2008-07-30
要約:バイオ燃料と
食料価格高騰の関係については国際的に意見が一致していない。そのままの状態でバイオ燃料の生産量は2015年には2倍になるだろう。
地球温暖化、エネルギー高騰・
食料価格高騰の問題は連動しているので一体的な対策が必要だ。
バイオ燃料と食料価格の高騰については国際的にも意見が対立している。
先月、イタリアのローマで世界食料サミットが開かれた。そこでイタリア、ヨーロッパ・アフリカの食糧輸入国はバイオ燃料の開発が
食料価格高騰の大きな原因だと主張した。
それに対してバイオ燃料を生産しているアメリカやブラジルは反論して、他の理由で食料価格が上がっていると言って、意見の一致は見せられなかった。
洞爺湖サミットでは、アメリカ・ブラジルに配慮して食料価格の高騰の原因は直接バイオ燃料だ、という言及は無かった。
ここ4,5年
バイオエタノール、
バイオディーゼルの生産量が増えている。ガソリン、原油価格が上がったことが原因。それと
地球温暖化対策としてCO2の削減にバイオ燃料はプラスになるということで解発が進んでいる。
ガソリンに混ぜて使う
バイオエタノールは2004から2007年の3年間で生産量は2倍になっている。世界全体で5000万キロリットル。アメリカが48%、ブラジルが31%。
軽油に混ぜる
バイオディーゼル(植物油から作ることが多い)は2004年から2007年までに5倍くらい生産量がふえている。1000万キロリットル、EUが6割、アメリカが2割。
今後、バイオ燃料の開発が食糧生産にどう影響すると見ておられますでしょうか?(山下アナウンサー)
OECDで報告書を発表した。バイオ燃料を支援するために税制面で優遇措置を講じたり、ガソリンに一定量のバイオ燃料を混ぜる義務化をしている。また、アメリカなどは国内の
バイオエタノール生産を保護するために、海外からの安いバイオ燃料に関税を掛けたりしている。それらの政策を前提にすると、2007年から2015年の間に
バイオエタノールについてはさらに2倍くらいに増えていくだろう。
現在、穀物生産の8%が
バイオエタノールに向っているが、2015年には15%になる。現在、世界の
バイオディーゼルについては植物油の9%くらい。これが2015年には14%くらいになる。当然、食料価格に影響が出る。
そういうこともあって、EUはバイオ燃料の導入にはすこし見直す必要がある、と検討し始めている。EUは2020年までに輸送用車の燃料は10%までバイオ燃料にすると決めていたが、これを見直し、食料価格への影響を避けるべきだという議論が広がっている。
バイオ燃料はCO2の削減効果があるということだが、実際はそれほどのことは無いのではないか。CO2の削減対策としては省エネルギーの方がはるかに低いコストで実現できるという意見をOECDのレポートで言っている。
その一連の流れも含めてバイオ燃料の食糧生産への影響を小さくするためにはどういう対策が必要だとお考えでしょうか?(山下アナウンサー)
食料に向う穀物(トウモロコシ、サトウキビ)からバイオ燃料を作るのが問題だということで、第二世代のバイオ燃料の生産技術を開発しようという動きがある。
間伐材、麦わら・稲藁などやエネルギー植物(成長の早い植物)からバイオ燃料を作る研究開発が進みつつある。
こういうことを進めていけば食料の需給にそんなに影響を及ぼさないだろう。技術開発が大切になる。
地球温暖化問題、エネルギー高騰、
食料価格高騰をばらばらに考えていた嫌いがあるが、相互に連動している。一体的に対策を考えていかないと解決しない。
特に価格については投機資金が原油・食糧市場に流れ込んでいるので監視を強化する必要がある。
2008年 7月 30日 水曜日 日本エネルギー経済研究所専務理事
十市勉(といち・つとむ):バイオ燃料と食料価格の高騰をどう見るか
編者感想: CO2の削減対策としては、バイオ燃料を使うより省エネルギーのほうがはるかに効果があるのは素人でもわかる。バイオ燃料は開発しても実用に用いないほうが良いだろう。
古いエアコンを新しい省エネタイプのエアコンに買い換えるよりも、薄着で過ごしたり昼寝・行水、汗疹になったら桃の葉の煮出し汁を塗るなどといった昔の生活を取り入れるほうが
地球温暖化対策に効果がある。ダイズは
バイオディーゼルの油にするよりも冷奴にして食べるのがいい。
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