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田中直毅(たなか・なおき):世界的な食料品価格の高騰の背景 2008/5/9

世界の中で食料飢饉、食糧不足を理由とした政状不安がどうして広がるのか?
今回新たに地球温暖化防止という原因も加わった。

食糧不足・飢餓の起きる原因を正面から説明したのはインド人のノーベル経済学受賞を受賞したアマルティア・セン(Amartya Sen, 1933年11月3日生まれ)
という学者。ベンガル出身。1943年に大飢饉がベンガルであった。彼は幼児体験として飢饉を体験し、その体験をもとに背景を説明した。
飢饉は農産物の収穫が異常に下がるから起きるのではなくて、不作が穀物価格の急騰を起こし、それが飢饉になる。収穫がべらぼうに減るわけではないので、被害者は貧しい農民ではなく、食品価格が急騰することによって都市のサービス業従事者・貧しい労働者が打撃を受け、結果として飢饉に至る。
その仕組みは、不作だと(食料品の)値段が上がる。値段が上がると人々は生活の自己防衛に走る。すると高騰した食費をまかなうために不要不急の支出は抑制する。例えば散髪の回数を減らしたりやめたりすると、散髪屋は売上が減る。このように大都市のサービス業従事者に飢饉の影響が一番厳しく出る。

そこでセンによると、食料品価格が上がると買いだめ・価格高騰が起きるが、供給量がべらぼうに減るわけではないので、(食品の価格が高騰したという)市場と(失業や収入減で食べ物が変えないという)政治的な抗議の声を聴いたら市場メカニズムに介入して、量を抑えて(確保して)必要なところに食料が配られる仕組みを作らなければならない、という議論になる。

今回起きている飢饉の原因は不作・旱魃もあるが、食品価格の急騰から来ている。

地球温暖化対策も(飢饉の)原因となっている。再生可能なバイオ燃料が本格的になるとどうなるか、今回示された。アメリカではトウモロコシの4分の1がバイオエタノールになっている。食べ物と再生可能バイオ燃料が綱引きになっている、という面がある。では、バイオ燃料はどれくらい使われているかというと、ほんのちょっぴり。

ドルの下落の中で原油が上がり、原油が上がる中で食品価格が結果としてバイオ燃料を媒介項として入るので食品価格が上がってしまった。そうすると、地球温暖化に対応するために、バイオ燃料でしのごうという理論は難しいのではないか。
もちろん、バイオ燃料も食べ物ではない稲藁とかセルロースなど今まで廃棄されていたものを原料とするのならいいが、まだ十分な技術開発が出来ているわけではない。コスト上もエネルギーバランス上も。トウモロコシ・サトウキビなど食料と競合するものを原料としてバイオ燃料を生産するのは早すぎたかなというのが世界的な動きになっている。

食品高騰のデモがフィリピン、ハイチで起き、アフリカでは暴動になっている。そういう意味では、温暖化防止に何から出来るのか。

どうやって食料問題に世界が対応するのか、特に価格の値上がりが生じたときにどうやってそれに対応するのか、重い(問題)だと思う。


2008年 5月 9日 金曜日


編者感想:食べ物を自動車の燃料にするという発想は、戦後の食糧危機を聞かされてしかもその名残を蒙っていた私としては絶対に出てこない。何が出来るというわけではないが、ひもじい思いをしている人がこの地球上に大量に発生してしまっていることは心配だ。






テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

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自動車よりも食糧に-バイオエタノールの見直し

 世界食糧危機が始まっています。姉妹ブログ「ん!」の方で記事にしました。 洞爺湖サミットの前に緊急の食糧サミットの準備 http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/forum2/13773.html 海外の食糧問題記事 http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming...

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センの論文をはじめて読みます

ニタリクジラさん 
こんばんは。先日から大いに参考にさせていただいています。今回の話を受けて、『貧困の克服』を図書館から借りて、これから読んでみようと思います。
別に今読んでいる本が経済に詳しい知人から偶々薦められた『金融化の災い』(著:大槻久志)です。経済に疎い私にも読める解説書のように思います。ご参考までに。

本の紹介有り難うございます

ご参考にしていただき有り難うございます。
職探しなどで最近ちょっとペースが落ちていますが、適当に頑張って続けていくつもりです。

両方共に読みやすいらしいので、私も「貧困の克服」「金融化の災い」をよんでみようと思います。

(別ブログの名前になっていました。失礼しました。ブログ編者:ニタリクジラ)
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当ブログの編集者は東京都在住40代後半男性(現在失業中)です。就職したら頻繁には更新しなくなるかもしれません。

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