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十市勉: 途上国への原子力輸出と日本への課題 2010/3/31 水曜日

 開発途上国アジア、中東の産油国で原発を開発する国が増えてきた。その理由は経済発展で電力需要が増加したことと、地球温暖化対策でCO2排出を抑えるため。

 日本は原発建設の国際入札でまけてショックを受けている。韓国、ロシアなどが企業と国が力をあわせて受注した。中国も原発を国内開発して途上国から注目を集めている。

 原発輸出の問題は「投資額が膨大」「カントリーリスク(政変などて中止になること)」「核不拡散」。

 日本は東芝など原子力技術は優れているが、国としての支援が弱かった。経済産業省が3月26日に「インフラ輸出総合戦略」を策定し、国としても政治家のトップセールスや金融面での支援が決められた。

 原子力を安全に利用していもらうという国際貢献することも大事だ。一方核不拡散の問題もある。これから新たに原子力を開発する国に対しては、日本はその国と核不拡散の二国間協定を結んでいくことが大切。

財団法人日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員 十市勉(といち・つとむ)


編者コメント
感想 [原発をガマンできないものなのか]
 原発といえば少し前にビルゲイツが投資するエネルギーベンチャーの「テラパワー社」が劣化ウランを用いた高速炉を東芝と協同で開発することになったというニュースがあった。100年間も燃料交換せずに軽水炉と同じくらいの出力があるという。原発もクリーンエネルギーの仲間入りなのかコンピューター・ソフトウェアの会社まで参入して来た。

 原発を考えるといつも思うのだが、核廃棄物や原発として使った土地は有害な放射線を出していてその半減期は短いプルトニウムで2万4000年(ウラン235は7億年)であるのに、電力会社は数万年以上にわたって廃棄された原発跡地の固定資産税を払うんだろうか。そこのコスト計算が原発による電力料金の中に入っていないのではないだろうか。地球の歴史的にはそう長くない時間でCO2はいずれ海洋や大地に吸収されるだろうが、放射性物質の生物DNAへの無害化は氷河期が数千回か、地磁気の反転が数百回生じるくらいの長さになるのではないか。原発はそんなに長く悪影響を及ぼす恐れがある発電方式なのだと思う。(そんなこと考えているのはオレだけか?)





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内橋克人: 失われる社会的連帯意識 2010/3/30 火曜日

 再び就職氷河期。卒業した翌日が失業初日。経済団体も労働組合も失業わ個人の問題に片付けている。

 若い世代とそれ以外の世代の連帯意識、雇用分断によって生まれた正規雇用・非正規雇用労働者、高齢者と若者、社会を構成している各階層が互いに分断されてまるで互いに利害関係にあるような意識の刷り込みが小泉改革以来進められた。社会連帯の意識が希薄になり、同じ社会を生きているという価値観を共有できなくなる。

 2006年にフランスで歴史的な事例があった。政府が導入したCPE・初期雇用契約を撤廃させた。この制度は若者を雇用してから2年間は理由を一切説明せずに解雇できるというもの。当時のフランス政府はこれにより「解雇を容易にすれば雇用が増える」と新自由主義に基づいた考えをしていた。これに対し学生だけでなく、教員・労働者もともにデモやストライキを行ってCPEを撤廃させた。

 しかし、日本では政治家・マスコミは世代間対立を煽るような論調が続いている。このままでは私達の社会から社会的連帯意識が希薄になり、社会的統合の崩壊が起こるのではないかと思う。いかにしてその崩壊を止め、連帯意識を取り戻すべき時期に来ている。

評論家 内橋克人(うちはし・かつと)


編者コメント
感想 [実感する]
 少し前に小林多喜二の「蟹工船」がよく読まれているという話題があった。一番末端の蟹を加工する工員たち同士で足を引っ張り合うように仕向けられてそれに抗うことのではない工員たちと今の日本のサラリーマンが重なって見えた。

 「蟹工船」の最後には失敗したストライキを再び成功させようと呼びかけあうシーンで終わっている。この本がよく読まれているということは、競わせあわされている日本の労働者・サラリーマンたちも助け合って力をあわせることが大切だと分かってはいるんだと思う。何かきっかけがあると連帯意識を取る戻せると思う。

