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寺島実郎(てらしま・じつろう):JPOWER電源開発に外資 2008/4/18

開国か攘夷かみたいな話で、外資をどれくらい迎え入れるべきか、大変大きな論点になっている。ついに政府の方針が出て外為法の外資規制の最初の事例になった。
JPOWER電源開発(編者注:民間の上場会社)にイギリスの投資ファンドのTCIという会社が、今までも9.1%の株を持っていて筆頭株主だったが、さらに買い増して20%にしたいという要求していた。政府としてそれはダメだという勧告を出した、という状況。

話は複雑。私自身、両者の当事者の方々とじっくり話しをしたことがある。
まず、JPOWERは上場する2004年より前は一種の国策会社、国営企業のようなもの。資本主義の会社としてもスタートしたばかり。
TCIのほうは The Children's Investment Fund(ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド)という名前で、この会社はいくつかの個性を持っていて、アフリカの子供たちにエイズ対策などに日本円で500億円を超える寄付をしている。社会貢献を極端にやっている会社。また、ハゲタカファンドなどの短期的な売り買いに対して批判的、企業を育てる中長期的な視点が必要、と主張している会社。

我々(の政府)は、安全保障を持ち出して外資がこの分野に入ってくることを望ましくないと結論を出した。
安全保障を持ち出す前に、たとえば電鉄会社は国民の安全を第一に考えるべき会社であり、電力会社も国民の利益を考えて経営をすべき会社である。そういう会社が株主のために利益を最大化して配当を最大化して株主に利益を還元するという目的だけで経営されていいのか?(という問題を考えてみるべきだ)
要するに、今までの日本の資本主義は株主に対して配慮が無かったことへの反動もあって、コーポレート・ガバナンスで「会社は株主のものだ」というアメリカ流の資本主義に沿って、配当が多く・透明性が高く・利益を最大化している会社がいいということで走ってきた。

さて、ほんとにそれでいいのか?資本主義をとりまいている利害関係者は株主だけではない。事業が行なわれている地域住民、国家、地球環境、取引先、ほかいろんな人が企業を取り巻いている。その人々たちにバランスよく利害を配分する経営、それが企業として正しいのではないかという考え方も一方にはある。
したがって、安全保障を理由にして外資を入れる/入れないの議論の前に、日本の資本主義のあり方についてこの問題は大きなヒントになる。

こういうグローバル化の時代なので開かれた資本主義・外に対して開かれた改革解放路線で外国の人からも投資が入ってくるような開かれた資本主義でなくてはならない、というのもまた正しいひつとの判断だろう。東京証券取引所の上場企業の株の28%は外国人投資家が持ってくれているのが現実で、外資を呼び込むとことも日本の発展に対しては重要だ。
そうはいってもやまはり、日本の資本主義の個性は「産業資本主義」つまり、物を生真面目に作るということをベースに発展してきた国で、金融主導のマネー・ゲームの資本主義とは違う。日本らしい資本主義のあり方を考え、筋道の通った考えを外に対しても説明する・説得する必要がある。たとえば、短期保有株主と長期保有株主の議決権の重みを変えるとかしておかないと、経営が筋道の通った国民の利害になる判断から逸脱していく可能性をはらんでしまう。

従って、電源開発きんしあい(編者注:漢字不明)問題は新しい様相に入った。この話って結構他人事ではなくて、日本の経営・会社・資本主義は今後どう進んで行くのだろうかという大きな問題をはらんでいる。要注目だ。


2008年 4月 18日 金曜日 財団法人日本総合研究所会長 寺島実郎(てらしま・じつろう):JPOWER電源開発に外資


編者感想:安全保障を持ち出して外為法の外資規制の最初の事例にするほどのことだったその理由は何なのか、これからの第二ラウンド(があるとすればだが)を注目していきたい。
ペリーが来て開国を迫ったとき、幕府の旧守派の役人が外国に対して方針を明確にせずのらりくらり先延ばしにして、とうとう困ったら感情的な国粋主義者(グローバル化の歴史イベントに必ず現れる)に肩入れしてみたりするが、結局自律的に舵取り出来なくなって投げ出してしまった。そんな先輩たちの姿がちらと二重映しになった。

TCI(The Children's Investment Fund)のホームページ 英語と日本語の両方で読める http://www.tcifund.jp/index.html
2008/3/28にTCIが発表した『J-POWER事業計画 - 経営陣が検討するべき事項』 http://www.tcifund.jp/pdf/news_jp14.pdf
いたってまともなことしか書いていない。JPOWERってこんな会社だったのかとよく分かりました。
Thank you TCI !
それにしてもこの文書、句読点の位置が文字配置の中央で意表をついている(笑)。でも文章はきれいな誤解の生じにくい良い日本語で書かれている(と思う)。

J-POWERは1952年設立、2004年東証一部上場。火力・水力の発電所を持ち、電力会社へ電力を卸している。原子力発電所も建設中。本社東京銀座。格付けはAA(SP),AA+(RI)など。最新ではTCIが9.9%の株を保有。株の保有比率は、外国人39.9%,投信2.1%,浮動株6.6%,特定株38.2% 
ホームページ http://www.jpower.co.jp

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

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『J-POWER事業計画 - 経営陣が検討するべき事項』
ですが、推測ですが、実際に作成されたのは中国か、中国語環境の下だと思います
フォントが独特ですから、日本語のフォントではないと思います。

なるほど、そうですか

TCIのアジア代表はジョン・ホーという人でした。名前からするとおそらく中国系でしょう。それで文書のフォントが中国語環境に繋がっているわけですか。なるほど。
FC2カウンター 2008/3/24~
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