来どおりドルとの安定を考える限り円高にするのは無理。ドル相場を維持するために、ドルが余っているのに輪をかけて円が余っている(円の超低金利政策)。

世界的に見て(適正な円相場になるように)ドル相場・円相場を正常化するようにしないと、基本的な輸入インフレは避けられない。そして景気の悪化は止らないと思っている。


2008年 6月 20日 金曜日 東京福祉大学大学院教授 水谷研治(みずたに・けんじ):輸入インフレで景気は悪化


編者感想: 水谷研治氏はこの不況が深まりつつある現状をドルとの決別で解決できると論じている。おそらくそうだろうと思う。では次の基軸通貨はなにが良いだろうか。
 また、中国・中東などのインフレに苦しむアジアの各国はその元凶である自国通貨の対ドル為替連動(ペッグ)を外すことを検討しているが、日本も追従するのか?ドルペッグが外れたらドルはひどく下がるだろう。また心配の種が増えた。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

伊藤実(いとう・みのる):労働者派遣法を考える 2008/6/19

派遣労働者はどういう位置付けで考えればいいかここから糸口に伺っていきたいと思います。(山下アナウンサー)

最近何かと派遣労働者・派遣社員が社会的に問題になっている。そもそも「派遣」というのはどういう働き方だったのか、それが今どう変ってきたのか考えてみる。

パート・アルバイトは働いている企業に直接雇用される。ところが、「派遣」というのは直接雇用されるのは他の会社で、その会社から実際に働く会社にそれこそ「派遣」されてくる働き方。間接雇用といわれている。
人手不足が深刻になった1980年代にそういう働き方をする人が増えた。当時、請負という働き方は法律で認められていたが、派遣という働き方は認められていなかった。
    1986年に「労働者派遣法」を作り、13業務に限定していた。それらの業種は2種類あつて、
  • 同じ企業に入って長期雇用で経験を重ねて技術技能を伸ばす、という働き方で無いもの。専門的な職業あり、同時通訳とか。
  • 特段、長期雇用で一所懸命いろんなことを学ぶという種類ではない仕事。駐車場の管理人とか。

しかし、当時派遣で働いていたのは多くが若い女性で、一般事務の仕事だった。(この仕事は上の2種類の業種には当てはまらないので、それに加えて)「ファイリング」という仕事を加えて「労働者派遣法」の13業務とした。

その後、バブルがはじけて不況になり、雇用を増やす目的で次々と規制緩和をしていった。派遣法も16業務に増えていった。1999年には(最後には)警察・医療を除いて原則自由となった。さらに、生産現場にも派遣を認めた。

その結果、この間に正社員が減り、非正社員が非常に増えた。ただ、パートタイマー・アルバイトは増えていない。増えたのは派遣労働者とか契約社員。
パートタイマーと派遣社員で大きく違う点がある。パートタイマーは主婦の人が多いので(自分の意志で)正社員にはなりたくないと思っている。一方、派遣で働く方の中には本来正社員で働きたかったのに働けなかったということで、もともと正社員になりたい人が派遣社員として働くことになっている。本来の「労働者派遣法」が目指していたのとは違う社会状況になってしまった。

規制緩和したのでどんどん派遣業者が新規参入してきたので、中には違法行為をする業者も出てきた。それから派遣労働者を受け入れている会社でも「偽装請負」にして業務停止処分された企業もある(請負労働者とした場合には労働基準法が適用されず、派遣先企業側が請負注文者の立場を取って自由に契約解除してしまうなどの「メリット」がある)。

今は規制を緩和しすぎて大混乱になってしまっているという状況だ。

働く人は商品とは違う。人が働くことに対して(今の混乱した状況を)整理する必要がある。どう考えてもほとんどの職種で日雇い派遣が可能というのは変だ。
    派遣にも二種類あって
  1. 登録型(一般労働者派遣):派遣会社に登録して仕事のあるときだけ働く。特に日雇い派遣で一日ごとに仕事があったり無かったりする場合は大いに問題あり。
  2. 常用雇用型(特定労働者派遣):派遣会社に常用雇用として雇われている。技術者が多い。これはほとんど問題がない。
  3. (伊藤氏は言及していないが「紹介予定派遣」というのもある。これは派遣先企業での一定期間派遣社員として勤務した後に派遣先企業と派遣社員が合意すれば、派遣先企業で正社員・パートなどとして直接雇用される)

派遣という働き方は、派遣する会社とそれを受け入れる会社がある。力関係は受け入れ先の会社が強いので、受け入れ先(派遣先)の企業でやるべきことを派遣する会社に押し付けていることも多い。

派遣先企業も便利だからという理由で片っ端から派遣労働者を使うという考え方は修正する必要がある。


2008年 6月 19日 木曜日 労働政策研究研修機構統括研究員 伊藤実(いとう・みのる):労働者派遣法を考える


編者感想: 派遣労働には働く人はもちろん、派遣元・派遣先の企業にも金銭を除くとなにもメリットが無い労働形式だと思う。(失業中の私が言うのもなんだが)どんな労働であれ労働対価の多少・有無にかかわらず働くことはその人の生きることであり、時が経てば人生ということになる。また派遣元・派遣先の企業にとってはその場しのぎの癖がついて、人(社員)を育てるという意識が抜け落ちてしまう。多くの経営者が「企業は人だ」と言っているが、組織に人を育てる機能が無いと自己増殖できないことも分かっているのだろうか。必要なら直接雇用すればいい。そのコストは後になって必ずプラスになって返ってくると思う。
 「ショートワークス」などとカタカナ言葉で日雇い労働派遣を謳う企業もあるが、江戸時代の人足寄せ場と同じではないの?昔の人足寄せ場の悪い親方は日雇いなのに日払いせず月払いにして高利貸しの資金にしてたりするけど、今の派遣企業はきちんと日払いしているのだろうか?
 また、日本経団連会長の御手洗冨士夫氏は偽装派遣の問題について「請負労働者に技術指導できないのが制約になっている」、「偽装請負のおかげで産業の空洞化が抑止できている」といった主張をして日本経団連会長の権威と見識を大いに下げてくれた。キャノンはいい会社と思うけど、二代目社長で老害の出ている経営者の実例だ。そういう経営者が、今日の派遣労働者・派遣社員の問題を社会的に拡大した一因だとおもう。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

