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内橋克人(うちはし・かつと):広がる穀物輸出規制 2008/3/4

世界の食料事情が急変している。ダイズ、トウモロコシ、小麦など外国への輸出を制限・規制する国が増えてきた。
 インドは昨年の10月に一部高級米を除いて米、小麦の輸出禁止。
 ベトナムは昨年7月以降新たな米の輸出契約を禁止。
 ロシアは昨年11月から大幅な輸出税を導入、小麦の10%、大麦の30%。
 アルゼンチンは昨年3月小麦の輸出登録を停止。
 中国は今年1月からダイズ、トウモロコシ、ソバの輸出抑制措置を導入
 中国産餃子事件について中国側の強気の背景には、中国からの輸入が無ければ日本の食は成り立たないのだというしたたかな計算がある。

中国はこれまで外貨獲得の為に税の還付など輸出優遇政策を取ってきたが、これを廃止した。
新たに輸出穀物の60品目について5%から25%の輸出税を課す。そばは20%の輸出課税、いずれ我々の食べるソバは高くなる。
政府が輸出管理体制を強いていく。数量割り当て制。

穀物価格の上昇により中国の輸出業者は輸出を増やそうとする。同時に国内での需要も拡大しているのでますます食糧需給が逼迫する。食料のインフレ懸念が高まってきた。

バイオ燃料ブームで穀物食料の国際価格の高騰が引き起こされた。そのなかで各国は国内需要を満たそうとするようななった。
食料安全保証のために、将来の穀物不足に備えて国内に穀物の在庫を積み増そうとしてきている。

日本は『農産物を作れるのに作らせない、買わせる』という政策が取られてきた。
これをいかに転換させていくか都市の消費者・農村の生産者は考えないといけない。食料自給圏(食のアウタルキー)を作ることが緊急課題ではないか。

世界の穀物相場が高騰する中で日本の米だけが激しく値下がりしている。
水田耕作が成り立たなくなってきている。また、飼料穀物の高騰により畜産・酪農がますます厳しい状況に置かれている。
例えば、山形県酒田市では飼料用の米(大粒で、収量の多い品種。価格は食用の米の10分の1)を大幅に増やす施策を実行している。
地元で取れた米で生育した豚ということで高級感・地域ブランドを高めることができる。

過去の農業政策を正すべきときに来ている。

2008年 3月 4日火曜日   評論家 内橋克人(うちはし・かつと)


編者感想:食べるものが無くなった時の苦しさを知る人は外国には多いけど、日本人には少ないということか。食糧不足がきっかけで革命や王朝の交代を繰り返した世界標準の歴史を持つ国々の感覚が伝わってきた。そういう意味では日本は幸運な国だと思う。この幸運を未来にも繋ぐには「過去の農業政策を正すべき」。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

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