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寺島実郎(てらしま・じつろう):過熱するドバイ経済をどう見るか 2008/9/5

要約:UAE(アラブ首長国連邦)の一つであるドバイはホルムズ海峡に面している。旧英連邦ネットワークの中で繁栄している。しかしペルシャ湾の北にイラン・イラクがあり危うさも漂っている。


寺島実郎の著作 in Amazon.co.jp
中東産油国のオイルマネーの集積点になっている。800メートルの世界最高の超高層ビルが、今650メートルまで建設されている。普通五つ星ホテルが最高だが、絢爛豪華な七つ星ホテルがある。世界一の巨大ショッピングモールが稼動している。要するに一種のバブル型の建設ラッシュの街というイメージだ。
そのショッピングモールはタックスフリーなので例えば日本の大阪名古屋から直行便が飛ぶようになって、話題の焦点になっている。

この街をどう考えるか、世界経済を考える上で重要だとおもう。私の分析した視点をお話ししようと思う。

まず、ドパイというのはUAEの七つの首長国の一つ。若干日本人に誤解があるのは、「ドバイは産油国だから繁栄してるんだ」というイメージがあるが、ドバイには石油は出ない。UAEは日本の石油輸入量の2割近くを占めている産油国だ。カタールは石油が出るがドバイには石油は出ない。ドバイのセークラーシッドという建国の父といわれる首長が、石油が出ないからこそUAEの中でドバイをどうやって繁栄させるか知恵を出して街づくりを始めた。
物流フリーゾーンを作って中東の物流起点・物の動きの起点にしようとやり始めた。すでにドバイの港としての世界におけるランキングは去年第7位にまでなった。日本の東京港は日本の中ではトップだが23位。そのことからドバイのイメージが湧くと思う。 

日本人はドバイとの位置関係が分からないと思うが、私自身びっくりしたのはオランダを追い抜いて世界一のフラワーセンターが出来ていて、ケニヤのバラ・カーネーションなどがドバイから関西空港への直行便で日本に入ってきている。我々は気がつかないけど、ドバイを経由してきたケニヤのバラやカーネーションが周りを取り巻いている時代だ。
タックスフリーのショッピングモールはとても巨大で、私は10年以上アメリカに住んでいるので巨大ショッピングモールといっても驚かないが、仰天するほど大きい。年間約600万人の観光客を呼び寄せている。世界最大の人工スキー場、メディアセンター、国際金融センターなどの巨大開発をやって、自分自身が資源を産出しているわけではないのだが、とにかく付加価値をつけることによって経済的な繁栄を目指そうとする国づくりを行なわれている。それがUAEのなかのドバイという視点だ。

二つ目のポイントは、ユニオンジャックの矢という言い方がある。英連邦のなかのドバイという位置付けで見てみる。数百年にわたってインドのボンベイとドバイを繋ぐ航路があり、大英帝国とインドを結ぶ中継点・交易拠点であった。今でもドバイには160万人の外国人が働いている。そのうち100万人はインド人。シンガポールが英連邦の一翼を占めていて、今はITとバイオで熱気をはらんでいる。ドバイはシンガポールが先行モデルだという人が多い。シンガポールとの連携が大いに意味がある。資源大国化するオーストラリアという存在が高まっているが、インドとシンガポールとオーストラリアを繋ぎ、さらにその線上にUAEからロンドンに繋いでいる。
ドバイとロンドンの間では「ドバイは英国のハワイだ」という言い方がある。ドバイはイギリス人にとっての避寒地になっている。

英連邦の中でネットワーク型の発展を遂げているドバイ、という言い方が重要だと思う。つまり、英連邦といっても過去の栄光の残物と思いがちだが、それはおおまちがい。英語という共通言語、文化、法制度が共有の財産・アセットになって新しい意味を持って機能し始めている。従って、ドバイを考えるときに、中東であだ花のように栄えている島というイメージでなく、ユニオンジャックの矢の中で、相互連関・ネットワークの中で繁栄しているとイメージしないとドバイの繁栄の意味がわからないだろう。

そこで、いままで話してきた光の部分のほかに影の部分も話しておかねばならないだろう。
つまり、ペルシャ湾の中で、ホルムズ海峡の内側にある島がドバイだが、決定的に抱えている危険性はペルシャ湾の北側にイラン・イラクというゾーンがある。要するに、北側の混乱を背景にしてペルシャ湾の南側の産油国が潤っているという部分がある。その中で注意深く見ておくことは、一種の虚構の繁栄のような部分だ。なにかことが怒ると危うさがある。例えばイスラム原理主義のなかから首長国という仕組みに対する・富の分配に対する不条理に対する指摘が絶えず行なわれて、ひょっとしたら何かことが起こるのではないかという危うさが漂っている。であるが故に今の繁栄が光り輝いている、という感覚を持つことがドバイをバランスよく捉える視点ではないかと思う。


2008年 9月 5日 金曜日 財団法人日本総合研究所会長 寺島実郎(てらしま・じつろう):過熱するドバイ経済をどう見るか


編者感想: UAEアラブ首長国連邦は7つの首長国(アブダビ、ドバイ、シャールジャ、アジュマーン、ウンム・アル=カイワイン、フジャイラ、ラアス・アル=ハイマ)で構成されている。首都はアブダビ。800メートルの高さの高層ビルを作っていたとは知らなかった。首長国というくらいだからイスラム教スンニ派(スンナ派)の国なのでしょう。
 UAEのドバイのように極端に富める国と、イラク・アフガニスタンのように明日の命も知れない国。どちらもイスラム教という共通項がある。アジアの東端にある国に済んでいる私にはなかなか理解できない。理解できないと嘆くより、関西のおばちゃんよろしく関空から財布を握り締めて空の人となり、タックスフリーの巨大ショッピングモールに直行するのが一番理解を深めることになるのでしょうね。

 今年は去年よりは暑くない夏だったとはいえ、夏ばてで更新のペースがだいぶ落ちていました。涼しくなればもう少しは更新の頻度が上がるかも知れません(わかりませんけど)。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

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ありがとうございます、聞きそびれた、いや、ラジオ体操の後、マイクロスリープしてしまいました。デュバイ(向こうから帰ってきた人XXX建設の人システム室の)の話ありがとうございます。また、金子勝先生の話もあり、コトバと、文字とのちがい(固定されている)で、もう一度、問題点の洗い出しにちからになりました。

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要点をまとめてコンパクトな記事にしようと思っていますがなかなかうまくいきません(笑)。
聞くより字になったものを見るほうが分かりやすいせいもあって、私自身も自分の書いたものを見直して世の中の動きを頭に入れようとしています。
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