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中北徹(なかきた・とおる):アメリカの政府系住宅金融機関への支援策とドル-政府による暗黙の保証 2008/8/21

要約:アメリカの公的な住宅金融機関GSEに破綻の恐れがありそうなのでGSEを支援する法案が可決された。GSE住宅ローン市場を通して世界中からドルをアメリカに還流させてアメリカ経済は成長してきた。GSEの発行した債券は日本や外国の中央銀行なども大量に保有していて注意を要する。
GSE:米国住宅金融公庫のファニー・メイ、フレディ・マックなどを指す)


先月の末、アメリカの政府系住宅金融機関を支援する法案が成立しました。これによりアメリカの金融不安、サブプライムローンを発端とする住宅金融問題が何処まで沈静化して問題の解決に役立っているのか、どういうふうに中北さんはご覧になっているでしょうか?(山下アナウンサー)

ちょうど一年前にサブプライムローン問題が浮上してきた。その問題が解決する前に、もっと深いところでもっと大きい問題としてこの GSE つまりアメリカの公的な住宅金融機関の問題が噴出してきた。

GSEはアメリカの住宅金融の一番中心的な役割を負っている。しかも、グローバルな意味でGSEが発行している証券は世界の金融機関が保有している。その両面がGSEにはある。
今回法案が通った。これはGSEに対して監視する監督機構を作る、財務長官にGSEが持っている証券を一時的だがほとんど無制限に買い上げる権能を与える、というのがその法案の中身。
ただ、これは問題解決の入り口に過ぎない。GSEの支援策で証券を買い上げるが一時的で最終的には納税者・国民の負担となってくる。国が何処まで買い取ることができるのかという問題。
つまり、一年前に明らかになったサブブライムローン問題は民間組織の問題だった。それなのに、公的な金融機関であるGSEが民間に肩代わりしてその住宅ローン証券、債権を買った(買わせた)。その結果、GSEのバランスシートがマイナスだということになると、最終的には国有化までするのか、という問題。この一番肝心なところは(その法案でも)白紙状態だ。

住宅ローン市場はアメリカでは非常に巨大で、この機械装置が動くことによって、アメリカの消費・投資がぐるぐる回って世界経済を成長させてきた。そのためのお金であるドルは、アメリカが貿易で赤字を出すと日本や中国・産油国がドルを一杯溜める、そのドルをアメリカの金融機関に預けるのでアメリカに還流してくる。そのドルを使ってファイナンスしてアメリカは経済成長してきた。

過剰な消費、無理な住宅ローンを拡大したが、これは海外からドルが還流してくるという前提条件で回っていたマシーン(機械装置)が動いていたからだった。これが今回おかしくなった。これは基軸通貨ドルの問題も絡んで大変恐ろしい状態になりかねない。

暗黙の保証とはどういう意味でしょうか?(山下アナウンサー)

GSEは正確には民間の会社だ。株式を発行して役員がいる。ところが泣く子も黙る証券取引委員会SECの規則に特例があって、GSEに対してはそのまま適応されない。その他いろいろ特典があり、そのような事情から投資家の間では「会社であるけれども国の支援がある」とみなしてその承認のもとに暗黙のもとに金利や発行する債券の価格がつけられてきた。国はGSEを通して大量の資金を調達しているが、(投資家達にとっても)暗黙の政府保証があるので安いコストで大量の資金が「調達できて」(編者注:「運用できて」ではないか?)非常に便利だった、ということ。

この仕組み、暗黙の政府保証は良い面ばかりではない。つまり、歯車がうまく回っていればいいが、もし、逆回転すると大変恐ろしいことになる。つまり、GSEが破綻する・破綻懸念があると言うことになると、最後は保証している・保証人である連邦政府(アメリカ)がその膨大な債務を肩代わりする義務を負っていることに行き着く。しかも国内外の債権者に対して負っている。地方の連邦中央銀行の幹部が「GSEは債務超過じゃないか」と発言したことにより、今回そのリスクが表面化してきた。

GSEの発行している債券を外国の中央銀行が保有している。そうするともっと事態は大きい話になる。最終的にGSEが破綻・破綻宣告されるとなったら、アメリカ政府は資金を調達しないといけない。つまり、本当の国債を内外に発行するか増税しかない。海外、国内ともに混乱するかもしれない。

相当おおきなことになりそうですが、日本にとってどんな教訓があるでしょうか?(山下アナウンサー)

日本は最大の対外純資産国、債権を沢山持っている。ドル建てで持っている。
確かにサブプライムローン問題の時には結果的に浅い傷で済んで胸をなでおろしているところに、公的な機関のGSEが発行した債券でアメリカの国債と比べてちょっと金利が高いという旨みのある事情があって、日本では官民ともにかなりのGSE債を保有している。
なので、サブプライムローン問題対岸の火事といえなくも無かったが、いよいよ一年経過してGSE問題をきっかけに、日本でも金融不安が飛び火する要素を抱えてきた。しかも基軸通貨ドルへの不信という問題も絡んでいるので注意を要するのではないか。


2008年 8月 21日 木曜日 東洋大学大学院教授 中北徹(なかきた・とおる):アメリカの政府系住宅金融機関への支援策とドル-政府による暗黙の保証


編者感想:なるほど住宅ローン市場の問題からグローバルな金融不安へとつながるのか。私はそれらの業界には詳しくないのでピンとこないが、知らないところでなにやら不気味な動きがあることだけは分かった。

GSE - Government Sponsored Enterprises(政府支援法人)の略。米国版特殊法人のこと 狭義にはFannie MaeやFreddie Macといった住宅金融公庫や、農業公庫など特殊銀行を指す

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

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この記事ではどれだけの損失が出るのかが分かりません。つまり、具体的な数字が挙がっていないので説得力が乏しいと思います。

確かに数字が分かると説得力は大きいですね

この放送があった日には具体的な数値は分かりませんでしたが、昨日アメリカ政府がFannie MaeとFreddie Macの二社を救済するために公的資金投入枠2000億ドルの設定したそうです。だだし、段階的に投入するそうで現時点では20億ドルとか。
アメリカ政府もその2社が発行した債券1兆6000億ドルどれだけが「損失」と「資産」に別れるのかよく分からないのでしょうね。

現時点ではその対応を株式市場は評価して株価は世界的に戻してます。

日本のバブル崩壊のときに日本政府が金融機関に行なった公的資金投入額とその投入先の性質がだいぶ違うようなので、なんとも分かりませんがサブプライム・ローンと同様な ALT-A の破綻が2009年から始まるでしょうし、アメリカ発「世界金融危機」の可能性は、あと数年は続くような気がします。
以上は私、素人の感想です。

かなり、もめそう

今晩は、はじめまして、いいまとめですね。最近ラジオ聴かないので、この番組も知りませんでした。
僕が日経で最近読んだのでは、
「住宅差し押さえ件数増、米政府の対応に注目
救済対象者の線引きが、借り手の命運を分ける
2008年11月10日 月曜日 Moira Herbst (BusinessWeek.com記者、ニューヨーク)
「Foreclosures: Feds to the Rescue?」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20081107/176518/ 」
かなり、もめそうってことです。日本へも影響大いになるってことですね。この件。
FC2カウンター 2008/3/24~
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当ブログの編集者は東京都在住40代後半男性(現在失業中)です。就職したら頻繁には更新しなくなるかもしれません。

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