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黒瀬直宏(くろせ・なおひろ):アジアの中小企業の現状(アンケートをまとめて) 2008/6/5

専修大学では日本を含むアジアの8か国の中小企業の調査をしている。
    中小企業の成り立ちはそれぞれの国によって随分異なる。中小製造業をアンケートの対象にしているが、企業の創立年代を調べてみた。
  • 日本 半分近くが1959年以前の設立。1990年以降の設立はわずか5%しかない。中小企業の誕生は衰えている。
  • ベトナムは100%近く、タイ・中国では7割以上、マレーシアは65%が1990年以降の設立。
  • 次に韓国、シンガポール、台湾に若い企業が多い。

計画経済から市場経済・工業化経済に移行した「移行経済」国で活発に中小企業が誕生している。

創業経営者に創業の理由を聞いたら、「自分の裁量で仕事をしたかった」「自分のアイデアを事業家したかった」「以前から経営者になりたかった」などの積極的理由が多かった。
    その後の発展については1998年から2003年の5年間の売上増加度を調べた
  • 売上が2倍以上になった企業の割合は、中国が6割、日本は2.5%
  • 売上増加度がマイナスになった企業は、中国5%、日本は6割
  • 成長度が高いのは中国とベトナム。次にマレーシアとタイ、次は台湾とシンガポール、最後は日本

日本の中小企業の半分は下請企業。そこで企業の形を次の3つに分けてみた
A:自社製品を製造して市場で売る(自社製品型)
B:他企業の依頼で企画を行なう(受託開発型)
C:他企業が開発したものを他企業のために製造する(下請け型)
中国では5割がAの自社製品型。Cの下請け型は1/4。中国は社会主義経済時代に分業体制をとらず、一つの工場に全ての生産工程をそろえていたので、下請けになる機会がそもそも少ない。
日本の様に大企業が最終消費市場を席巻していなくて、中小企業のための市場が広いから発展する余地がある。また、民族性が商人に向いている。

タイ・マレーシアでも日本や外国企業の進出により下請け企業が育っている。

韓国も日本と同じような大企業中心の国だが、今回の調査では下請け企業の割合がそれほど多くなかった。ちょっと意外だった。

(まとめると)
アジアの中で、成長度・誕生度で見た中小企業のダイナミズムは国ごとに差がある。
市場経済化・工業化の歴史の新しい地域では中小企業がいわば「若木」のように誕生し、成長している。
一方、市場経済・工業化の歴史が古くなると「若木」の誕生も成長も鈍くなる傾向がある。
市場経済が若い国では、未開の商品市場が広大だからということ。
進出した外国企業との取引や外国からの受託生産が中小企業の市場機会を増やしている。
豊富な低賃金労働者の存在が小資本での参加を容易にしている。
大企業が主要産業を占拠して中小企業の発達を妨げる体制が成立していない。

今回改めて日本の中小企業の誕生と成長が衰えていることがはっきりした。これは我々にとって大問題で、別の機会にお話できたらと思っている。

2008年 6月 5日 木曜日 黒瀬直宏(くろせ・なおひろ):アジアの中小企業の現状(アンケートをまとめて)


編者感想:私も、大学を出て大企業から零細企業まで働き25年近く(今は失業してるけど)経つが、実感として年とともに既存の市場には中小企業の発展する余地が少なくなっているとおもう。中小企業は、大企業が動き出す前に新しい市場をめがけて突っ走らないと成長しない。戦後直後から昭和40年代までにそうやって成長した企業経営者の話が本やテレビ番組で取り上げられるが、それは過去の話。
ある植物学者が話していたが、森に火事が起きた後、最初に帰化植物みたいなものや雑多な植物が生えてくる。何年かたつと少しその気候・土質に合った植物になり、最後は安定した森に戻る。これは学校で習う話。さらにその植物学者は、「人間のやることも同じ、企業でも焼け野原ではいろんなものが育つ。そして時間の経過と共に安定した寡占状態になる。『人間は植物とは違うよ』なんて言うのは思い上がり。人間も生物の一部だから、厳密にこの法則にしたがう」と付け加えていた。

職探し中の私としては、公務員・大企業に再就職するか(必ずしも良いとはいえないし、難しいかも)、経済的な焼け野原になるのを待って準備するか(創業)、小さな焼け跡や未開地(発展しそうな中小企業)を眼を皿のようにして探すか、難しいかハイリスクだ。





テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

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