 







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鈴田敦之: 魅力減退した日本市場 2010/3/29 月曜日

 日本経済の景気回復の兆しなど多少明るいニュースはあるが厳しい。さびしいニュースが多い。日本のGDPは世界第2位だが、今年は中国に抜かれると予想される。

 今日は日本市場から外資が撤退するという話。オランダの保険会社エイボン、スイスの銀行USBが撤退する。これで日本で株式上場している外資は13社。ピークは127社上場していた。

    日本から撤退する外国企業
  • ・フランスのタイヤメーカー ミシュランは群馬にある工場を今年の夏に閉鎖。
  • ・カナダの家庭用燃料電池メーカー バラードパワーシステムズ
  • ・アメリカの大手CATV リバティグローバル社 合弁会社ビュピターテレコムの株式売却 
  • ・イタリアのブランドメーカー ベルサーチ
  • ・韓国自動車メーカー 現代

 原因は二つあるだろう。まず外資は日本のデフレが長期化して活力が回復しないと見ていること。二つ目は中国やインドなどの新興国の魅力ある市場が出現していること。

 こけは淘汰の動きと見ることが出来る。競争相手が減ったと見る向きがあるが、決して好ましいことではない。外国のコンサルティング会社で投資魅力度調査をやったら日本は26位未満のランク外だった。

 活性化の為に政府・企業は外国から人や鐘を呼び込んででも活性化する覚悟が必要。規制緩和も必要で、昨年6月に「資金決済法」が成立し、この4月から施行される。海外送金が銀行だけでなく一定の条件を満たせば他の企業も参入できるようになった。それまでは(銀行による海外送金は)5万円海外に送ると5千円から1万円の手数料を銀行に支払わなくてはならなかっちた。それが安くなる。このような小さな規制緩和を積み上げることに大きな意味がある。

評論家 鈴田敦之(すずた・あつゆき)

編者コメント
感想 [でしょうね]
 海外送金の手数料がそんなに高いとは知らなかった。銀行は殿様商売で弱い者達から絞り取ってぼろもうけしていたのか。銀行業界にこと利用者にとってプラスになるような規制緩和をもっと進めるべきだろう。

 鈴田氏の言うように日本経済の活力は回復してほしいけれど、この国土で内需(つまり国民生活の向上)をおろそかにしたまま輸出企業だのみの政策をしていた付けが回ってきた。儲かっているときに「いけいけどんどん」で思考停止し、すべきことを怠った結果だろうと思う。

 ひとつ考え方を変えて年収200万円でも家族が生活できて老後も心配ないような社会の仕組みを作るようにしてはどうだろうか。この小国で世界第2位のGDPだったのはたまたまラッキーだったのであって、再びそれになるように挑戦するよりも、身の丈にあった「友愛」が感じられる国にするものいい考えだと思う。





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水谷研治: 新年度に持ち越す大きな経済問題 2010/03/26 金曜日

 今年度はあの大きな落ち込みから回復して景気が回復してきたといわれている。各国の中央銀行は金利をさげ、政府は資金を出してきた。日本の政府は予算は通ったが、それだけでは景気回復には不足。日銀は当てにならない。

 財源が不足している。また、財政再建も必要。そのためには支出をへらして増税をすることになる。景気回復財政再建は矛盾する。

 改革には痛みを伴う。今、痛みを受け入れて将来に備えるのか? (国の取るべき政策は)今〈景気回復〉なのか、将来〈借金先送りを避ける財政再建〉なのか。問題は新年度に持ち越されている。

東京福祉大学大学院教授 水谷研治(みずたに・けんじ) 


編者コメント
感想 [そのとおり]

 目新しい情報や視点はないが、あまりに当たり前にってしまっているのでうっかり忘れてしまいそうなことを話してくれている。惜しむらくは水谷氏はその話のキャラクタが年寄りの繰言みたいに聞こえること。あと、自分で体験なり調査なりして実感したことも話せば説得力ももっと増すかもね。

