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金子勝(かねこ・まさる):アメリカバブル崩壊は日本に似てきた 2008/7/23

要約:住宅ローン関連で危機に陥った金融機関に中途半端な公的資金注入をしているアメリカは、90年代後半のバブル崩壊の時の日本と良く似ている。スタグフレーション下のバブル崩壊でアメリカはなすすべがない。

6月の初めの時点でアメリカの住宅ローンの11件に1件(大体9%)がローン未納か差し押さえのプロセスに入っている。
ALT-Aという中間層対象のローンの件数が2005から6年に掛けてゆとり返済(オプションヘッド金利住宅ローン)で増えた。そこに住宅価格の下落でローン金利切り上げが
アメリカのルールでは住宅の価格が担保価値を割ってしまうと、金利の上がる時期が前倒しされる。

その中でカリフォルニアの住宅ローン貸付大手のインディ・マック・バンクが破綻した。この銀行は大量のALT-A住宅ローンを貸し付けて持っている。ALT-A市場が崩壊しないように政府はインディ・マック・バンクを国有化した。結構規模が大きく、日本円で3兆4000億円くらい。史上3番目の破綻。そのため、FEDIC(預金保険機構)が5兆円くらい持っている基金のうち1兆円近く使ってしまった。

住宅ローン以外の貸付をメインにしているアメリカの地方銀行でも危なくなっている。既に2000年の10月からだと32行破綻している。去年のサブプライム以降でも8行つぶれている。
今月の14日のニューヨークタイムズでは今年1年から1年半の間に破綻する地方銀行は150行に及ぶのではないかというアナリストの発言を載せている。ウォール街では次に破綻する銀行のブラックリストが出回っているといわれている。いよいよ90年代後半の日本(のバブル崩壊)を見ているようだ。

民間がやっている住宅ローンの債権を買い取って、(日本人はなかなか分からないが)それを証券化する業務とか保証する業務をやっていた住宅金融の関連公社、ファニー・メイとフレディ・マックが深刻な経営難に陥り、巨額な資本増強が必要になっている。
実は、住宅ローン担保証券は発行がほぼゼロ、つまり住宅ローン担保証券の市場がアメリカでは崩壊している。両社の業務は事実上ない。それなのにコストの高い資本増強を繰り返していくと絶対にうまくいかない。小出しに公的資金を入れて支援していくとこになって、これも日本と同じで中途半端な公的資金注入をしていてもだめ。

ポールソン財務長官が22日、ファニーメイとフレディ・マックがこれまでに発行した住宅ローン担保証券5兆ドルの内、1兆5000億ドル(160兆円)が海外の中央銀行や金融機関に保有されていることを明らかにしました。大変な額が海外に出ているんですね?(浜中アナウンサー)

危ないとなったらその債権は投売りする。すると深刻なドル安になる。これがだめになったら(持っていたり保証していた)金融機関はばたばたと連鎖倒産する。ほんとだったら業務を停止して国有化すべきだと思うが、そうしないで(公的資金注入を)ずるずるやる道を選んでしまった。問題を先送りする構図も90年代の日本に良く似てきた。
日本が(金融立国の)モデルにした国がこのありさまでは辛いものがある。

FRBの対応の仕方はどうなんですか?(浜中アナウンサー)

歴史上起きたことが無いことが起きている。バブル崩壊と重なる特殊なスタグフレーションで、FRBは金を上げるに上げられない。
金利を上げないとインフレを抑えられないが、上げるとバブル崩壊がひどくなる。
金利を下げるとドルが下がって輸入物価が上がったり、マネーがあふれて石油インフレ、食料インフレがひどくなってしまう。
しかもFRBは銀行だけでなく、投資銀行にもたくさん救済融資をしていて、危ない住宅証券と国債を換えたりしているので。バランスシートがひどく悪い。

統計を見てみると、アメリカのマネーサプライ(通貨供給量)は急速に収縮している。これって大恐慌の時と同じ。これだけFRBは銀行、投資銀行に流動性を供給しているのに、結局ドル安による石油高を警戒して、グリーンスパンがやったような思い切った金融緩和が出来ない。そのために信用か収縮してきている。スタグフレーション特有の政策ジレンマに陥ってきているのが現状だ。

われわれはアメリカをモデルにしてきたが、米国の市場原理主義の破綻が始まったと考えたほうがよい。いまFRBは市場原理に反することをやらざるを得ない。
インフレターゲット派のバーナンキFRB議長もスタグフレーションを前にしてなすすべもない状態になっている。

日本はそれでも相変わらずアメリカのことを金融立国のモデルにしている。アメリカというモデル自身が自己破産しているのにいかがなものかなあ、というのが私の持っている感想。


2008年 7月 23日 水曜日 金子勝(かねこ・まさる):アメリカバブル崩壊は日本に似てきた


編者感想: 日本のバブル崩壊と同じというなら、これからアメリカに「失われた10年(The lost decade)」が訪れるのだろうか。これからはアメリカが内向きになりそうな条件が揃いつつあるという気もする。来年は大統領も変ってイラク・アフガンから徐々に撤退するだろうし、「落ち着いた10年」をアメリカは迎えるかもね。

 ことしの夏も暑くて、ブログ記事のペースがひどく落ちている。雨でも降って涼しくなったらすっきりした頭で過去放送をアップしようと思っている。

テーマ : ビジネス展望
ジャンル : 政治・経済

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