白石真澄(しらいし・ますみ):農業ビジネスへの民間参入 2008/6/18

最近では中小企業や新興企業が農業ビジネスに参入していますが、その背景にはどんなことがあるのでしょうか?(山下アナウンサー)
    3つほど挙げられる。
  • 食に対する安全意識の高まりがあり、生産や流通をする上での改革が行なわれてスピーディに安全に消費者の元へ届けられるようになった。
  • 個々数ヶ月、トウモロコシ、小麦の価格が上がって国産の農産物に対する需要が拡大してきた。価格もどんどん高くなってきていて、国内の成長分野として捉えられるようになってきた。
  • 2005年から企業へ農地リースする方式が全国で実施されるになった。これにより株式会社の農業への参入が始まった。

農水省の統計によると農業生産法人は全国で9466ある。そのうち385が株式会社。385のうち256の法人がリース方式で参入している。
農地法により、農家以外の農地取得を厳しく制限する構造に変りは無いが、農地リースする方式に多くの企業が注目している。

日本の農業従事者数のピークは昭和35年だった。1450万人いた。これが昨年は312万人になり、全体の6割が65歳以上になっている。新たに農業に参入してくる人口は毎年7万5千人で、比較的若い35歳以下の人は1万人。

耕作放棄地は全国に38万ha(東京ドーム8万個に相当)ある。政府は「ほねぶとの方針」で今後5年間で耕作放棄地をゼロにするといっているが...。

企業の具体的な動きとしてはどんなものがあるのでしょうか?(山下アナウンサー)

土にこだわり大学と共同研究している。コンピューター制御されたハウス栽培。衛生管理、端境期の出荷が可能。
農業に参入する個々の企業を金融支援する企業も出てきた。年間20億円の農業ファンド。
香川県の地元の調味料メーカーが遊休地を借りてオリーブ生産に参入。オリーブを使った加工品の生産。観光農園。
新潟県の中山間農地はでは建設会社がハウスを使って地元特産のナス、ブルーベリーの生産に取り組む。

今後の課題としてどういう展開が望まれますか?(山下アナウンサー)

リース方式により企業が参入するハードルは下がったといえるが、現在、農業経営単独で利益を出しているのは参入した株式会社の1割にも満たない。まだまだ企業経営だけで日本の農業を変えるというのは難しいと思う。

企業単独でやっていくのは難しい。複数の自治体で支援して土地を貸す地主と企業の間に入って支援することが必要ではないか。

「企業のノウハウ」、「従来の農業の知恵」、「地域社会の支援」が一体となってこれからの農業を支えていく機運をまず作っていくべきではないかと思う。




編者感想:  農業ビジネスへの株式会社の参入は耳にすることはある。メーカーなら良く分かっているように、野菜や穀物などの単価が安い品物を生産する場合は徹底的なコストダウンを図る必要がある。当然ベンチャー企業は単価の安さから参入できない。農業ビジネスに参入して、利益を出している株式会社があるというがそれはおどろきだ。どうやっているんだろう?  
 あらたな日本の農業をになっていく形態として株式会社も一つの選択肢になればいいと思う。ただし、株式会社は利益優先であることは論を待たない。食品偽装が後を絶たないこのご時世に、株式会社が農業生産者として認められるだろうか(認められるようになって欲しいと思うけど)。

今日はなぜか当ブログのアクセス数が多い。どうしたんだろう?何かに紹介されたのかな。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

農政アナリスト 山下一仁(やました・かずひと):減反政策の見直しと消費者行政 2008/6/17

前回ご自身のお考えも含めて減反政策生産調整政策廃止という噺をしていただきました。その後また動きが出てまいりました。(山下アナウンサー)

5月30日に町村官房長が減反政策を改めることが世界の食糧危機に貢献できるのではないかと発言した。それにたいして与党、政府・農林水産省から反発をうけた。

農林水産省からは、「生産調整というのは減反ではなく自給率の低い作物への転作だ。生産調整を止めると専業農家が打撃を受ける」と反論された。
与党からは、「減反政策をやめれば米は一俵60Kg当たり1万4千円だったものが6千円まで暴落してしまう。だから農家は困るのだ」と反論された。

ただ、「世界的に食糧が不足してかつ日本の食料自給率が39%の状況で、水田面積の4割も減反するというのは国民感情に沿わないのではないか」という町村発言を勇気があると評価する人もいる。

生産調整というのは建前は転作。今ある水田260万haのうち100万haを生産調整している。しかし、そこに麦やダイズを転作していれば食料自給率はもっと上がるはず。実際はこの転作面積100万haの4割程度。のこり6割には何も植えられていない。実質的には減反。また、転作している40万haもはっきりと(何を収穫しているか)していない。兼業農家は転作作物を栽培する技術・労働力が無いので、植えてはみたものの収穫しない「捨て作り」という実態があるのではないかといわれている。

転作のために(補助金として)1千600億円もかけているが、ほんとに転作して収穫しているのは4割を切っていると思う。

生産調整を止めれば米価は暴落するんでしょうか?(山下アナウンサー)

暴落すると言う与党の議員の主張は根拠がよく分からない。おそらくその前提には生産調整しているかなりの部分が、生産調整を止めれば米の生産を復活してしまうということだろう。専業農家で既に転作作物を作っている人はそのまま(米でなく)転作作物を作りつづけると思う。また、転作していない生産調整の農地は耕作放棄されていて、再びそこに米を作るには相当の手間ヒマ・コストをかける必要がある。実際には不可能だろう。

平成5年に米が不作で「平成の米騒動」があり、耕作放棄したところを復田して耕作地を増やそうとしたが、平成5年の米の作付け面積は214万haで翌年はわずかに7万ha増えた221万haになっただけだった。そもそも(生産調整廃止による)米価暴落説は理論的にも実態的にもありえない。

生産調整を止めれば米作の依存度の高い主業農家・専業農家が打撃をうけるといえるんでしょうか?(山下アナウンサー)

本当に主業農家・専業農家のことを考えるなら、生産調整を廃止する。すると一俵1万4千円が9千500円くらいに下がる。その低下する部分を主業農家に財政から補填すれば良い。苔に必要な予算は大体1千600億円くらいで、この金額は生産調整カルテルに入るように農家にはらっている額と同じ。財政負担は同じで、消費者価格は1万4千円から9千500円に下がるので消費者もメリットを受ける。

ところが昨年米価が下がったので、政府は34万トンを市場から買い上げて米価の底上げを図った。また、1千600億円の生産調整の予算を補正予算でさらに500億円上積みして生産調整を10万ha強化する(合計110万ha)という方針を打ち出している。
(たまたま穀物価格が上がっているので)政府が買い上げて売却した米は、新潟コシヒカリで2万3千円、あきたこまちで1万8千円と高値をつけている。(つまりこのまま政府の方針を進めていくと)政府自ら米の値段までも上げようとしていることになる。

