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伊藤実(いとう・みのる):後期高齢者医療制度 2008/4/24

新制度を実施するときの準備が不十分で混乱が見られる。
日本の社会制度はいろんな修正を加えるので非常に複雑になってしまう。だから相当時間を掛けて説明しなければならなかったが、それが不十分だった。
保険証が届いてないとかの行政ミスも重なった。
感情的に納得できないのは、保険料を年金から天引きされること。

少子高齢化社会が進んでいる。深い社会の変化がある。どうやって医療費を負担するのかという点も含めて今回の制度改正がある。
国民一人当たりどれだけ医療費を使っているか。年齢によって差が大きい。年間に64歳以下は15万9200円、65歳以上は65万5700円。どうやって負担するか。

混乱しているときに、行政側から「制度改正に伴って医療費の負担は下がるんだ」という説明がなされている。確かに低所得者層の負担は下がるように設定されている。ただ、(全ての所得層の)全員が下がるのかというと、そうではない。所得の高い人は増える。

今まで国民健康保険は市町村が運営していた。(地域が狭いと高齢化などで)ばらつきが出てくるのでもう少し広くしようということで都道府県単位で運営する広域連合に移管した。一方、都道府県単位では福祉政策をやっていた(シルバーパス、条件を満たした場合の医療費免除など)。そういう政策は全国一律ではなく都道府県単位で行なわれていた。この政策ががはずされた。

また、今まで息子・娘の扶養家族になってい(て医療保険料を払っていなかっ)た方が、突然保険料を負担することになった。自民党が前の選挙で負けたので医療保険料支払いの猶予措置を設けた。これでまた複雑になって行政ミスの背景になった。

保険料が下がるといわれているのに上がって驚いている人もいる。それはおそらく都道府県単位で優遇措置を講じていたのがなくなったから。ではなぜなくなったのかというと、これは後期高齢者医療制度とは異なって、地方自治体の財政問題による。地方自治体が財政破綻するのを未然に防ぐため、地方財政健全化法が作られ、この2008年度から実施されるため。この法律で地方自治体が赤字隠しが出来ないようになった。例えば、地方自治体が温泉会館を建てて第三セクターで運営して、そこの赤字を表に出ないようにしていたとか、そういうのをごまかせないようにした法律。いままで住民のために良かれと思ってやってきた政策も、地方自治体の財政が苦しくなるとそういう(福祉)政策を止めたり縮小したりし始めている。この負担増は今回の医療制度改革とは別のところから来ている。それが今全国あちこちで起こっていて、「こんどの医療制度改革はけしからん」という混乱が生じている。

少子高齢化にもとなうより大きな問題は年金制度で、誰が負担するのか支援するのか。

あまりふれられないが、今回の医療保険制度の改正に伴って、現役世代からかなりの財政支援をしている。大企業を中心に組織されている健康保険組合から相当な財政支援している。

地方自治体全ての借金を合計すると200兆円くらい。さらに国も800兆円くらいある。あわせて1000兆円くらいの借金がある。この状態で今の世代がただで公共サービスを受けてその付けをあとの若い世代にみんな押し付けるのか、という問題もある。単なる制度のごたごた(今回の混乱のこと)よりも、日本全体(の福祉・医療制度)をどうデザインするのかという問題が出てきたといえる。

日本は大量の国債を発行しているので、金利が1,2、3%と上がると、デフォルト(国の借金棒引き)の最悪の事態もありうる。いま日本は根拠の無い楽観主義に覆われている。「ゆで蛙」にたとえられる。知らない間に温度が上がって(すぐに対応せずに問題から目をそらし)茹で上がってしまう。

本当は、木(後期高齢者医療制度)を見てわあわあ騒ぐのではなく、森(少子高齢化していく中での財政赤字)を見て日本全体の将来のデザインを考えるべき重要な岐路に来ている。


2008年 4月 24日 木曜日 労働政策研究研修機構統括研究員 伊藤実(いとう・みのる):後期高齢者医療制度


編者感想:今回の医療制度改革はなるほどある程度工夫されているとは思う。この混乱を報道した番組で、ある官僚が「二年前から準備してやってきたのに、何で今になって騒ぎ出すんだ」とぼやいていた。そんなこといったって、日本の指導者層は最終受益者(負担者)に十分な説明をしない伝統があり、また報道メディアもお上の情報垂れ流しと国民の感情を煽り立てるような番組作りをするから大騒ぎになっている。日本国民は日本全体のデザインを考えるのは苦手なんだろうけど、なんとかしないとね。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

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