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金子勝(かねこ・まさる):後期高齢者医療制度の本当の問題点 2008/4/30

後期高齢者医療制度ですが、この4月15日から始まりました。いろいろ問題が出ているようです。この医療制度は75歳以上の人を分離して作るということ。それから医療保険料は年金から天引きすること。(浜中アンカー)

この後期高齢者医療には11兆円くらいかかるといわれている。その内、1兆円が(75歳以上の方が納める)保険料になる。年金天引き以外の普通徴収の人が100万人くらいいる。
この医療制度を運営する市町村は、都道府県単位の広域連合を作って運営する。扶養家族(になっている高齢者)からも2年後を目処に徐々に徴収するとしたり、70歳から74歳までは窓口での負担が1割から2割に増加するのだか、これは当面凍結された。

年金だけにたよる高齢者にとってこの負担増は大きい。しかし、(徴収を先延ばししたり、負担率を凍結したりなど)目先だけ見えなくするのはいかがなものかと思う。

本日のタイトルにつけていただいた「本当の問題点」とはどういうことでしょうか?(浜中アンカー)

当面負担が上がるか下がるかが報道されているが、問題の本質は国保が破綻の危機に瀕していること。1980年代から破綻が始まっていた。本来農家や自営業者のために作られた国民健康保険に企業からの退職者、非正社員が加入してきたから、持たないのは自明だった。
政府は医療保険の一元化することを怠ってきて、退職者医療制度とか老人保険制度とか個々の制度をつぎはぎで作ってきて、いわいる大企業のサラリーマンが入る組合健保や公務員のはいる共済組合から(資金を)繰り入れてしのいできたが、とそれも持たなくなった。今度は(医療サービスを受ける)一番リスクの高い後期高齢者の方だけを切り離す制度を作った。

国保の保険料滞納者が増えつづけている。500万世帯に及んでいる。一年以上保険料を滞納すると保険証をとりあげられ、10割負担になる。保険証の無い末期がんの人が(病院にかかれなくて)ガマンして死んでしまう事例もある。
国民皆保険というが底に穴があいている。その事実認識から出発する必要がある。

保険料が年金から天引きされると他のものが払えなくなる。生活保護を受ける人が増えると思う。しかし、生活保護の認定は絞っているので餓死者が80人前後出ている。
小泉構造改革が全体としてこういう事を生み出してしまっている。

医療給付費は35%が75歳以上だろう。すると2015年には現在より3兆円増えて14兆円、2025年には18兆円になると見込まれる。ということは公費(税金)と現役世代の保険からの繰り入れを増やさないと、75歳以上の保険料はこれから上がらざるを得ない。厚生労働省も2015年には75歳以上の保険料を(現在の10%から)10.8%にするといっている。

もう一つは、診療報酬が下がっていることがある。これは上げると医療保険の負担も上がるから、出来ない。すると医療費削減のもとで医療崩壊が進みかねない。加えて、広域連合による医療保険制度になると今まで市町村の議会で決めていた保険料の負担率が上げやすくなったり、保険証の取り上げも安易に行なわれるだろう。

国保は収入が低い人が多く加入しているので収入に対する保険料率は10%で、それは大企業の組合健保の約二倍。後期高齢者への公的負担を増やさないとこの格差はますます大きくなる。組合健保共済組合は自分達の負担が増えるのを嫌って医療保険制度の一元化に反対してきた。しかし、いずれ誰でも高齢者になる。このままだと会社を退職して高齢者になったときに悲惨なことになる。だから今こそ世代を越えた社会連帯という発想が必要だと思う。

具体的には、低所得者には保険料を税で補填しながら、組合健保共済組合などの保険料を徐々に引き上げて全国一律の保険料率にして一元化を目指す。時間は掛かるが、その上で法人税・個人所得税を含めて公正な税負担を考えて財源を捻出する。

私は最後に言いたい。古今東西の歴史を見るまでも無く『経世済民』を忘れた政治は絶対に長く続かない。10年間で59兆円も道路に使っている間に医療費を払えなかったり、病院にもいけなかったりして人が病気になったり死んだりして良いのだろうか。全ての国民に最低限の生活を保障する憲法25条の精神に立ち返ることが求められていると思う。


2008年 4月 30日 水曜日 慶応大学教授 金子勝(かねこ・まさる):後期高齢者医療制度の本当の問題点


編者感想:私が子供の頃この国から受けた教育の柱の一つは「困っている人を助けよう」だった。恵まれた人が恵まれない人を助けて社会が安定するとも習った。自分の利益、自国の利益を他者や他国に優先することは許されないと道徳の時間に教えられた。前の戦争がその結果を示したのではなかったか。そう考えない人がだんだんと増えて来ているのは確かだ。金子勝氏の視点は大いに参考になった。関係ないけど、今度韓国の大統領になった李明博(イ・ミョンバク)氏と金子勝氏は親戚なんだろうか。よく似てるなあ。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

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食の安全のためか、輸入制限のためかですが、個人的には牛肉と遺伝子組換え食品に関しては輸入制限、有り体に言えば国内の圧力団体の有無によるものだと考えています。

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組み換えDNA食品はもちろん、狂牛病で死んだ人は日本には一人もいない。一方煙草では毎年数万人の人が殺されている。それなのに組み換えDNA食品や米国産の骨付き肉は排除され、一方は遠慮がちに規制の対象になっているに過ぎない。 それはこの圧力団体の存在だと私は理解しています。

それと、後期高齢者医療制度ですが、詳しいことは知りませんが原理的に無理があるのは知識がなくても感じます。何故なら、ハイ・リスクグループだけで保険制度を動かすことは本質的に無理があると考えるからです。 何も知識がなくとも原理的におかしい仕組みは何処かに根本的な問題が隠れていると考えて通常は間違いない。
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良く考えると怪しい話です

確かに不思議に思うのは、アメリカでハンバーガーを食べてクロイツフェルト・ヤコブ病になって死んだと発表された人がいないこと(もっとも、かの国の圧力団体が隠しているのかも)。それに狂牛病(BSE)とヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病の因果関係もはっきりしていない。
怪しい匂いがします。大学や関係機関は良く調べて欲しいと思います。

いずれ医療保険制度もアメリカ式に変えようとしているのかもしれませんね。今回の改革はそれに向けての第一ステップだったりして。
今の医療保険制度を10年くらい続けていくと高齢者の方々が負担しきれなくなり、そうかといってお金がある保険組合は資金を困ったところに回す気にならない。じゃあ止めようか、そして国民は自己責任・自助努力(目くらましの言葉)をして民間の医療保険に全員入るようにしよう、なんてことを厚生労働大臣が言う、なんてシーンを想像しています。
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