これにたいして国民・消費者はどのように反応するか?
そろそろ食管制度に代表されるような戦後の消費者負担型の農政を転換するときが来たのではないかと私は思う。




編者感想:もと農林水産省に在籍していた人にしてははっきりとものを言っている。同じ財政負担米価が下がり、農家への補填もできるのであればいい方法だと思う。たしか、ドイツとスイス(フランスだったな)の農家にも似たような制度があって農業生産物に対してそれに掛かったコストの一部を補助する制度があったように思う。「生産しなかったらお金をあげる」というのと「生産したらお金をあげる」の二つの選択肢があったら、勤勉な日本人なら(世界中の人でも)「生産したらお金をあげる」を選ぶのではないかな。

たまたまなのか、「ビジネス展望」で3回続けて食糧問題が話題になった。環境・エネルギーなどの他の話題とからまっていて食料問題だけ切り離して議論するとこは出来ないってことか。






テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

明治大学教授 高木勝(たかぎ・まさる):食糧危機を考える 2008/6/16

現在、世界は食糧危機に直面しているといっていいと思う。
需給逼迫により食糧不足が起こっていて、同時に食料価格が高騰している。

新興国の急成長・途上国の人口増加で食料需要は増えている。一方、供給サイドは地球温暖化で食糧生産量は頭打ち。

世界全体では8億5千万人が栄養不足、毎日2万4千人が餓死している。途上国の都市の貧困層を中心に暴動も起きている。
穀物市場へ投機マネーが流入し、価格が上がる。石油価格が上昇し、生産コスト・流通コストも上昇している。(国内の食料供給を安定させるため)輸出規制をしている国も多い。

今後も食糧危機は続く、構造的なものではないかと見ている。
    今月の3から5日ローマでFAOが主催した食料サミットが開かれた。その中で以下のようなことが話された
  • 途上国への援助を拡大していこう
  • 農家を支援していこう
  • 輸出規制を最小なものにしていこう
  • 能器用生産性・農業生産力を拡大する
  • 地球温暖化への(農産物の)耐性強化を図る
  • 増産に向けた農業投資を加速する
  • 食料の自由化
  • 食糧危機の管理体制強化

バイオエタノール燃料の問題と輸出規制については各国の対立も見られた
輸出規制を擁護するのは主に農業生産国

洞爺湖サミットでも食糧危機問題は非常におおきなテーマになる。日本は議長国なのでリーダーシップを発揮するためには、もっと食料緊急援助を拡大する必要があると思う。
5千万ドルの拠出では不足だ。

バイオ燃料の原料は(トウモロコシなどではなく)稲藁や廃材に限定すべきで、ブラジルやアメリカにはそのこを強く働きかけていくべきではないか。

輸出規制は保護貿易そのものだからGATTの貿易自由化の精神に反する。自国中心主義ではなく国際協調のスタンスを福田首相は示すべきだと思う。

最後に日本国内の農業政策についてはどのようにお考えでしょうか?(山下アナウンサー)

食料の自給率を引き上げるべき。カロリーベースで現在の自給率は39%と大変低い。驚くことに過去の日本で1960年には79%だった。1985年でも53%。時間と共にどんどん食糧自給率は下がっている。

自給率を上げるには農業生産の拡大が必要。農地の集約化・大規模化農業投資の拡大・機械化・ハイテク化・株式会社化をするひつようがある。
現在、米は自給率95%だが、小麦は14%、ダイズは5%。1960年当時は小麦は39%、ダイズも28%。
これからは米の減反政策は進める必要があるが、小麦やダイズの自給率を高める必要がある。

価格安定のため短期的には輸入関税を引き下げることも必要。




編者感想:これまで多くの日本人が国の経済活動として合意してきた「食料の安全供給を無視して加工組み立て工業に集中し、物を作って海外に売り稼いだ金で食料を買う」という思想は変ろうとしているのか? 農業生産国が輸出規制をしているということは、もう一段階進めば食料を輸出しなくなるということになる。このまま変らなければ食料安全保障が不安定な状態に陥るのは目に見えているのだが、どうなるのだろうか? おなかがすいたからって自動車や家電を食べるわけには行かない。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

寺島実郎(てらしま・じつろう):食料自給率と環境 2008/6/13

環境・食料・エネルギーの相関関係の中で世界がどう進むのか、パラダイム転換が迫っていると思う。

先週の食料サミットで印象深かったのは「去年まで、日本は世界最大の食料純輸入国で、我々は世界から食料を買ってやっているんだ」というバーゲニング・パワーというポジティブな文脈で使われていた。ところが食料高騰と飢餓・食糧不足の中で世界の意識は反転し、日本のことを「食料の輸入が世界一」を誇りにしているような愚かな国と思われるようになった。

日本の食利用自給率はカロリーベースで39%。日本は戦後の高度経済成長の中で、食料・石油(エネルギー)は効率的に海外から買ってきたほうが得で、鉄鋼や機械などの外貨を稼ぐ産業を育てるべきだという国を作ってきた。1965年に日本の食料自給率は73%だという数字が残っている。それが今日39%まで下げてきている。
    日本を除く先進国の食料自給率
  • 英国 74%(日本を除いて一番低い)
  • ドイツ 84%
  • フランス 122%(農業大国で食料を輸出している)
  • アメリカ 128%(農業大国で食料を輸出している)

    食料自給率を高めることによって環境・エネルギー問題に立ち向かうことが出来るロジックは
  • 輸入する食糧は、運ぶことによるCO2の排出・エネルギーの消費がおおい。(中国産の食料より国内産のものはCO2の排出が約半分)
  • 農地を使うことによりCO2を吸収する。有機肥料などを入れて生産すると耕作放棄地にくらべて倍ぐらいCO2を吸収する。

今の日本の農業人口は4.4%。株式会社農業農業生産法人などの組織・システムで農業を支えていくという方針をはっきりさせ、農業人口を増やす。また、都会と農村をリンクさせる。都会で働いてマーケティングや経理能力のあるサラリーマンが組織として参画して農業を支える。

高級な果物や米は中国・ロシアなどに輸出して売れる。いまやその額は4200億円。その流れを農業生産法人のような形で支えていくことをすれば日本の農業はたくましくなる。産業力・技術を生かしきった、技術を投入した農業が今後重要になってくる。例えば太陽光やITの技術で農業を支えるとか。

