スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

金子勝(かねこ・まさる):アメリカ経済の悪循環が始まっている 2008/5/28

サブプライムローン問題はまだ続いている。信用収縮、貸し出しの縮小、債券市場の縮小がとまっていない。
サププライムに関連する住宅関連証券の損失が巨額に上っている。ピッチという格付け会社のレポートを見ると、サブプライムの損失が大体4000億ドルくらい。日本円だと40兆円くらい。その半分くらいは銀行が持っていて、その8割は処理したと言っている。(サブプライムローン問題の山は越えたとする楽観論は)それを根拠にしている。

しかし、大手銀行の資金不足はとまっていない。FRBの対策で一時的に止っているに過ぎない。いま猛烈に企業倒産が増えだしている。2007年の企業倒産は大体2万8300件くらいだが、2006年より43%増加している。
それから5月12日付けのテレグラフと言うイギリスの新聞記事だと、米国の企業の債務不履行が増加している。90年代初めにも不況があってそのときは40%くらいだったが、債務不履行の企業は今は75%くらいで投機格付け・ジャンクになっている企業が4分の3に昇っている。要するに住宅バブルの最後の1年半くらいは猛烈に企業債務が膨らんだ。それが今縮小に入ってきている。

石油、穀物が高騰している点が今までの不況と違うところ。ケンブリッジ・エネルギー研究所のヤーギン(ダニエル・ヤーギン)という楽観論で有名な人がいるが、この人も年内には石油1バレル当たり150ドル行くだろうといっている。ゴールドマン・サックスはこの2年以内に150ドルから200ドルになるだろうと予想している。

アメリカの石油業界の700億ドルの利潤を除くと残りの企業のこの間半年の利潤は26%落ちている。エネルギー企業が利益を上げれば上げるほど他の部分は利益が減っている。
石油メジャーの(油田)開発コストも高くなっているので、石油の1バレル当たりの利益は落ちてきている。(石油業界の好況も)持続できないだろう。

ガソリンと食料が値上がりしているので個人消費が落ちてスタグフレーションの様相を呈している。コアインフレ指数と言うものがあるが、食料とエネルギーが抜けているので意味が無い。(楽観論者は、コアインフレ指数は上がっていないので大丈夫といっている。しかしこれは無意味だ。)FRBも(そのことが分かっているので)利下げどころか利上げ説すら出てくるようなジレンマに陥っている。 

サブプライムローン問題、石油・食料高騰問題のほかに注目すべき点は何処でしょうか?(浜中アナウンサー)

景気が悪くなっているので景気が下げ止まっていない。住宅価格の下落率は15%で、ニューヨークは下がっていないが、これから下がり続けるだろうという見方は(多くの人が)一致している。

サブプライムの次に「オルト・エー(Alt-A)」というサブプライムより一つ上の中間層向けの住宅ローンがある。サブプライムの1.5倍の規模をもっている。このグループの半分くらいが担保割れになっている。また、S&Pがオルト・エーが絡んでいる住宅担保証券の格付けを下げると予定されている。また、2009年から2011年にかけて、オルト・エーの「ゆとりローン」(借りた初めは金利が安い)の上がって来る時期に当たる。この時期にサブプライムローンと同じようにどんどん債務不履行が増えてくるだろうと言われている。

さらに、商業用不動産の価格は落ちていないが、消費がこのまま冷えてくると、カラのショッピングモールが増えてきている。日本のバブル崩壊の時もそうだったように、これも下がるのは時間の問題だ。
3つある住宅金融公社に「ファニー・メイト・クレディ・マック」「ファニーメイ」と「フレディーマック」の決算では相当損失を出している。自己資本3800億ドルだが、5兆ドルもの住宅関連証券を持っているので、これも資本増強しないと危ない。向こうの新聞はそのように報じている。

こうやって見ていると、かつての日本のバブル崩壊と似ていることに気づく。
景気の悪化が住宅市場を悪化させて、住宅関連証券の損失を膨らます。すると金融機関が自己資本が少なくなるので貸し出しが減少したり、債券市場が縮小して企業倒産が増えて、また消費者もローンが組めなくなり返済が出来なくなって、損失が拡大してまた信用収縮を起こして、また住宅が下がって・・・
こういった信用収縮と景気後退の悪循環が始まったというのが現状だ。

イギリスのテレグラフの記事を読んで、一番悪いシナリオは2008,2009年にアメリカが景気回復する前にイギリス・ヨーロッパ、日本・中国が不況になるとグローバルなレベルで不況になってしまう、と言うことだった。怖いシナリオだが、今のデータを見ていると危険性はないとはいえないんじゃないか。


2008年 5月 28日 水曜日 慶應義塾大学教授 金子勝(かねこ・まさる):アメリカ経済の悪循環が始まっている


編者感想:歴史は繰り返す。目の前で日本のバブル崩壊の光景が場所を変えてアメリカで今起きようとしている。アメリカのバブル崩壊の影響は世界を覆うことになるのか?財政赤字をメタボのごとく身にまとった日本はどうなるんだろうか。

オルト・エー」を含むサブプライム問題の報告がありました。(財)日本証券経済研究所 佐賀卓雄氏による http://209.85.175.104/search?q=cache:rJlJvEPjTVUJ:www.econ.hit-u.ac.jp/~trade/jsie/papers/2007/saga.doc+%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%A4&hl=ja&ct=clnk&cd=2&gl=jp

米国の住宅金融公社の名前が違っていました「ファニー・メイト・クレディ・マック」ではなく、正しくは「ファニーメイ」と「フレディーマック」です。「通りすがり」の方からご指摘受けました。教えてくれて有り難う。(2008/6/18訂正)

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
FC2カウンター 2008/3/24~
プロフィール
当ブログの編集者は東京都在住40代後半男性(現在失業中)です。就職したら頻繁には更新しなくなるかもしれません。

ニタリクジラ

Author:ニタリクジラ
写真上のプロフィールを編集できないのでそのままです。派遣やバイトでつないでいますが、状況としては変わっています。
また形式を変えてはじめます。

カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
リンク
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
小さな天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
携帯電話からもご覧になれます
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。