 ほぼ50年も続いた自民党政権の尻拭いをしながらの経済運営はさぞ大変なことだろう。景気回復財政再建の予定表を具体的な数値と2年おきのマイルストーンで示して発表してもらいたいものだ。温暖化ガスの削減についてはそこそこやっているのだから、それをまねて作ればいいのではないか。なにか決めて進めていかないとその政策が正しいかどうか分からない。間違ったらその時点で修正すればいい。

 





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伊藤実: 経営改革 2010/03/25 木曜日

 政府の経済政策は内向きになっている、といわれるが日本企業も同じ。しかし外国の企業は違う。2009年7-9月期では、韓国のサムスンは営業利益が3200億円で、一方日本大手電気企業9社を合わせても1500億円くらいしかない。

 その原因にはいろんな面があるが、一つには日本企業は「いいものは売れる」と信じ込んでいること。優れた技術だからといって売れるとは限らない。日本の携帯電話は機能は優れているが、世界では通用しない。機械・商品の単体で売ろうとしており、システムで考えていない。マーケティングのやり方が間違っているともいえる。

 日本はデジタル化を甘く見ている。モジュール化が進んでいて必要な部品・基板は市場から買ってくることが出来る。それを組み合わせれば安く出来る。日本は一社で研究開発から生産まで全部やろうとする。コストが掛かる。また儲からなくなった日本企業はリストラする。すると人材が他国の企業に流失する。

 日本は強いところを伸ばしていくべき。選択と集中を進めたところは伸びている。日本の強みはデジタルとアナログが一緒になっているような領域。それとグローバル化を進めるべき。企業の人に聞くと若者は海外に行きたくないという。また、国際的な企業連携を強めること。技術力はまだあるから今のうちに改革することが出来る。

 〈今回で最後の出演ということで〉テレビ、ラジオ出演にしているが、テレビだと話したことを忘れられる。ラジオだとちゃんと覚えてくれている。

労働政策研究研修機構統括研究員 伊藤実(いとう・みのる)


編者コメント
感想 [なるほど]

 50代後半以降の人は「いいものを作れば売れる」という掛け声のもとに生産し輸出することによって働いてきた。その思いがたまたま外的経済条件と整合して日本の経済を大きくしてきたことは疑いのないところだろう。複雑であろうとなかろうと「技術」は水平的に移行する。基本的に誰でもどこでも出来ることが「技術」や「工学」・「工業」だ 。日本人にしか出来ない技術というのはありえない。氏はアナログの技術はそう簡単には海外に流失しないといっているが、条件によればそうでもないだろう。経済的にペイしないからやらないのだろうと思う。その切り口から「技術」を眺めてみると日本の強みはあると思う。

 若い人が海外に出たがらないという話は興味深かった。昔は海外の経験をつんだ人が事業部の責任者になって世界に打って出るのが一般的だったが、今の日本企業にはそんな余力もなくて若い社員に手本をみせる中堅社員もいないということか。企業自身も弱ってきているのだろうか。

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金子勝: 漁業再生の為に必要な政策を急げ 2010/03/24 水曜日

 あまり取り上げられないが、漁業について考えてみる。クロマグロの件で輸出禁止の議案が否決されたので漁業者も消費者もハピーのようなことを言っているが、ほんとにそうなのか。

 漁業従事者は1960年には70万人いたが、今は20万人。高齢化が進み、乱獲で漁業資源が枯渇しつつある。そのなかで静岡のサクラエビ、東京湾のアナゴ、秋田のハタハタは乱獲を防いで資源保護に成功している。しかし、漁場が広く全国的な魚種については保護がうまくいっていない。

 海洋生物資源の保存及び管理に関する法律(TAC法)というのがあって、漁獲量を各県ごとに制限する法律があるが、うまくいっていない。結局は各漁協ごとに漁獲量を制限して個別のTACにし、制限された分を個別保障にするしかないのではないか。他の国も同様の制度を採らないと乱獲は防げない。しかしまず日本国内でその制度を始めるべきだろう。そうしないと漁業の担い手もいなくなるし、魚自体もいなくなる。