今までの我々の発想を反転させていかなければならない時代がきたと思っている。


2008年 6月 13日 金曜日 財団法人日本総合研究所会長 寺島実郎(てらしま・じつろう):食料自給率環境


編者感想: 今まで私の知っている農業生産法人は、雇われて働いている従業員の意識が非常に高いので逆に運営が難くなることも多かった。法人の代表と従業員が農業の哲学で意見が対立するとか。結構人間くさいところがあるのでそう簡単に農業生産法人が増えるとは思えない。
 いっそのこと、CO2排出とエネルギー消費の多い鉄鋼・機械・電力会社が子会社として農業生産法人を設立し、社内から人を募ったり定年前後の受け入れ先にしたり外から募集したりして運営してはどうだろうか。おおきな会社は人材も豊富でかつ才能(技術・経理などの)を発揮できていない人はたくさんいるのでうまくいくんじゃないかと思う。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

関志雄(かん・しゆう):中国を変える四川省大地震 危機を改革の好機としてとらえよ 2008/6/12

今日12日で四川省大地震から1か月です。この四川省の大地震はどのように中国を変えようとしていると捕らえていますか?(浜中アナウンサー)

中国は経済が好調で注目されていたが、防災や官僚腐敗など影の部分を浮き彫りにした。
地震直後の中国政府の対応は内外から高い評価を得ている。大災害の中でも国民の安定は保たれてきた。救援活動を通じて報道の自由・市民社会の形成・外国との協力についておおきな進歩が見られた。
今回の災害は中国人に、「国民と政府」「個人と社会」「中国と外国」のあるべき関係を再認識させ、社会と政治改革に絶好のチャンスを与えている。
    今回の震災で被害が拡大した原因は、学校を始め多くの建物が倒壊したことによる。中国の国情を反映した人災の面もある。
  • 地震が起きた地域は中国内陸部で貧困地域で、鉄筋はおろかレンガを積み上げただけの家にしか住めない。(格差問題)
  • 内陸部の自治体は貧乏なので役所の建物に予算を優先し、学校などにはあまり使わない。
  • 役人と建設業者が癒着して手抜き工事が行なわれたと多くの中国人は認識している。

「絶対的な権力は絶対に腐敗します」このようなことを繰り返さないように、公正な選挙に報道の自由、公平な司法制度、立法・司法・行政のチェックアンドバランスを通じて政府への監督を強化する必要がある。

地震報道、諸外国からの援助の受け入れなど中国の変化を感じさせることも多かったですよね(浜中アナウンサー)

今までは政府のプロパガンダにすぎなかった中国の報道機関や外国の報道機関にも自由に取材できた。
マスコミの報道を通じて伝わる惨状が中国人へ他人への思いやりが大切であることを気づかさせた。
個人や企業から巨額な義捐金が集っている。これは国民一人一人が社会への参加意識を持つようになったことや市民社会が成長して行くことの意義が非常に大きいと思う。

今回の震災を通じて中国と外国の関係の変化を感じますか?(浜中アナウンサー)

海外からの援助は中国でも高く評価されている。

チベット騒動・聖火リレーを通じた大規模なオリンピック応援活動・フランス系スーパーへの不買運動などは、海外からは中国の狭い民族主義と批判された。
しかし今回の災害救援活動では、中国人の人道主義に基づいた愛国心は世界中から賞賛を受けている。チベット問題でダメージを受けている中国のイメージの回復に一役買った。

危機こそ好機である」という言葉もありますが、この大災害を未来に生かすためには何が必要と考えますか?(浜中アナウンサー)

経済にとどまらず、社会と政治の分野における体制の改革を急ぐ必要がある。その中には「民主」「法治」に加え、芽生え始めている「報道の自由」「市民社会の形成」も含まれなければなりません。


2008年 6月12日 木曜日 野村資本市場研究所シニア・フェロー 関志雄(かん・しゆう):中国を変える四川省大地震 危機を改革の好機としてとらえよ


編者感想:地震は3分、人命救助は3日、避難所生活は3ヶ月、仮設住宅生活は3年。これから四川省で地震災害に見舞われて人命・生活を奪われた中国の人々が再び元の生活に戻るまで、自由な報道をして実情を国内外に知らせ、国・支援者は何をすべきか的確に考えて実施し、この「危機を改革の好機」にしてさらに中国が安定し発展してほしい。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

関満博(せき・みつひろ):中山間地域の農村レストラン 栃木蕎麦の展開

今日は栃木県のケースで、農村レストラン・食による活性化ですね。(浜中アナウンサー)

農村レストランとしての)蕎麦は興味深い。蕎麦屋は職人的完成度の高い店が全国にあるし、農山村地域の伝統食の延長としても提供されている。
蕎麦は栽培が容易。高齢化した中山間地域でも、休耕田でも栽培可能。

栃木県旧今市市(現在は日光市)のケースは
農家が共同で地元の材料を使って経営するという農家レストラン農村レストランは栃木県が一番多い。2006年で70店ある。蕎麦屋はそのうちの76%。

旧今市市中長畑(ながはた)地区の例
もともと蕎麦を栽培し、打って食べていた。4人で組合を作り1991年スタート。すぐにあたった(繁盛した)。
20軒の農家に蕎麦の生産組合を作らせ、生産した蕎麦は農協に出荷する2倍の価格で買い取った。蕎麦屋を軸に農業生産も活性化した。

旧今市市小代(こしろ)地区の例
市に寄贈された旧三菱銀行頭取の邸宅を役立てようと、地元の人が組合を作り市から借りて蕎麦屋を始めた。これも繁盛し、従業員が23人にもなる。

旧日光街道の杉並木の公園の例
二ノ宮尊徳が考案した農家が復元されている。そこは公園の売店だったが、それを地区の人が蕎麦屋にした。男10人、女6人で運営し、とても繁盛している。

旧今市市水無(みずなし)地区の例
農家13軒が組合を結成。2000年に蕎麦屋「水梨庵」を作る。場所はわかりにくいのだが、口コミやインターネットで調べてよく客が入っている。ここは女性のみ9人でやっている。

旧今市市小百(こびゃく)地区の例
公民館建設に合築して蕎麦屋をやることに。1996年に35軒の農家で始める。全て女性で50代から80歳までの方が働いている。8:30から午後4:30まで時給850円。一年に6万人の客が来る。出資者に20%の配当をした。

