スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

山下一仁(やました・かずひと):食料自給率の向上について考える 2008/9/9

要約:自由貿易によって日本の食料安全保障を確保することは出来ない。石油がないと日本の農業が成り立たないというのも間違いで、別の生産要素で代替できる。一番問題なのは農地確保で、政策目標に掲げるべきだ。



山下一仁の著作 in Amazon.co.jp
-(関東地方は臨時の交通情報が20秒ほど入る)-

食料自給率については別の考え方もありますよね。(山下アナウンサー)

以前から、食料自給という考え方自体がナンセンスだ、日本は食料生産については比較優位が無い、日本で農業生産物を作るのは不合理だ。石油などの資源の大半を輸入に頼っている日本は石油がなければ農産物を作れない、食の安全保障だけを考えても幻想だ、結局自由貿易を守って農産物輸入の供給ルートを確保することが重要だ、という議論もある。

石油がなくなると農業はできなくなるという話がある。ただ、農業の生産手段にはいろいろある、土地、労働、資本とか。その中のいくつかは(今のものから)他のものに替えて行なうことができる。例えば

  • 除草剤→ 人間の労働で草を抜く
  • 農業機械→ 労働でできる
  • 化学肥料→ 糞尿から作る堆肥

従って、石油がないと農業生産が行なわれないという議論は、生産要素の生産手段は別の生産要素で代替できるという事を考慮しない議論だ。
戦前までは農薬、農業機械、化学肥料が無くても農業生産が出来た。

問題なのは自由貿易食料安全保障をしてくれるかということは難しい。
ウルグアイラウンドで農産物の輸入数量制限は全て廃止されて輸入関税に変った。そのとき日本は輸出の数量制限についても規制を行なうべきだと提案したが、インドの大使から「自国が不作のときに自国の供給を優先するのは当然ではないか」と反対された。
GATTは農業輸出国の論理で成り立っているので、ある国が輸出税をかけると世界の農産物の価格が上がって農業輸出国は儲かる。従って輸出税や輸出規制については反対しない。
そういうわけで、自由貿易食料安全保障を確保するというのは国際食糧事情を理解しない議論だと思う。

となれば、食料自給率の向上という政策目標は妥当だということになりますか?(山下アナウンサー)

食料安全保障とは食料価格の高騰、あるいは海外から輸入が出来なくなった時に国民に必要な食料をどうやって国内で自給するかということ。
そうなったときは死ぬか生きるかという事態だから、牛肉・エビなど何でも輸入できる食生活を前提に自給率を向上させるという話ではない。

また、食料安全保障とは食料の輸入が出来なくなったときにどれだけ米・芋などのカロリーを(単位耕作地当たり)最大化できる農産物を生産して国民の生命を維持するかと言う問題だ。

そのとき必要なものは先ほど農業の生産要素として述べた。その他に代替できないものがある。水と土・土地だ。水は豊富だが、土地は少ない。一旦農地から宅地などに転換したら農地には戻らない。農地が減少していけば、食料供給が脅かされるようなときに農業生産が十分に出来ない。平時において農地を確保しておかねばならない。
畑に花を植えても食糧自給には何ら貢献しないが、畑として農地資源を維持することはいざとなったときにそこに芋を植えることによって食料を調達できる。つまり、農地がなければ食料安全保障は確保できないということになる。

戦後、農地は500万haで人口は7000万人。1967年には607万haあった農地が(現在では)4割を超えて耕作放棄・宅地転用によって消滅した。
今、芋だけを植えて日本人が生命を維持できる467万haの農地が残っている。人口は1億3000万人。もうこれ以上農地を減少させてはいけないないというのが私の考えだ。
農地確保をまじめに政策目標に掲げて実行すべきだ。

2008年 9月 9日 火曜日 農政アナリスト 山下一仁(やました・かずひと):食料自給率の向上について考える


編者感想: 四国の田舎に住んでいる私の父親は叔母の田んぼの管理と稲作の代行をしている。全部あわせても1haも無いと思うのだが、毎月東京にすむ私の家族に(4人暮らし)米を送って来ており、ほぼそれで間に合っている。田舎の父母の米と私の一家の米を供給していることになる。
 米を作っている当人に言わせると、金を掛けると人件費持ち出しでも赤字になるので農薬や除草剤を極力買ない、のだそうだ。それで結構旨い米を作っている(籾で保存していて食べる前に精米するので当然旨いわけだけど)。農業機械は使っているが、それは人のする労働を激しくやっているに過ぎないので、時間をかければ機械が無くても米は作れる。しかし農地がなくなると、特に田んぼがなくなると米は作れなくなる。農地確保の政策は実現してもらいたい。山間農地の保全・確保にも知恵を出してもらえればいいんだけど。









テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

非公開コメント

たまたまこの山下さんが話していたラジオを聞いていた農家です。
この山下さん、言っている事はかなりご立派なんですけど、農家の現場を知らなさ過ぎると感じました。

農地の確保も大切ですけど、農家の作業量を甘く見すぎ。
機械や除草剤の変わりに労働だって?
 (あ、俺は無農薬だけど)
それなら、どれだけ時間がかかるかやってみれば良いのに。

戦前の子沢山で無料の労働力があるなら人海戦術もできるだろうが、機械無しで人員が無い今の世の中で手作業したら、どれ位の労働が必要か分かってんですかね?
こう言う所が元お役人の感覚なんでしょうね?

農地確保と共に新規就農者を増やすべきです。

農業をされている方からのコメント有り難うございます

私もたまに農作業を見たり手伝ったりしたときに、農作業は時給換算すると、特に長時間になればなるほど単価が下がってしまう実感があります。
現代日本の他の産業と農業の時給換算した労賃は文字どうり桁が違うようになりました。従って、機械や農薬を投入したほうが労働時間を短く出来て時間当たり労賃のアップが図れます。

山下一仁氏が言うところの、「食料輸入が止まり、飽食出来なくなったときに自国内で必要なカロリーを生産できる農地を確保しておくべきだ」というのはそのとおりだと思いますが、耕ちゃん様がご指摘された通り、そうなるまでの農地を誰が耕し続け、どうやってその人の生計を立てていくのかと考えると、また別の大きな問題がありますね。

人類の歴史は水の確保((古代文明発祥は川のそば)、火の使用、放牧、農耕の発達による食料の確保から始まったわけで・・・

山下氏が指摘しているのは危機的な状況になったとき、、(大量の失業者の発生、紛争、財政難など)最低限食料の確保が出来るのか、国民が混乱を起こす可能性があるということだと思います。
大量にお金を食べても栄養にはなりません。(というか、体には良くない。 というか食べられない。)
無駄な事業を減らして、農業への補助金を確保して、暇で高待遇の公務員を駆り出し(給料を減らし)てでも、国を挙げて食料の確保備蓄は行うべきだと私は思います。

私の地元(家の裏側)の話ですが、無駄な事業といいますか、現井戸知事が裏山を公園にしたんですね。(総工費60億円でしたか?)国見山公園と申しまして。山にむかって広い2車線の道路を通しまして、山にモノレールをつけて、展望台を作りまして。で自然観賞だそうです。
この街には主だった産業はありません。都市に繋がる道路が曲がりくねっております。
工業団地もありません。作業や残業している(製造関係)と近所の税理士さんに「音がうるさいっ!!」と言われて対策をしなければなりません。(悪い人ではありません)

みなさん一度観に来てください。
道路御殿も立ち並んでおります。(補助金で家を建てたの人たちに、私は良かったねと思っていますが・・・)

農業関係者ではないので発言すべきではないかもしれませんが、「耕ちゃん」さんの意見に同感するとところがあります。

私も「ビジネス展望」ほぼ毎日聞いて、色々学ぶことろが多いのですが、この日は流石に「?」と感じること大でした。

ま、日頃から文科省を筆頭に官僚には不信感を持っている者なので…
http://diary.jp.aol.com/applet/dypyafd/655/trackback
http://diary.jp.aol.com/applet/dypyafd/262/trackback
FC2カウンター 2008/3/24~
プロフィール
当ブログの編集者は東京都在住40代後半男性(現在失業中)です。就職したら頻繁には更新しなくなるかもしれません。

ニタリクジラ

Author:ニタリクジラ
写真上のプロフィールを編集できないのでそのままです。派遣やバイトでつないでいますが、状況としては変わっています。
また形式を変えてはじめます。

カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
リンク
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
小さな天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
携帯電話からもご覧になれます
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。