慶應義塾大学経済学部教授 金子勝(かねこ・まさる) 


編者コメント
感想 [なるほど]

 戸別保障は農家だけに考えられた政策かと思ったら漁業もそうだったか。農家への戸別保障はヨーロッパの先進国では普通に行われている。国土の万遍ない発展を目指すならば当然採るべき政策だろう。

 ヨーロッパのように国境のほとんどが山間部にあると山間部の農業が衰退することによって外国からの侵略や犯罪・不法移民の流入などが心配される。したがって富の地理的水平配分が行われる。日本は四方を海で囲まれている。漁業・漁師への収入保障の議論を行って導入してほしい。マスコミもクロマグロを取り上げるのと同じくらいにはこの政策を取り上げてもらいたい。

 





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山下一仁: 農業の持続可能性 2010/03/23 火曜日

 農業の生産手段に黄色信号がともった。農業の生産手段で代替できるものは、化学肥料はたい肥に、除草剤は人の労働、農業機械・石油は戦前のように労働で換えることができる。

 換えられないものは太陽・水〈地下水〉・土。アメリカ、中国は農業用に地下水をくみ上げすぎて地下水位が下がっている。また、トウモロコシなどの単作をしてそのまま植物で表土を覆っていないと、表土は風で飛ばされたり降水によって土壌浸食されて流失する。

 中国の耕地は世界の9%、人口は22%。中国は食料を自給したいので、かなり〈土地〉集約的な農業をしていて、殺虫剤や肥料を多く使っている。それで水の汚染の42%が農業に原因がある。食料生産は水質汚染により持続可能出来なくなってきつつある。

 アメリカも中国も食料生産の持続可能性について真剣な議論が必要だ。

経済産業研究所上席研究員 山下一仁(やました・かずひと) 


編者コメント
感想 [なるほど]

 かけがえのないものは太陽と水と土。肥料や農薬・農業機械と石油はなくても食料は作れる。昭和30年代まではそうやって米や野菜を作っていた。その作物は自分や家族・親戚・近所の人々が食べ、さらにどの市場に出荷していてどこの町の人々が食べていたか大体分かっていた。

 農産物は商品であることに違いはないが、国を越えて海を越えて求めるものではないだろう。また食糧自給の考え方は正しいだろう。「食料生産の持続可能性」についての議論は問題を抱え込んでいる国の問題意識が低い。それが一番の問題。

 





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林康史: 新G2と中国経済の将来 2010/03/22 月曜日

 中国経済は好調。昔はG2といえば日本とアメリカだったか゛、今は中国とアメリカ。中国の経済発展モデルは日本を手本にした。長期的な中国のGNPは日本の2倍あるのでますます成長するだろう。

 中国の2010年の経済成長率は多くの経済機関によると10%くらいになるだろうと予想されている。成長のけん引役は投資・消費・輸出。世界的な経済危機で輸出は一時落ち込んだか゛回復しつつある。

 環境・高齢化・汚職が中国の経済成長に問題となると言われているが、そうでもないだろう。いろいろといわれている実体経済の成長、金融政策、人民元についても解決できない問題ではない。

立正大学教授 林康志(はやし・やすし) 


編者コメント
感想 [そこまで言い切れるとは思えない]

 中国が日本の2倍のGNPになるのは長期的には間違いないように思う。もともとでかい国だし、平和が続けば巨大な国が栄えるのは歴史の示すところだ。金融政策についてはうまくやっていきそうに思うが、ただ、話を聴いてみても持続的な中国経済の成長の根拠が分からない。日本の経済発展モデルと同じといわれてもそれだけでは判断できないだろう。

 また歴史は経済構造の変化による失業、環境破壊・気候変動による食料危機、行政機構の腐敗によって王朝の崩壊や小さな革命が起きたことを記録している。中国の支配階級・為政者の舵取りは結構危うくなっているような気もするけどね。

 





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田中直毅: ギリシャ財政危機・ユーロの行方、そして日本の影響 2010/03/19 金曜日