きっかけは元今市市長が、農村の振興のためには市のいろいろなポイントに農村レストラン特に蕎麦屋をやるようにすすめたところから始まった。

関さん、今回のフィールド調査では随分蕎麦屋を回られましたね。(浜中アナウンサー)
ええ、2日で8軒、8枚の蕎麦を食べました(笑)。

農村レストランが良く機能している。集落をベースに取り組んでいる。収入と就業の場を提供し、高齢者雇用を行なっている。

農村レストラン・蕎麦屋は中山間地域の一つの希望の星として注目したい。

関満博の著作 in Amazon.co.jp


2008年 6月 11日 水曜日 一橋大学大学院教授 関満博(せき・みつひろ):中山間地域の農村レストラン 栃木蕎麦の展開


編者感想:きっかけを作った元今市市長は誰でしょうか?興味あります。

 古くからの日本のスローフード・ファーストフードである蕎麦は(バブル景気の頃からか?)それ自体がブランド化して高級な食品・料理として定着した。もう一つの伝統食である「うどん」は自ら安い食べ物としての道を歩んでいる。
 私はどちらかというと「うどん」が好き。香川県ではうどんが人気だが、如何せん単価が安い。金毘羅山ふもとの製麺所に隣接している食堂で出している素うどんで100円、豪勢なトッピングを3つ付けても500円程度(もちろん他の地域では高いうどんはあるだろうが)。ブランド化の道を敢えて取らなかった「うどん」でも農村活性化出来ないものだろうか。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

諸富徹(もろとみ・とおる):福田ビジョンと低炭素社会への道 2008/6/10

昨日、福田首相が「低炭素社会・日本を目指して」と題する講演を行ないましたが、その内容をどう捉えましたか?(浜中アナウンサー)

時代認識を的確に捉えて今後の方向性を打ち出したと思う。
首相は「低炭素社会を目指すことは負担ではなく、これからの新し成長の機会だ」と話し、積極的なビジョンを打ち出したと思う。
    注目点は3つあって
  1. 日本の温室効果ガス削減の中長期目標のあり方。2050年の長期目標では2005年比で60~80%削減。2020年には2005年比で14%削減することを打ち出した。
  2. 国内排出量取引をこの秋から試行実施する。
  3. 環境税の導入・既存税のグリーン化

(ここで関東地方は鉄道情報が入り中断する)

長期削減目標で6~8割減らすといっていますが(達成することは)大丈夫でしょうか?(浜中アナウンサー)

野心的な数字だ。それだけ温室効果ガスが減った社会を想像しがたいが、それが必要だということで国際世論がほぼ形成されている。福田首相はそれに踏み込んだ。

中期目標は比較的穏当のように見えるが、これまで増加していることを考えると、それもなかなか困難だろう。

エネルギー転換エネルギー効率の向上省エネの分野で相当の努力をしながら技術革新していく必要がある。
こういった技術開発を促進し、社会に普及させる仕組み・社会システム作りが決定的に重要で、その触媒として排出量取引、環境税を活用していくことになる。

福田首相は、排出量取引は導入することは決めたが、内容と実施時期については言及していない。
産業界は排出上限(CAP)を決めることに強く反発している。しかし、CAP&TRADEでないと意味がないと思う。

昨日示された福田ビジョンで低炭素社会へ向けて舵を切ることが出来るでしょうか?(浜中アナウンサー)

政策とビジョンが示されたのは高く評価できるが、そのための技術革新、社会制度の整備をどうやって進めていくかが問われると思う。

日本はこれまで物作り国家としてやってきた。これからもその特性を生かし低炭素社会への移行を成功させる責任がある。成功すれば日本の新しい発展が見えてくる。中国
発展途上国にも低炭素社会のモデルを提示できることになると思う。


2008年 6月 10日 火曜日 京都大学大学院准教授 諸富徹(もろとみ・とおる):福田ビジョンと低炭素社会への道


編者感想:福田首相の講演「低炭素社会日本を目指して」はこちらで読めます http://www.kantei.go.jp/jp/hukudaspeech/2008/06/09speech.html
    福田首相の講演は分かりやすかった。私が注目したのは
  • 2020年14%削減という数字は、セクター別アプローチを緻密に適用し最も進んだ省エネ、そして新エネ技術を開発した結果の数字。
  • エネルギー転換の一つとして、新築持家住宅の7割以上に太陽光発電をつける。
  • 安全安心を大前提に原子力政策を推進(←まだ推進するのか原子力を:私の意見)
  • G8サミットが開催される7月7日の七夕の日に一斉消灯し、天の川を見ながら、地球環境の大事さを国民全体で再確認する運動が展開中

講演の中で『CCS技術』という言葉が出てくるが、その意味は、発電所などの排出源で発生するCO2を回収し、安定した地層に貯留したり、海洋に隔離して、CO2を大気から長期間隔離する技術。

福田首相はこの低炭素社会・日本の方向性をつけた首相として歴史に名を残すことが出来るだろうか。







テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

鈴田敦之(すずた・あつゆき):原油投機があぶり出したもの 2008/6/9

先週の6日にWTI原油が1バレル当たり139.12ドルになった。これはもちろん投機による。

投機の激しさ資金の動きの速さが注目される。6日には一日に10ドルも上がった。これは空売りの買戻しによる。130ドルが天井だと考えそれを超えると下落すると見て空売りする金融派生商品(デリバティブ)を売っていた金融機関があった。

今の投機資金は世界的な金余り、オイルマネーなどで数兆円とも二桁の兆円とも言われている。WTI原油物が上場されているニューヨークのカーマンタイル取引所の規模は1800万ドルから2000万ドルくらいといわれる。一方、投機資金の数兆ドル、ニューヨーク株式市場の総額は15兆ドルと言われているので、株式の資金がほんの少し原油市場に動いただけでマーケットの規模の小さな原油は大きく動く。

その根っこにはアメリカ経済の弱さがある。サブプライムローン問題でアメリカの経済成長は1%を切って低迷している。消費者物価も対前年比3%上昇を示している。先月発表した5月の失業率は5.5%予想以上に悪かった。金融、自動車、小売でリストラしたため。

原油市場への投機の激しさ、アメリカ経済の弱さ、この2点のほかに何が挙げられるでしょうか?(浜中アナウンサー)

金融政策の難しさが上げられる。どちらにも舵を取れない。FRBのバーナンキ議長は「インフレ対策でこれ以上の金利引下げをしない。アメリカは輸入が多いのでドルがこれ以上安くなるのは(物価が上がって)インフレになるのでこまる」と受取られる発言をした。これをきっかけに一時的にドル高になったが、EUもインフレ懸念があるので金利引き上げを示唆した。このけっかユーロドル安が加速した。

アメリカは金利を引き上げインフレを抑えたいが不況なのでどっちの手段も取れない。打つ手はない。様子見している。

最近サミット前にサミット参加国と中・印・韓を加えたエネルギー担当相の会合が持たれた。そこで出た結論は決め手に欠ける。

私は一番効くのはガソリン需要だと思う。アメリカで需要が減少に転じたとの情報がある。
投機の最大の理由は実需の伸びなので、需要が減ったとなると投機資金は逃げ出して(高騰した価格は)くずれてくる。

