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伊藤実(いとう・みのる):人材育成とOJT(On the Job Training): 2008/10/9

要約:今の若い人は仕事がパターン化している。ある程度パターン化したものをITで大量に習得している。今では成果主義で短期的な成果のみを追い求め、OJTははぶかれてしまっている。このままだと中・長期的には組織の力は弱まっていくだろう。

人材育成は大変なテーマで、現場では年々大変になっていると思いますが、伊藤さんのお考えはどうでしょうか?(山下アナウンサー)

最近感じていることがある。仕事のできる人とか仕事の達人と言う場合、その達人の中身が随分変わってきた。
最近の仕事のできる若い人の仕事振りを見ていると、確かに仕事の処理のスピードは速い、プレゼンテーションも上手い、感心するシーンが多い。ただ、いろいろ話したりしてその人の考えやもっているものを聞いたりすると、昔のように感動したりしない。

どうしてこういう人たちが育っているんだろうとビジネススクールの教員と話したことがある。話してみて、どうも話の内容ががパターン化している。ではなぜそんな人たちが増えているかと言うと、ビジネススクールではある程度パターン化したことを教えている。もっと遡って学校教育を見ると、特に最近の大学生のレポートの作り方は、昔の手書きと違ってITを駆使してコピーしてしまう。それも非常にパターン化している。
ITはすごい威力がある。これは経営学で言うと「形式知を大量に習得できる」、つまり誰でも分かる知識になっているものをITで大量に習得できる。こういうのを繰り返しているとパターン化するということは極めて当然。

こういう風に人材の質が変わってきた原因はOJTが弱くなっているのではないかと思う。仕事をしながら覚えていくと言う人材育成のやり方が弱くなっているのかなと思う。最近は先輩から薫陶を受けたといったケースが減っているはず。昨日今日とノーペル賞を受けた人たちが(記者会見で語っていた中に)「仰ぎ見るような先輩」といった表現を使っている。しかし、そういうのは最近の若者には減っているはず。

OJTで重要なのは、勘とかコツといったアナログナ知識・技術を教え込むこと。暗黙知を教えること。これを一杯もっている職場・組織が強い、他が真似できないから。それをどうやって組織内で持つかが企業の競争力の源泉になる。

アナログ暗黙知ですね。それは増やしていく必要がありますね(山下アナウンサー)

  • これはいつから弱くなってしまったかと言うと、1990年代のあの不況期から。経営としてはコスト削減していくうちにだんだんと(企業内)教育の手を抜いてしまった。統計データで企業の教育投資が減っているのを見ても分かる。
  • さらに当時、成果主義を導入した。短期的に成果を出すと給料を上げるといったこと。こういうのは日本の職場が持っていた「チームワーク」と表現されるみんなが協力して必要なことに当たることとか、先輩が後輩を育てるとかのような短期的に成果が出ないようなことは省いてしまった。
  • さらにまずいのは非正社員を大量に入れてしまったこと。正社員同士でさえ知識の共有は上手くやらないと進まないが、正社員・非正社員といった身分の違うようなグループができるとますます職場が分断されてしまう。こういったマネージメントの影響が(働く現場では)大きく出てきている。

ITを使ったイー・ラーニングが無駄だと言うことではなく、問題はそれに偏りすぎていること。先輩に教わるとめんどくさい・胡散臭い・うざったいなんて若い人は言うが、そうではなくて、重要な情報は直接仕事をやりながら覚えていくようにする。職場にOJTをやるための時間的余裕を与えていくことをすべきだ。
そういう方向にマネージメントを持っていかないと、短期的には利益を出せても中・長期的にはだんだんと力が弱っていくだろう。今、日本の社会全体がそういう方向に進んでいるような気がする。

団塊の世代の大量退職で企業体力が弱っているところへ暗黙知がなくなってくると困ったことですよね?(山下アナウンサー)

ノーベル賞を輩出したとよろこんでいるが、実はみんなとんでもない昔の業績だ。昔は(OJTが)上手く機能していたと言える。
そのことに気が付いている経営者ものいるが、現場に行けばいくほど短期的な成果を上げるために右往左往していると言う傾向強い。

また続編も伺いたいと思います。(山下アナウンサー)


2008年 10月 9日 木曜日 労働政策研究研修機構統括研究員 伊藤実(いとう・みのる):人材育成OJT(On the Job Training)


編者感想: 日本人のノーベル賞が一度に4人も出たので、久しぶりに良いニュースだとテレビで取り上げられていた。あれは1980年代までの日本の仕事のやり方(OJTやQC活動など)でブレイクスルーとなる学問的な業績があげられたということだった。短期的な成果にこだわっている組織が多くなった今日ではもうノーベル賞級の業績は学・民とにも無理かも知れない。企業内教育でOJTやQC活動が万能だとも思わないが、OJTやQC活動を苦手なリーダーや責任者が「成果主義」に飛びつく傾向がありはしないだろうか。
 現在私は失業中なので具体的な職場の現状は知らない。小泉改革で非正社員が急増し、パターン化した仕事のデキル若者がバリバリ働いている職場を想像すると、なんだか自分が浦島太郎のような気分になってくる。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

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