 ギリシャで財政危機が明らかになってユーロが安くなった。どれが国にとっての負債かということは粉飾が出来る。ユーロの加盟国間では相手側の国がどれだけ負債を隠しているか知っていたが、議論はしなかった。ギリシャは国債の借り換えしないといけなくなった。そこへマーケット(年金基金から資金運用を任されているファンドなど)が「ギリシャは粉飾しているから債務不履行の可能性が高まったので、ギリシャ国債の先物を売ろう」と動いた。

 国同士でなく市場が国に財政にかんする規律をもとめるのがいいのではないか、という考えもある。するとこれはギリシャの話でなく日本の話になるかも。

 日本の国債は95%が国内で消費されているから市場の狙い撃ちは受けないとされてきたが、国内の純貯蓄で償うことの出来る時期が2年後、3年後となってきたときに市場の反乱は起きないのといえるだろうか。ギリシャの問題はそういう材料を提起してくれている。

評論家 田中直毅(たなか・なおき) 


編者コメント
感想 [そういわれればそうか]

 多くの国で財政赤字が問題になっている。国として収入より支出がおおければ借金をして将来の子孫に払わせる、ということをする。いつも思うのだが、何に予算を使っているのだろう。事業仕分けとかやって事業ごとに削減しようとしているが、過去の歴史から考えると国が大げさにやることほど眉唾なものはないわけで、本質を隠そうとしているとしか思えない。

 私は怖くて金を借りたことはないが、サラ金のCMでタモリが言っている。「ご利用は計画的に」。国債の発行と返済の計画を国はきちんと分かりやすく説明すべきだ。それがないのは(やっぱり)無計画なのか。

 





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関志雄: 資産価格の膨張で問われる金融政策のあり方・中国にとって参考となる日本のバブルの経験と教訓  2010/03/19 木曜日

 日本のバブルの膨張と崩壊の経緯について、1990年のバブル崩壊から長期低迷に陥っていていまだ回復していない。バブルの発端は1985年9月のプラザ合意にさかのぼる。日銀は輸出産業を助け、内需を拡大するために金利を1989年5月まで下げ続けた。これで金余り現象が起きて株式私情不動産市場へと流れ込んだ。その結果バブルが形成された。バブルの崩壊とともに日本経済は「失われた20年」へと入っていった。

 中国金融政策について、日本のバブル崩壊から学ぶ3つの教訓がある。
  • CPI(消費者物価指数)だけでなく資産価値にも目を配るべき。日本は消費者物価だけを見ていて資産価値が上昇(バブル)していたにもかかわらず金利を低いままにしていた。中国の住宅販売価格は警戒すべき状態になっている。
  • バブルの拡大は信用の膨張をともなうが、中央銀行はその量的伸びだけでなく不動産関係を中心に融資の構成の変化についても注意を払うべき。当局の監視のきかないノンバンクなどによる融資が不動産バブルに拍車をかけた。
  • 経済が抱えるリスクを潜在的段階で把握して、先行きを展望した金融政策を実施すべき。当時の日本は円高への懸念、アメリカから経常黒字の削減と内需拡大の要請があった。国内では物価が安定していたので金融引き締めへの世論の反対が根強く、資産バブルへの対応が遅れてしまった。
バブルが発生してから時間が経てば経つほどそれが崩壊したときの被害はおおきくなり、政策対応もより困難になる。

中国では不動産価格は急騰し、CPI(消費者物価指数)も一旦マイナスだったのが去年の11月からプラスに転じている。景気の回復につれてインフレ圧力も高まると予想される。バブルの膨張とインフレを防ぐために利上げを含めた金融政策の出口戦略が適時に実施されることが求められる。金融引き締め政策の早期実施によって中国経済はソフトランディングに向かうだろう。

野村資本市場研究所シニアフェロー 関志雄(かん・しゆう)


編者コメント
感想 [なるほど]

