2008-04-09
経済産業省は3/19にわが国の
長期エネルギー需給見通しをまとめた。その注目点についてお話いただく。(山川アンカー)
背景は(15から20年先の)
長期エネルギー需給見通しは3,4年おきに見直されて作られている。
今回は、原油価格の上昇などをはじめとするエネルギー・資源価格の高騰で国際的なエネルギー市場が大きく構造変化していると思われ、それに対応することと、
地球温暖化対策を進めるために、エネルギー需給見通しが見直された。
2005年を基準に2020年、2030年までのエネルギー需給見通しが出された。
前提条件の経済成長率は2005年から2020年までは年平均2%、2020年から2030年までは1.2%とした。
原油価格は2020年で1バレル(159リットル)90ドル、2030年で100ドルとし、今のような価格が将来も続くとした。
将来の姿を3つのケースで考えた
1.現在の技術のまま変らずに行く場合
2.技術はそのままで、省エネ努力を継続した場合
3.最先端の技術を導入した場合
一番注目されるのが3で、まだ実用化されていない省エネ技術を入れていくケース。
2020年までに、2005年を基準にして10%マイナス。GDP当たりのエネルギー消費量も30%改善する。原子力、風力、バイオマスなどの新エネルギーをできるだけ増やそうとする。
そうやって努力しても、2020年のCO2排出量を2005年に対して13%マイナス、
京都議定書が基準にしている1990年を基準にして3%マイナス、CO2を減らすのは相当大変。
最大の鍵は、今のところCO2排出が増えている民生部門の家庭・ビルとか輸送・自動車をどうやって減らすか。
3の最大導入ケースを実現するためには、2020年までに減らすための投資は52兆円の社会的負担が必要であると見積もられている。
具体的には、住宅・ビルは最も断熱性のよい施工をする。太陽光発電を2020年までに現在の10倍の住宅に普及させる。家庭・オフィスの機器も省電力タイプにする。ブラウン管テレビを止めて液晶・ELなどに変える。白熱灯を2012年までに蛍光灯に全て変える。給湯器もエネルギー効率の良いヒートポンプタイプに変える。自動車は排ブリッドタイプにする。燃料電池車なども。2020年には新車販売は半分をこういった省エネタイプにする。
低炭素社会に向けて、日本では技術を梃子に暮らし・産業・経済の構造を変えていく必要がある。それにかかる52兆円のコストをビジネスチャンス、新たな投資機会と捉えて日本社会を省エネに持っていく。また、その技術を海外に輸出する、ということが大事。消費者・企業・行政(国自治体)が一体となっての取り組みが大事。
2008年 4月 9日 水曜日 日本エネルギー経済研究所専務理事 十市勉(といち・つとむ):日本の長期エネルギー需給の見通しについて
編者感想:環境問題は人類の行く末を支配しており、そのことは原油が高騰したからではないのは明らかなんだけど、環境問題への対策の一つである省エネ技術を開発する絶好のきっかけになっている。昔は原油が安かったので省エネ技術なんて見向きもされなかった。ちょうど今、投機資金が原油・資源に回って高騰しているのは、運命の神が人類に一度だけ生き延びるチャンスを与えたということか。私の次の仕事はその辺を探してみるといいかも。
経済産業省/資源エネルギー庁の発表した『
長期エネルギー需給見通し(案)について』
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/080321.htmこのレポートについては原子力発電について全く問題ないかのようにかかれているので参議院で野党議員から質問されています。参議院議員川田龍平さんのプログ
http://ryuheikawada.seesaa.net/article/90906337.html
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