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中北徹(なかきた・とおる):英国イギリスの金融行政とその問題点 ノーザン・ロック銀行を巡って 2008/5/1

去年9月、イギリスではおよそ100年ぶりにノーザン・ロック銀行が取り付け(騒ぎ)を起こしました。この問題を巡るイギリスの金融監督行政について話していただきます。(浜中アンカー)

これは対岸の火事ではない。問題銀行の国有化、金融監督の体制で示唆に富む問題だ。

イギリス東北部イングランドにニューカッスルという町がある。ノーザン・ロック銀行はそこに本社をおいている。10年ほど前には「住宅金融組合」という一つの特殊な金融形態の組織だった。おもに労働者にむけて住宅の資金を貸し付けるのを目的としていた。ところが、90年代の半ばにイギリスで金融の自由化がさらに進んで、株式会社化(demutualization)した。さらに株式上場し、普通銀行に転換した。その後もこのノーザン・ロック銀行は住宅ローンで全英でトップグループになるくらい実績を伸ばした。
この銀行は、資金調達を大半を(株式などで)市場から仰いでおり、銀行なのに預金残高が極端に少ない。プロサッカーチームのニューキャッスル・ユナイテッドのスポンサーをやったりしてブランド形成やマーケティングにも長けていた。新しいビジネスモデルに基づく銀行だった。

昨年の9月13日にノーザン・ロック銀行がイギリスの中央銀行(イングランド銀行)に緊急融資を要請した。それはアメリカ発のサブプライムローン問題が表面化して市場の金利がはね上がり、銀行間での資金調達が困難になった。そこでイングランド銀行は公定歩合の金利で30億ポンドをノーザン・ロック銀行に緊急で特別融資することを示唆した。するとその翌日からノーザン・ロック銀行の株価が1/3に急落、それをうけて預金者がノーザン・ロック銀行の窓口に殺到し取り付け騒ぎになった。

イギリスは金融立国で先陣を切っていたのでそのショックは大きかった。

預金の比率は3割以下だった。そのときの金利で市場から資金を引っ張ってくるという、資金調達を効率化してダイナミックに行なう魅力的で斬新なビジネスモデルと思うが、市場が不安定になって不透明化したときには資金が取れないという心配がある。その心配が起きた。

事実上破綻したノーザン・ロック銀行はいくつかのファンドが買いたいと手を上げたが、つぎ込んだ国の資金との関係で金額が合わず、ダーリング蔵相は2月17日に(暫定的な期間)国有化宣言した。

日本も2000年前後に長銀が一時的に国有化した。大きな銀行は最後は国が危機管理を行なわざるを得なかった、これはイギリスも日本も同じ。

イギリスの金融行政・体制は FSA(Financial Services Authority)というのがあって、1997年に創設された。それはイングランド銀行から検査・監督部門を引き離してそれ以外の証券・保険の自主規制団体と合体させて単一の監督機関とした。このような監督機関で監督することが世界のグローバルスタンダードになった。FSA-イングランド銀行-財務省 という三角形の構造で互いに牽制し透明性を高めていて、うまくいっていた。日本(金融庁-日本銀行-財務省)、ドイツも見習った。

問題の無いときにはうまくいっているが、一旦金融危機が発生すると問題があるのではないかといわれている。それはFSAの担当者はノーザン・ロック銀行の検査をして経営破綻を知っていたが、迅速な措置を取らなかったという疑いがあるから。イギリス国会では責任を追及しているが、FSAは対応するツールが無かったといいのがれている。またイングランド銀行は7ヶ月もかけて国有化したので国民の資産を減らしたと批判されている。

グローバル・スタンダードのイギリスの金融監督体制が問題含みになってきている。我々としても無関心を装うことは出来ない。目をそらしてはならないと思う。


2008年 5月 1日 木曜日 東洋大学大学院教授 中北徹(なかきた・とおる):英国イギリスの金融行政とその問題点 ノーザン・ロック銀行を巡って


編者感想:問題の無いときにはうまくいっていたが、危機になるとうまくいかないというのは全く役に立っていないことになりはしないだろうか。その危機のために作った組織じゃないの?旧暦のエイプリルフールに金融危機の訓練をしたらどうだろうか、マジで。

FSA(Financial Services Authority のホームページ http://www.fsa.gov.uk/
日本の金融庁のホームページ(金融庁も FSA と呼ばれていました。知らなかった!) http://www.fsa.go.jp/

ノーザン・ロック銀行(事実上)破綻の影響の現地レポート http://sonomatasonoue.blog44.fc2.com/blog-entry-137.html

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

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