 思い起こせば、バブルの頃は私は某メーカーの研究所で働いていた。研究費などは比較的自由に使えたが、どのように使ってメーカーとしてその結果をどう評価するという方針が明確でなかったように思う。誰もが、「自分のやっている仕事は結局金に換算される」という思いを振り払えずに自信のない熱狂の中にいたように思う。仕事をする中で資産額は高まるが、人間として高まることへの不安があった。
 それはともかく、話を聞く限りでは、中国は意外とこのバブル前期ともいえる状況をうまく乗り越えられそうだ。CPIと資産価格が同時に上昇して利上げしやすいという状況も中国にとってラッキーなんだろう。


 





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関満博: 中国辺境の地への原材料立地、広西チュワン族自治区の日本企業 2010/03/17 水曜日

 ベトナムに接した沿海部の自治区。日本企業の進出には大きく二つのタイプがある。まず広東省からの二次展開(手工業)。カシオ計算機、スミダコーポレーション、イヤー・フォーンのフォスター電機など。もう一つは原材料を求めてということで、ハリマ化成は松脂を使ったロジンという接着剤。インキに用いられる。亜熱帯の松脂がいい。王子製紙はユーカリの植林。製紙のチップ材として。日本建材はユーカリ材の合板。ダイセル工業はサトウキビからアルギン酸の生産。

 工業製品の原材料を求め、現地で加工するために現地に日本企業が進出している。世界的な流れとして単純な原材料輸出は出来なくなっているので。付加価値の高い(生産性の高い)松→ユーカリ→サトウキビへと生産が移っている。

 低賃金を求めて中国に進出する日本企業が多かったが、将来にわたって安定した原材料供給をするために原材料生産にまで手を染める日本企業もある。

 アメリカへのフィッシュバーガーの材料にティラピアを養殖している。日本人は10人に1人くらい淡水魚特有の臭みを感じるのでまだ輸出していないが。将来的には日本にも輸出するかも知れない。

一橋大学大学院教授 関満博(せき・みつひろ)


編者コメント
感想 [へえー]

 もう10年くらい前に広西チュワン族自治区の北西隣にある雲南省に行った事がある。ある山間部に入ったらどここまでいってもゴムの木を植えていた。地元の人が植えていて生ゴムをどこかの企業に売っているとのことだった。そこの集落に入ると道が急にコンクリート舗装されていて、ガイドの人によると金持ちになったので道を整備したとのことだった。あのゴムの木の森はどうなっているんだろうか。サトウキビは気候の関係で植えていないだろうが、ティラピアの養殖池になっているんだろうか。またたずねてみたい。


 





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内橋克人: もう一つの政治と金 2010/03/16 火曜日

企業・団体の政治献金がテーマになっている。経団連が政治献金を中止するという。合法とはいえ経団連は巨額の献金を以前の政権政党自民党に行っていた。金の力で政策決定を強く迫ってきていた。経団連は選挙民でもないのに。

自民一党支配の55年体制では年間100億円もの献金を行っていた。奥田経団連会長の時には小泉政権全盛の時期に政党の政策などを5段階に評価して参加企業に献金額を割り振った。「金も出すが口も出す」当時の奥田発言だ。おごり高ぶっている。

企業団体献金に依拠する現代政治のゆがみがこのまま続くと民主政治そのものの否定につながる。政党助成金がある(ので企業・団体献金はいらない)。民主政治は生きて働き暮らす人間の一人一票の上に成り立っている。

評論家 内橋克人(うちはし・かつと)

編者コメント
感想 [大いに同意]
企業経営の論理に従って小泉改革が大いに進められた結果、今日の日本社会は社会不安とも言える状態になった。そのテープカットをほぼ真ん中で行ったのはトヨタの奥田経団連会長(当時)だ。番組の中でも触れていたが、自民党議員ですら躊躇する人の多かったホワイトカラー・エグゼンプション(サービス残業の完全合法化)、製造現場への派遣労働解禁、地球温暖化ガスの排出規制への抵抗など、当時の政権は経団連の「評価」に沿った政策を行った。
 それにしても日本人はおとなしい。もし外国ならば、ここまでやられたらトヨタの不買運動でも起きそうに思うのだがそうはならない。
 話はそれるが、以前私が派遣労働に行ったときに、おなじ派遣の30代半ばの男性が50、60代の仲間の労働者に「そんな働き方では雇い止めされるぞ」と注意していたことがあった。大学を出てたまたまだろうが派遣を長く続けてきた彼は、小泉改革による労働者として生きていくための処世術を身に付けていた。
 小泉改革の病根は若者の心に深く浸透して未来への希望の足を引っ張っている。一方、奥田経団連会長の出身母体であるトヨタは海外でリコールの強風に見舞われている。








