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山下一仁(やました・かずひと):食糧危機への対応 2008/5/27

穀物の国際市場は各国の国内市場と分断・隔離されている市場だと言う特徴がある。
各国とも、(穀物の)国際価格が低迷しているときには自国の農業を保護するために関税を張って安い輸入農産物を入ってこないようにする。他方、国際価格が高騰すると輸出税をかけたり、輸出禁止・数量制限などで国内消費者への供給を優先する。現在、インド、ベトナムは輸出禁止。ロシア、中国は輸出税を掛けている。

自動車はその生産量の50%が貿易されるが、穀物は生産量のわずか15%程度が輸出されるに過ぎない。従って、15%が天候で不作になったとしても、各国が自国の供給に優先することになると、貿易量がゼロになる。1973年に穀物が高騰した。調べてみると全世界の穀物生産量はわずか3%しか減少していない。3%の減少が3,4倍にもなる穀物価格の高騰をよんだ。

日本は、最近のWTO交渉で輸出制限について輸出国・輸入国で協議が不調に終わったときには専門家委員会を開いて判断する、と言う提案をした。しかし、(日本は)国内農業を保護するために関税をかけ、(食糧不足で)困ったときには輸入させろと言うのは、いくらなんでも虫が良すぎるとインドの代表からいわれた。

日本の食料自給率は60年(1960年か?)で79%、今は39%に低下している。

戦後日本の農政の特徴というのは「米の値段」つまり米価を上げて農家の所得を確保しようとした。しかし、米の値段が上がったので、この40年間で一人あたりの米消費量は半分に減っている。そういうわけで米は過剰になり生産制限を実施している。その面積は、水田面積が260万ヘクタールあり、その4割の110万ヘクタールで生産制限をしている。このことは米あまりとともに農地も余っているという認識が定着し、農地が宅地に転用されたり、耕作放棄ざれたりして、いまでは農地として460万ヘクタールが残っているだけ。ここにカロリーを最大に出来る芋だけ植えて、やっと日本人が生命を維持できる。戦後、食糧難の時代、人口は7000万で農地面積は600万ヘクタールあったが、それでも飢餓が生じた。いまの農地が460万ヘクタールと言うことは危機的な状況。さらに生産制限をすると、現在39万ヘクタールという耕作放棄地がさらに増えることも心配される。

今までは一人あたりの(米の)消費量が減ってきたが、人口が増加してきたので総消費量の減少はめだたなかった。しかし高齢化と人口減少で米の消費量は相当減ってくる。すると2050年頃には米の総消費量は今の850万トンぐらいから350万トンくらいですんでしまう。生産制限を210万ヘクタールくらいに拡大して50万ヘクタールで米作をすればいいと言うことになってしまう。

私が以前から提案しているのは、米の生産制限を止めること。そうすると今の米価は60kg当たり1万4000円くらいであるのもが、9500円程度に下がる。日本が中国から買っている米の値段は1万円くらい(60kg)なので、これよりも低くなる。米作農家にこの価格を補填すれば1600億円くらいで済んでしまう。現在、生産制限に参加させるために農家に払っている補助金と同じ額。同じ補助金の額を使ってしかも米の価格は下がるわけで、財政負担は変らず、消費者は価格低下の利益を受け、(中国の米と価格で同じくらいなので)さらに米を輸出できるようになる。

輸出をすれば国内だけでなく海外の市場を取り込むことができて農業を縮小しなくても済む。日本も、食糧危機が生じたら、現にインドや中国がやっているように、輸出に向けていた米を国内に向けて飢えをしのげばいいと言うことになる。自給率が31%ということは69%を国際市場で調達していることになり、輸出している途上国の飢餓を増幅していると言うことに他ならない。

生産制限を廃止して輸出によって農業を縮小から拡大に転じると言うことが、日本が食糧難時代に行なえる国際貢献であって、なおかつ日本の食料安全保障に繋がる政策ではないかと思う。


2008年 5月 27日 火曜日 農政アナリスト 山下一仁(やました・かずひと):食糧危機への対応


編者感想:食料安全保障はいまだに軽視されているとおもう。田畑つぶして住宅や工場・会社用地にしても、海外への生産移転や不況になったら食べるものを作れないじゃないの、といつも思う。今回は山下一仁氏の持論でもあっただけに、話として分かりやすかった。一度この方法で食料自給率が上がるか、日本の農業が生き返るかやってみたらどうだろうかという気になった。









テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

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