需要が減るという実績を示すことが投機を抑える大きな要因になると思う。(ガソリン需要の減少が)正式な統計にいつ出てくるか注目している。


2008年 6月 9日 月曜日 評論家 鈴田敦之(すずた・あつゆき):原油投機があぶり出したもの


編者感想:いつ正式な統計にガソリン需要の減少が現れるか、私も注目している。そんなに資産も持っていない私は、「インフレ圧力が解消されればいいなあ」程度の対岸の火事(ほんとはそうでもないが)の気持ちで暴落予想高値の1バレル150ドルになる日を(ならないかも含めて)待っている。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

藤原直哉(ふじわら・なおや):長期金利上昇の裏にあるもの 2008/6/6

長期金利について不勉強だったので調べてみたら、国内外で長期金利の上昇が目立ってきていますね(山下アナウンサー)

日本の10年満期国債金利が1.8%を越えた。アメリカの10年満期国債の金利も4.0%を越えている。世界同時に短期金利・長期金利ともに上昇している。
昨年のサブプライムローンがらみで一旦切りは下がった。それでお金が石油に流れこんだ。
最近になっても金融危機が続いているので、お金がどんどん(中央銀行から)出つづけている。

金利が上がる一番の原因は物価上昇ではなくお金があふれていること。お金が余っているので物にお金が行き、物の値段が上がるという投機的な動きをする。それにつられて金利が上がるということ。物事の最初に金融危機があって、(中央銀行は)お金を出しつづけているので物価上昇が止らなくなった。

物価上昇が止らないので金融当局も金融危機対応(金利を下げる)から物価対応(金利を上げる)に切り替えるかも知れないという話になってきている。
    金利が上がると次のようになる。
  • 長期金利は人間に例えると体温のようなもの。平熱を越えるとフラフラになる。長期金利が上がると経済全体が熱が出たような状態になり、元気がなくなる。
  • 国債の金利が上がる。既存の国債の借り換えが(国にとって)うまくいかなくなる。そのため財政危機が深刻化する。
  • 企業にとっては運転資金の調達、設備投資資金が借りにくくなる。住宅ローンの金利上がるので家も買いにくくなる。
  • 既に発行されている債権(国債、社債など)が下がってくる。保有している債権が値下がりし、評価損が生まれてくる。
  • 国も企業も支払うお金が増え、不況が広がり物価だけは高いことになりお金が足りなくなる。

今後の展望はどうなるでしょうか?(山下アナウンサー)

物価の上昇が止らないと長期金利の上昇も止らない。石油の値段が上げ止らないと長期金利の上昇も止らないと思う。
(繰り返しになるが)長期金利の上昇の一番の原因は石油価格の高騰ではなく、30年前(のオイルショック)と同じように、過去数年間にものすごい大量のマネーを中央銀行が撒き散らしたことが一番の原因。過剰流動性になったのでそれに火がついた。しかもそこに「金融危機」だというので大量のお金を流しつづけているので、どんどん燃料をくべている状態だ。

余分なお金を抜くために(インフレを止めるために)金融機関の破綻が始まる。金融機関を助けようとするとインフレに移行する。ジレンマだ。

(この局面を打開するには)新たな投資先を見つけねばならないと現在の不況と物価高は克服されない。
投資をして新商品が出来てくると、物価は上がっているが不況ではなくなり、新しい経済成長が始まった、未来は明るいとみんなが思うようになる。

新しい投資のためにはマネーだけではダメで、国家が動かないといけない。30年前の不況のときみたいに国がリーダーシップをきっ記していく必要がある。民間の力だけでは日本の経済は持ち上がらない。

政府は、国のビジョン・日本再生の方向を示して具体的な投資をするための環境作り、投資の誘導をしなくてはならない。これがはっきりと出来ないと政権が持たないと思う。


2008年 6月 6日 金曜日 経済アナリスト 藤原直哉(ふじわら・なおや):長期金利上昇の裏にあるもの


編者感想:30年前のオイルショック(二度あるが、最初の1973年のほう)前後の出来事を調べてみた。(wikipediaなどより)
・その数年前にニクソンショックで日本の基幹産業である輸出がダメージを受けていたので日銀はマネーの供給を増やしていた。
・そして日本列島改造論で全国で土地バブルが発生し、それが元になってインフレになっていた。
・そこにオイルショックが襲いかかってさらにインフレが進み(狂乱物価)
・政府は金利を上げてインフレを抑えたら戦後初のマイナス成長となってここに高度経済成長は終わりを告げた。

不況克服のために当時実行したことは
・競争力を失った「構造不況業種」を縮小させ、成長分野に資源を振り向けた。加工組立産業の成長。
・雇用調整(新規採用の停止、残業時間の短縮など)
・労働側も賃金の引き下げを受け入れ、残業して新製品を企画し、輸出を拡大して上昇したエネルギーコストに対応
・企業は銀行借入による設備投資主導型の経営拡大路線を見直し減量経営が始まる
・省エネルギー対策の一環として、深夜の電力消費を抑制のために深夜放送休止。日曜のガソリンスタンド営業休止。

オイルショックの影響として
・原子力や風力、太陽光など非石油エネルギーの活用の模索、また省エネルギー技術の研究開発。
・鉄道をはじめとする公共交通機関を再評価
・1975年に第一次オイルショック以降の経済の回復を図るため第一回サミットが開かれた。
・第一次オイルショックから5年で日本は貿易黒字180億ドルに回復したが、もうけたお金は高騰した石油代金に消えて国内の再投資には繋がらなかった

不況から脱出するために政府が取った政策は
・赤字国債をふくむ国債大量増発による公共事業
・鉄鋼や造船等の重工業から自動車や機械(後では家電が中心となる)を主力とした輸出の拡大
・石油などのエネルギーをあまり使用しないハイテク産業の推進

以上のことは現在ではなく、30年前のこと。歴史は繰り返すのか、30年前と今とあんまり変らない。

国債発行はもう出来ないだろうし、輸出といっても買ってくれるアメリカが落ち込んでいる。主力産業の交代といっても変るものが見当たらない。あの時、もうけたお金を国土の偏り無い発展のために少しでも使っていれば、地方が日本のセーフティネットを果たしてくれたろうにと残念だ。
温暖化ガス排出量取引などの新しい動きや省エネ・環境ビジネスもそれなりに拡大しているけどまだ大きくなってはいない。あとは石油価格が暴落するのをひたすら待つ(近い将来にあると思うが)ことしかないのか。うーんなかなか知恵が出てこない。






テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

黒瀬直宏(くろせ・なおひろ):アジアの中小企業の現状(アンケートをまとめて) 2008/6/5

専修大学では日本を含むアジアの8か国の中小企業の調査をしている。
    中小企業の成り立ちはそれぞれの国によって随分異なる。中小製造業をアンケートの対象にしているが、企業の創立年代を調べてみた。
  • 日本 半分近くが1959年以前の設立。1990年以降の設立はわずか5%しかない。中小企業の誕生は衰えている。
  • ベトナムは100%近く、タイ・中国では7割以上、マレーシアは65%が1990年以降の設立。
  • 次に韓国、シンガポール、台湾に若い企業が多い。

計画経済から市場経済・工業化経済に移行した「移行経済」国で活発に中小企業が誕生している。

創業経営者に創業の理由を聞いたら、「自分の裁量で仕事をしたかった」「自分のアイデアを事業家したかった」「以前から経営者になりたかった」などの積極的理由が多かった。
    その後の発展については1998年から2003年の5年間の売上増加度を調べた
  • 売上が2倍以上になった企業の割合は、中国が6割、日本は2.5%
  • 売上増加度がマイナスになった企業は、中国5%、日本は6割
  • 成長度が高いのは中国とベトナム。次にマレーシアとタイ、次は台湾とシンガポール、最後は日本

日本の中小企業の半分は下請企業。そこで企業の形を次の3つに分けてみた
A:自社製品を製造して市場で売る(自社製品型)
B:他企業の依頼で企画を行なう(受託開発型)
C:他企業が開発したものを他企業のために製造する(下請け型)
中国では5割がAの自社製品型。Cの下請け型は1/4。中国は社会主義経済時代に分業体制をとらず、一つの工場に全ての生産工程をそろえていたので、下請けになる機会がそもそも少ない。
日本の様に大企業が最終消費市場を席巻していなくて、中小企業のための市場が広いから発展する余地がある。また、民族性が商人に向いている。

タイ・マレーシアでも日本や外国企業の進出により下請け企業が育っている。

韓国も日本と同じような大企業中心の国だが、今回の調査では下請け企業の割合がそれほど多くなかった。ちょっと意外だった。

(まとめると)
アジアの中で、成長度・誕生度で見た中小企業のダイナミズムは国ごとに差がある。
市場経済化・工業化の歴史の新しい地域では中小企業がいわば「若木」のように誕生し、成長している。
一方、市場経済・工業化の歴史が古くなると「若木」の誕生も成長も鈍くなる傾向がある。
市場経済が若い国では、未開の商品市場が広大だからということ。
進出した外国企業との取引や外国からの受託生産が中小企業の市場機会を増やしている。
豊富な低賃金労働者の存在が小資本での参加を容易にしている。
大企業が主要産業を占拠して中小企業の発達を妨げる体制が成立していない。

今回改めて日本の中小企業の誕生と成長が衰えていることがはっきりした。これは我々にとって大問題で、別の機会にお話できたらと思っている。

2008年 6月 5日 木曜日 黒瀬直宏(くろせ・なおひろ):アジアの中小企業の現状(アンケートをまとめて)


編者感想:私も、大学を出て大企業から零細企業まで働き25年近く(今は失業してるけど)経つが、実感として年とともに既存の市場には中小企業の発展する余地が少なくなっているとおもう。中小企業は、大企業が動き出す前に新しい市場をめがけて突っ走らないと成長しない。戦後直後から昭和40年代までにそうやって成長した企業経営者の話が本やテレビ番組で取り上げられるが、それは過去の話。
ある植物学者が話していたが、森に火事が起きた後、最初に帰化植物みたいなものや雑多な植物が生えてくる。何年かたつと少しその気候・土質に合った植物になり、最後は安定した森に戻る。これは学校で習う話。さらにその植物学者は、「人間のやることも同じ、企業でも焼け野原ではいろんなものが育つ。そして時間の経過と共に安定した寡占状態になる。『人間は植物とは違うよ』なんて言うのは思い上がり。人間も生物の一部だから、厳密にこの法則にしたがう」と付け加えていた。

職探し中の私としては、公務員・大企業に再就職するか(必ずしも良いとはいえないし、難しいかも)、経済的な焼け野原になるのを待って準備するか(創業)、小さな焼け跡や未開地(発展しそうな中小企業)を眼を皿のようにして探すか、難しいかハイリスクだ。





テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

十市勉(といち・つとむ):次期大統領候補のエネルギー・環境政策 2008/6/4

共和党のマケイン候補、民主党のオバマクリントン候補の3候補共に環境を重視しているという点では一致している。

マケイン候補は次のように言っている。
地球温暖化対策をすべき、但し中国・インドに削減義務がない今の京都議定書には反対だ。2050年には温室効果ガスを今より65%減らす法案に同意する。排出量取引にも参加する。

オバマ候補は、2020年までに1990年の水準におさえ、2050年には80%減らそうという長期的に大幅な削減を提案している。
クリントン候補もオバマ候補と同じような長期的な大幅削減を提案している。

共和党のマケイン候補よりも民主党の二人の候補の方が温室効果ガス排出量を大幅に削減すると言っている。

その手段は3候補共に排出量取引・キャップ・アンド・トレード、排出量の上限を企業ごとに決め、取引をはじめて削減していくとしている。細かいところは違う。

エネルギー政策は3人とも全体としては余り変わらないが、民主党のオバマクリントン候補は省エネ・再生可能エネルギーに力を入れようとしている。

オバマ候補は、太陽光・風力など再生可能エネルギーを2025年までに電力の25%に増やすと提言している。
クリントン候補は再生可能エネルギーを国が支援して増やす。自動車の燃費をよくするために(法律で)燃費規制をしようとしている。

マケイン候補はエネルギーの供給源を出来るだけ多様化しようと考えている(原子力も含めて)。アメリカの石油輸入は6割くらいで、アメリカにとって不安定な国からが多いので、輸入の石油を減らすべきだといっている。

原子力については3候補での一番の違いがある。
マケイン候補は今のブッシュ政権と同じく原子力を重視しており、積極的に推進していこうとしている。
オバマ候補は原子力には批判的である。原子力の安全確保、廃棄物の安全貯蔵、核拡散問題きちんとやることが(原子力を利用する上で)大前提だといっている。
クリントン候補はより批判的。現在ある原子力発電所は賛成だが、新たな原子力発電所を作ることは賛成しない。

アメリカ大統領選挙は候補者が言ったことは実際に行なわれるとは限らない。しかし、新しい政権は現在のブッシュ政権よりも環境・地球温暖化問題には前向き・積極的な姿勢をとるといえる。


2008年 6月 4日 木曜日 


編者感想:







テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

林康史(はやし・やすし):石油・穀物の価格高騰の行方 2008/6/3

スーパーで買い物をするのが私の趣味なんだが、買い物をしていて物価が上がっていることをかんじる。インスタントのカップめんや食用油が値上がりしているので特売品にならなくなった。

新興国の発展で穀物・食料が値上がりしている。新興国が発展すると肉を食べるようになり、8倍の穀物を消費するようになる。
また、穀物がエネルギーの替わり(バイオエタノール)になるような時代になった。旱魃・天候不順でも穀物の値段は上がっている。

エネルギー価格が上がると(バイオエタノールをより生産しよとするので)トウモロコシ以外の穀物の生産量が減少し、穀物の値段が上昇する。石油と穀物の価格が連動するようになった。

(現在の原油・穀物価格は)投機的と言われている。投機資金が流出すると値段は落ち着くと考えていいでしょうか?(山下アナウンサー)

投機は本質的な流れ(価格のトレンド)では無いし、大きな流れを変えるほどのものではないと思う。
フリードマンは「愚かな投機家は最高の値段で買う。そんな投機家はいない」と言った。短期的な投機資金は入っているだろうが、現状は大きな流れにはなっていない。

石油は新興国で消費量が増えたため価格が上がった。いままで3億人だった先進工業国が、中国やインドが加わり30億人が先進工業国へ加わった。

私はアメリカの原油価格WTIと、中東の原油価格ドバイを比較している。中東の原油はアメリカに比べて10ドルくらい安い。今は6ドルくらい安くなっていて、両方共に上がっている。需要が高まってきていて原油価格があがっている、と思っている。1980年代の石油ショックの頃とは条件が異なる。

石油は最終的には備蓄か消費されるしかないので、投機家が買うといつかどこかで売る。損するか得するかの違いはあるけれど、投機家は花粉を運ぶミツバチみたいなもので、決して悪者ではない。本質的なところでは投機家はあまり関係ない。

1980年から2007年までで先進国の物価は2.7倍になったが、1970年代の原油は100ドルくらい。そんなに石油が高いかというとそうでもなくて、今まで安かったのではないかといえる。

とはいえ、この物価高、生活防衛をしなけれぱと思っている。 


2008年 6月 3日 火曜日 立正大学教授 林康史:石油・穀物の価格高騰の行方


編者感想:最後にとってつけたように「生活防衛」と話しているのがちぐはぐで面白かった。
ヘッジファンドの大手、ロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)が1998年に破綻した。フリードマンの言っていることは間違いだ。最高のところで買いポジションを持っている投機家はいるし、下落が始まっても買い持ちつづけて暴落に付き合う投機家はいる。

NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)で取引されるLight Sweet Crudeと呼ばれる原油の先物価格のチャートは下↓
これ見たら誰も買う気にならないほど暴騰してると思うけどね。おそらく遠くない将来に暴落すると思うよ。
(それと林康史氏の1980年代に(1バレル)100ドルといったのは彼の思い違いか?それとも換算されてるんだろうか)
http://futuresource.quote.com/charts/charts.jsp?s=CL&o=&a=M&z=800x550&d=HIGH&b=CANDLE&st=

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

高木勝(たかぎ・まさる):大手銀行グループの決算と今後の課題に着いて 2008/6/2

6大銀行の3月期決算が発表されましたが、どういう内容だったのですか?(山下アナウンサー)

6大銀行の連結純利益が全体で1兆8600億円。前年度とくらべて34%の減益。2年連続の減益となった。
    減益の理由には3つある。
  1. 本業の業務純利益が前年度比で3.8%下落
  2. 一番大きいのはサブプライムローンに関連する損失。6グループだけで9800億円。純利益の期初の見通しに対して4割を削減する大きさになった。
  3. 保有したてた株式の評価損や中小企業に対する不良債権処理費用が大幅に増えた

銀行経営者はサブプライムローン関連の影響がこれから薄くなるので2009年3月期は本業の純益は0.4%、連結純利益は13.1%の増益を見込んでいる。

銀行・証券・保険こういうものを全て加えると、今年3月現在で(サブプライムローン関連の損失は)1兆6000億円を越えたと見られる。欧米と比べるとその数字は小さいか゛、無視できない。日本の金融機関の収益は欧米と比べて弱いのでサブプライムローン関連の損失額は小さいが、収益に及ぼすインパクトは大きい。

アメリカの住宅価格はここへ来てまた大きく下がっている。住宅着工件数、販売件数そのほか大きな落ち込みを見せていて、まだ底が見えていない。
証券全般に価格の下落が動きがある。従って銀行の経営者が見ているようにサププライムローンの損失処理は終わったといっているが、それは疑問だ。

6大銀行の不良債権比率は1%の前半。一年前とくらべて幾分か改善されている。
自己資本比率は10%から13%くらい。いずれもBIS基準の8を大きくクリアしている。
大手銀行は健全性、自己資本力ともまずまずの状態で推移している。

経営環境はあまりよくないだろう。純利益では3期連続の減益になるかもしれない。その要因は、サブプライムローンの影響が終わっていないこと、景気が後退局面に入っていると、などから貸出残高は伸び悩み不良債権は増えてしまう。株式も低迷し、評価損になる。

6大銀行はりそなを除き公的資金は完済していて、これからという時だが、まだまだ経営基盤は弱い。新しいビジネスモデルが構築できていない。従って銀行株は低迷している。

ROE,ROAといったベースで欧米の金融機関にキャッチアップできるかどうか。そのためには投資銀行業務・投信等の手数料、経費率の削減(で利益を増やし)、リスク管理(信用・市場・流動性)、コンプライアンス(法令遵守)、コーポレートガバナンス(企業統治)、株主への利益還元といった対応が必要になる。


2008年 6月 2日 月曜日 明治大学教授 高木勝(たかぎ・まさる):大手銀行グループの決算と今後の課題に着いて


編者感想:銀行はマネーを使って直接マネーを生み出すのが仕事だから、部分的にも全体的にも金額という数字で直接評価される。おまけに欧米の金融機関ともくらべられるようにもなった。私の子供の頃は、安定していて給料も良い職業として銀行員が一番に上げられていたが、それはとっくに過去のこととなった。ま、それで普通の職業になったということか。








テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

FC2カウンター 2008/3/24~
プロフィール
当ブログの編集者は東京都在住40代後半男性(現在失業中)です。就職したら頻繁には更新しなくなるかもしれません。

ニタリクジラ

Author:ニタリクジラ
写真上のプロフィールを編集できないのでそのままです。派遣やバイトでつないでいますが、状況としては変わっています。
また形式を変えてはじめます。

カレンダー
05 | 2008/06 | 07
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
リンク
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
小さな天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
携帯電話からもご覧になれます
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。