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霧島和孝:世界経済本格回復の胎動 2010/03/15 月 

 アメリカの2月の雇用統計が改善に向かっている。2月は雇用が減少したがそれは寒波のせいで予想されていた。その減少が予想値より少なかった。アメリカ経済は雇用が原動力。GDPに占める個人消費は、日本・ドイツは5割くらいだが、アメリカは7割。雇用回復→個人消費の回復→米国経済の回復、ということ。

 中国は景気の過熱が心配。不動産はバブル状態。中国はうまくインフレをコントロールするだろう。  ヨーロッパではギリシャ問題もある。ギリシャの財政赤字でユーロが下落した。構造的な問題なので解決までには時間が掛かるだろう。しかし実態が明らかになったので沈静化した。

 現段階では経済本格回復の胎動というレベルだろう。今後の課題は、景気回復の進展に伴い物価や金利が上がること。鉄鉱石、原油が上がり始めた。緩めすぎた金融の引き締め・悪化した財政の再建・景気回復の持続という非常に難しい舵取りが続く。その中でアメリカの雇用回復は世界経済にとってひじ用に明るい兆しだといえる。

城西大学教授 霧島和孝(きりしま・かずたか)

編者コメント
 アメリカはクレジットの国で不動産を担保に個人消費が伸びていた。それが不動産バブル崩壊で消費が減退したのがリーマンショック前後のことだったように思う。今度はクレジットなしでアメリカ人は消費をするんだろうか。
 また、雇用回復の中身はどうなっているんだろうか。日本の小泉改革みたいに低賃金労働者を増やしているんだろうか、それとも労働ユニオンが強いアメリカのことなので通常の雇用なんだろうか。
 インターネットで調べれば分かるんだろうが、門外漢だと時間がかかりそうだ。「ビジネス展望」でその辺のところも話題にしてもらいたい。

霧島和孝氏の著作物はありますが、AMAZONでは扱っていないようです

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藤原直哉:世界に広がる財政危機 2010/03/12 金 

去年の秋から世界的に財政危機のおそれが広がっている。
アメリカ、イギリス、ギリシャ。中国も中央政府・地方政府が借金をして経済拡大している。日本も政権交代があったが財政危機はそのまま。

財政危機は国の国債を買ってもらえなくなること。持っている国債が値下がりし、売り出そうとする国債の金利が上がる。
経常収支、キャッシュフローが赤字の国はその国の通貨が売られる。日本はキャッシュフローが黒字なので通貨は売られないが、デフレになる。

財政破綻ではなく政治が破綻したところが国家破綻する。イギリスは次の選挙で政治勢力が拮抗して何も決められなくなるのではないかと思われて、ポンドが売られた。
財政危機は政治の危機と思えばいい。政治家が金の使い方を間違えたところが財政危機だ。

お金の使い方を直すというのは、結局政府機能そのものを立て直すということ。無駄を省くとか手当てを出すとかではだめ。
未来の日本を形作る本格的な投資をしなくてはいけない。戦後の混乱からの復興のようなことを日本はやらなくてはならない。

経済アナリスト 藤原直哉(ふじわら・なおや)

編者コメント
 戦後の混乱期を思い返すと、どのレベルでも既存の経済システムが崩壊していてその上に政治家や官僚が理想を持って制度を構築していった。  今ここでそれと同じことをやるのは困難だろうと思う。制度の再構築はもっと悪い状態になった後で可能になるのではないか。今出来るのはダメージコントロールで官民ともにガマンすることではないだろうか。  またブログを書けるようになった(失業した)のでガマンを楽しんでいます(笑)。







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当ブログの編集者は東京都在住40代後半男性(現在失業中)です。就職したら頻繁には更新しなくなるかもしれません。

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